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だらだらぼちぼち

平原綾香 LOVE STORY Concert Tour 2011 堺市民会館

2011年09月02日 23時22分58秒 | 音楽

平原綾香 LOVE STORY Concert Tour 2011

2011年8月27日 堺市民会館

 

ご存知だろうか?
平原綾香絢香が別人だと言う事を?

別人だという事を多くの人々が知っていたようだが、ワタクシはつい半年前まで、平原綾香と絢香は同じ人で、そのどちらかが本名でどちらかが愛称なんだと思い込んでいたなどとは、今さら口に出す事ができない。

確かにジュピターという曲は何度も耳にした事があるが、申し訳ないが、アルバムを聴いてみたいと思うほどの興味を感じた事は無かった。
それが、2階席でこっそりとライヴ観戦する羽目になったのは、いくつかの偶然が重なったからだ。

その偶然とは、

まず、平原綾香の父親である平原まことが山下達郎のアルバムに参加した事がある、と耳にした事。
平原綾香の父親がジャズマンだという事は知っていたが、達郎との共演歴があると聞いて、父娘ともども気になる存在になりつつあった。

その上、敬愛するゴンチチの番組で、かつて平原綾香がジングルを担当していた事実からして、ゴンチチ文化圏にいるシンガーでもあるらしいとは薄々感じていた事。

そして、1ヶ月ほど前に、児山紀芳のNHK-FMのジャズ番組で、何故か平原綾香の曲がオンエアされた事。
オンエアされたのは、チック・コリアの『アランフェス協奏曲 ~ Spain』で、5弦ベース(おそらく)と平原綾香のヴォーカルのデュオ構成で、曲中のベースとヴォーカル(ヴォーカルエフェクトとも呼ぶのだろうか?)とのインタープレイにすんごく心が躍った。
「へ~え、平原綾香って、こんな曲も唄うんだ」
と驚きながら、ワタクシの興味は、共演しているベーシストに向いた。
調査の結果、岡田治郎というベーシストで、経歴を見ると、高橋真梨子のツアーバンドや、和田アキラ率いるプリズムにも在籍していたという。
この岡田治郎というベーシストには、要注意だと感じた。
それ以上に、FMジャズ番組でのオンアエ以来、平原綾香にも注目しなければとブックマークしていた。

そうこうするうちに、今年の初夏に、ワタクシの居住地で平原綾香のライヴがあった。
そこですんなり居住地でのライヴ観戦できたのかというと、都合が付かずに行けなかった事、これが、ライヴ観戦を思い立った最も重要なきっかけとなった。
手に入らないとわかったら猛然と手に入れたいと思い込んでしまうのが、ワタクシの悪い癖である。
失意の日々を過ごすうちに、堺市民会館に8月にやってくる事を突き止めて、チケットぴあの扉を叩いた。


          

雨だというのに、当日立見席が出ていた。
これだけの人気者だとは思わなかった。

盛況の物販コーナーをやり過ごして、座席に向かうが、2階に上がると1階のホールに比べて通路の照明がやたら暗い。

ステージのセッティングを見ると、センターに位置するヴォーカリストからやや奥に下がったステージ左手にピアノ、ほぼ横並びのステージ右手にドラムス。
更に奥の位置にキーボード、管楽器、ギター、ベースが並ぶ。
たいていは奥にいるはずのドラムスが、妙に客席寄り前方にセットされているが、気のせいだろう。

この時点ではバックバンドの構成は全く知らなかった。

まだ照明を落としたままのステージにミュージシャン達が登場し、BGM様の音楽が鳴り出す。
キーボードだけがBGMに参加して演奏しているな、と思ったとたん、スネアドラムの短いロールが重なる。
音数は少ないが、このロールは只者ではないかも?

黒っぽいドレスの平原綾香が登場すると、BGMは停止。
唄いだしたのは、なんと、ジュピターだった。
ほとんどジュピターしか知らないワタクシなので、もっと後半に唄うんだろうと思っていたこの曲をオープニングに選んだ意図を感じて、ちょっと泣きそうになる。
最近、音楽を聴いてて泣きそうになる時があるのはどういう事だろう。

すでにこの時点ですっかり引き込まれているが、やがて、ステージ上が明るくなると、ギタリストはアコギマガジンで何度もお見かけしている古川昌義で、ベースが岡田次郎だと判明した。
さらに右手のドラムセットに座っているのが、則竹宏之だと分かる。
なるほど、ドラムスの位置が前方にせり出しているわけだ。
インスト物では何度か聴いた事がある則竹裕之だが、唄モノの演奏を聴くのは初めてだ。

後列、サックスとギターとコーラスで忙しい女性を双眼鏡で眺めると、どことなく平原綾香に似た人だ。
あとで分かったのだが、平原綾香のお姉さんらしい。

ピアノの人とキーボードの人が良くわかんないので後日調べるとして、

こんだけのバックバンドのメンバーを揃えるという事は、そんだけの実力の持ち主だという事だ。

圧巻だったのは、ベースの岡田治郎と2人だけで演奏した、『熊ん蜂』。
NHK-FMで聴いたチック・コリアの『アランフェス協奏曲 ~ Spain』のように、ベースとヴォーカルだけの真剣勝負。
なるほど、熊ん蜂が高速でブンブン飛び回っていた。
女性の低音というのはあまり聴きなれていないけど、高い方にも低い方にも広い声域と選曲のセンスの良さに納得。

ワタクシが座ったのは2階席中段だったが、その位置からは1階席の観客の動向が視界に入らなかった事もあって、集中できたライヴだった。
(ほら、やたら1階席の様子が目に入ると、嫉妬心が沸いてくるでしょ?)

少々造りは古いが、ワタクシにとってはアクセスが便利で、大阪市内のホールと遜色の無いプログラムを楽しめるこの堺市民会館は穴場だと思う。


平原綾香のクラシック物のアルバム収録曲の歌詞やアレンジを誰が担当しているのか?
そのあたりに興味がわいてきた、今日この頃である。

(雨が降ったこの日に撮ったホールの画像が無いので代わりに2009年に撮影したものを)