砂の船

2024-05-27 09:31:45 | 中島みゆき
砂の船 中島みゆき cover 「寒水魚」


誰か 僕を呼ぶ声がする
深い夜の 海の底から
目を 開ければ窓の外には
のぞくように 傾いた月

僕はどこへゆくの夢を泳ぎ出て
夢を見ない国をたずねて
いま 誰もいない夜の海を
砂の船がゆく

望むものは何ひとつない
さがす人も 誰ひとりない
望むほどに 消える夢です
さがすほどに 逃げる愛です

月は波に揺れて 幾百 幾千
古い熱い夢の数だけ
いま 誰もいない夜の海を
砂の船がゆく

月は波に揺れて 幾百 幾千
古い熱い夢の数だけ
いま 誰もいない夜の海を
砂の船がゆく
いま 誰もいない夜の海を
砂の船がゆく
ただ 誰もいない夜の海を
砂の船がゆく




少なくとも歌謡曲の歌詞ではありませんよね。

文学性が高く、歌のなかに寂寞とした喪失感が詰まっています。

中島みゆきさん、 この人はいわゆるニューミュージックのアーティストのひとりですが、言葉を編み出す力はピカ一で、詩人としても当代一流の存在だと

思います。 

みゆきさんのことを考えると、自動的に松任谷由実を連想して、ふたりを比較して考えてしまいます。

二人とも一九七〇年代の半ばに登場した人達ですが、ユーミンの場合は最初の頃の荒井由実時代の作品と松任谷のダンナと結婚したあとの『紅雀』以降の作品の

クオリティが一寸違っていると思います。

初期の作品には深層心理的なものがあるのですが、アルファレコードから独立したあとのものはトレンディで時代の匂いのする、スキーとかサーフィンとか

ドライブとかモノ文化に含まれる新しいライフスタイルを歌ったものが多いようです。

生活のうたわれ方も比較的表層的。

みゆきさんの場合は、最初から最後まで深層心理的で、生きることに悩む人間の心の立ち姿を歌にしようとしています。

メッセージがトラディショナルというか、人間的で本質的だと思うのですが・・・。



















































































































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