辺見庸が長崎新聞に「相模原障害者19人殺傷事件」で書いている。2016年8、13。そこからの抜き書き。
「目をそむけずに凝視するならば、怒るより先に、のどの奥で地虫のように低く泣くしかない悲しい風景が、世界にはあふれている。」
「『生きるに値する存在』と『生きるに値しない存在』の二分法的人間観は、いまだに克服されたことのない、今日も反復されている原罪である。」
「他から求められることの稀な存在を愛することは、厭うよりもむずかしい。だからこそ、その愛は尊い。青年はそれを理解する前に、殺してしまった。かれはわれらの影ではないか。」