宇ち中
宇ち多゛中毒のページ




2008/06/28
(続き)
2時間以上も酒の高橋で盛り上がったあと、はまださんとふたり向かったのはずいぶん久しぶりのまつもとです。酒の高橋の常連Nさんに教えていただいて、2006年の年末に1度行ったのですが、その後何度か振られて結局それ以来行ってなかったので、1年半ぶりの再訪を期して世田谷通りを進みます。



引き戸をあけてお店の中を覗くと、カウンターも小上がりもいっぱい。料理人風の店主に「いっぱいですね」と声をかけるとすまなそうに「ごめんなさいね」と。うーん、またまた振られてしまいました。仕方ないですねえと話していると、すぐにはまださんから代替案が。世田谷通りをそのまま進んで松陰神社前まで歩きます。商店街から踏切にぶつかったところを、駅と反対側の右側へ少し入ったところにそのお店はありました。



バッカスというお店。「TOKIO古典酒場 沿線酒場〈京成・世田谷線〉編」で紹介されていて、ボクも気になっていたのでした。お店に入ると、ずっと昔からそのままという雰囲気の渋い店内に、カウンターの中からマスターが「いらっしゃいませ」と迎えてくれます。先客のいらっしゃらないカウンターにふたり腰掛け、まず最初に注文したのがはまださんがジンバック、ボクがモスコミュールです。



カクテルには全く通じていないボクに、いろいろと教えてくれるはまださん。でも、その時はふむふむとお聞きするのですが、すぐに忘れちゃうんですよね。やれやれです。カクテルの話やら、いろんな話をしながらバックバーを眺めつつ、ゆったりと時が流れていきます。



「そのままにしてあるだけなんですよ」と、とても物腰の柔らかいマスターが、ふかふかクッションの丸椅子のことを話してくれました。今時は製造されていないという、クラシックな赤い丸椅子。カウンターの感じも、昭和35年創業という当時の雰囲気が偲ばれるいい感じです。



2杯目は、はまださんはブランデージンジャー、ボクはウイスキーハイボールをいただきます。その間、お客さんも増えてきて気づけばボクたちのほかに2組5名ほど。小さなお店なので、満席といった感じになりました。2杯目を飲み終えて、次はショートカクテルをいただくことに。



マスターがシェイカーを気持ちよく振る音が店内に響きます。



はまださんはスティンガー、ボクはギムレット。甘くて冷たくてとても飲みやすいのですが、ちびちびとなめるようにしていただきます。タイムスリップをしたような店内でいただくショートカクテル。なんだかその時代に生きていた先輩方と同じ場所に居るような、背伸びをしたような感覚になれるのが不思議です。なんだか自分もオトナになったのかな、なんて既にいいオヤジの年齢なのにそんな気分になってきました。はまださんとふたり、1時間半ほどの素敵なひとときを過ごしてごちそうさまをします。



世田谷線が通る脇に、ひっそりと50年近く続いている名店。マスターと奥様の素敵な切り盛りで、元気に続けていただきたいなあと思いながらはまださんと別れたのでした。
(おわり)

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