体温より高い気温で無理して三連休に渋谷の繁華街に出るつもりはなかったが、しかし行く予定の映画館の上演するものははとても若い人がいきそうにもないし、渋谷の混み方も知っておきたいと思った。日経新聞によると渋谷は今では若年層から中高年の家族連れが伸びていて、さらに収入も多いので店舗の内容も変化しているという。
ユーロスぺ-スと言う映画館は道玄坂の廃業した東急百貨店本店の側にある。行ってみて驚いたのだが映画館の周囲は飲み屋が多く、ラブホテル系も多く、昼間と夜は激変地区とおもう。そんなところに映画館がある。横浜から渋谷へ行ったのは来月は観劇等で忙しくなる予感がある。
観た映画は(絶唱浪曲スト-リ-)というドキュメンタリ-映画。ある女性が高齢な仕事仲間に薦められて浅草木馬亭に浪曲を聞いたことから通うようになり高齢の浪曲師に弟子入りし、その女性の披露目に至る過程を映画にした。高齢ということで師匠が途中で急死し、曲師と言われるまた高齢の女性が後見人となって無事お披露目が出来た。映画で曲師は97歳で今でも生きていて101歳になっても時たま木馬亭に出ている様だ。高齢の浪曲師の最大の悩みは認知症のようだ。台本が無いために記憶任せで忘れるということは引退に繋がる。
映画を観て感じる所は今浪曲の革新期でなんでもありの世界になりつつあって、既成の浪曲師と違うものがでてきたようだ。映画で今の日本全体の浪曲師は100人程度で戦後の全盛時は3000人もいたという。今の落語家と言われる人も減ったとは言え全国で1000人ほどはいて、毎月に近いくらい真打の口上が聞ける。定席も落語は5か所も都内にあってさらに小さな席もある。ところが浪曲の定席は都内に浅草木馬亭のみで、さらに月初めの7日間しかない。それでも順番に出演しているので生活はどうしているのだろうか。
映画を観ていた気が付いたのだが浪曲には台本が無く、唸る声で何を言っているか判らないところがあった。日常用語で歌っていない。曲師の浪曲で映画には字幕があってやっと言葉が理解できた。
10回ほど木馬亭に通うと今の状況から日本の現役の浪曲師に会うことが出来る計算となる..
寄付より通うことで演者に活力を与えると思った。