年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

宗吾御一代記念館

2010年04月21日 | 福神漬
宗吾御一代記念館
成田の書道美術館の次に、佐倉宗吾を祀った宗吾霊堂に行った。6月に渋谷のシアターコクーンにて歌舞伎・佐倉義民伝を上演する。佐倉義民伝は上野山下の三橋で将軍に直訴したという芝居である。農民の代表は直訴の後に処刑されたという伝説から芝居が作られた。福神漬の絡みで上野近辺を調べると自由民権運動を調べていく必要が出てくる。幕末にできたこの芝居は時代の状況にあって、長期上演となり、特に明治10年代は農産物価格が下落していて、支配者の過酷な税の取り立てに対して異議申し立てする農民代表の芝居に観客が集まった。またこの当時は歌舞伎も史実に忠実な芝居を政府から求められていた時代でもあった。
 この様な事を考えながら、宗吾霊堂に向かった。真言宗豊山派の寺院の中に霊堂があって、宗吾御一代記念館なるものがあり、入場料700円払って入ったが自由民権運動とか歌舞伎の話は展示もなく、出てしまった。
 境内の一隅に佐倉義民伝を上演した時の記念樹が唯一歌舞伎との関係を表している。福沢諭吉が「人民の権義を主張し正理を唱えて政府に迫りその命を棄てて終りをよくし、世界中に対して恥ずることなかるべき者は、古来ただ一名の佐倉宗五郎あるのみ」と『学問のすゝめ』で称賛した佐倉宗吾と自由民権運動の関係は展示されていなかった。
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