年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

猛暑なのに梅干しの売り上げ減

2024年10月09日 | 梅干
今年の夏は史上最高の気温の夏だった気がする。ところが梅干しの売り上げデ―タと量販店の売り場で目立った熱中症対策でウメボシの特売が目立たなかった。塩飴、塩ぐみとかのコンビニでもウメボシ関係は目立たなかった。多分漬物のコラムを書いている、ライタ―達はまだ気が付いていないと思われる。今頃和歌山では衆議院選挙の話題で持ち切りだと思うが、そこには二階元自民党幹事長の子息の出馬、参議院から無所属で立候補する世耕さんの出馬が予定されていて、注目となるがこの状況下でウメボシ業界の駆け引きがあることを知らない。(参考・農協の闇)
 この和歌山のウメボシは4年程日本の政治を動かしていた。4年もJAのリーダ-だった紀南農協の人でウメボシの生産・消費・販売の中心でもあった。全国の農協で6次産業を実現し、梅バブル時期は紀南地域の梅畑が都市近郊の土地価格と同じと言われ、政治力で谷を埋め、土砂を運んで整地し、梅畑を造成した。パイロットファ―ム(24ha)もできた。そのあと梅バブル崩壊があって、梅の農家もだいぶ減ってしまった。築地市場が移転した2018年は梅雨が6月29日に明けて、猛暑の夏となった。丁度その時に7月にNHKが和歌山のウメボシの効能を宣伝した。そうしたらまだ梅雨が明けたばかりでも、特売計画が殺到し、多くの量販店が欠品した。この欠品を見た消費者がお中元を実用品としての熱中症対策として、梅干しを送ることが復活した。今の米騒動で産地から割高でも購入することと同じである。
 あとで梅業界の人との話を総合すると、梅の漬け込み時期と天日干し・お中元の製造・量販店向け製造が重なり、人手が足りなかったようだ。そこで利益の良い固定した通販客を優先し、量販店は前年並みの出荷にして、取引がカットされないようにしていた様子が見える。これは東日本大震災当時の量販店と同じで、当時の記憶では3月11日以後に特売が消えていた。多くの量販店が梅干しが消えた。
 今年のウメボシが猛暑でも特売が少なかったと思うのは2018年のウメボシ欠品の記憶があって、来年の欠品を恐れている。新規の得意先開拓は中々難しい。今年はグリコのシステム不調で欠品がでて、他社の人がグリコの売り場をとる事が簡単だったと思われる。そこで売り場の埋め合わせ製品が消費者に受けられるとグリコの復活は消える。食の世界は代打がヒットすると定番が外される。
 ではなぜウメボシ業界が今年の夏に特売を抑えたかの回答は、地球温暖化によって、2024年は暖冬の影響で梅の開花が10日〜2週間ほど早く,今年の1月の梅の開花があって、2月11日の南部梅林の梅まつりは五分咲き位で、梅の受粉を助けるミツバチの活動がない時だった。この結果和歌山県の調査で、着果率が低く、4月の時点で梅の実の大不作が予想されていて、前年繰り越しのウメボシ在庫と計算していて、夏の特売計画が4月以降で抑えられていた様子が見える。ここで普通なら中国からの輸入梅干しになるのだが中国も農家の人件費・輸送費・環境整備費等の上昇で、安くは入らないし、日本の梅情報が中国の人にだだ洩れしていて安くは日本に入らない。このあたりの調整は誰が行っているのか不明である。
 このミツバチの話は文献がある。
参考 ミツバチの秘密 高橋純一著 緑書房
 第7章 和歌山が誇る熊野密と南高梅
 日本ミツバチが梅の受粉に関係していることが記述されている。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 曇天の今・・ためらいながら... | トップ | 60年前の東京オリンピック... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。