前参議院議員大久保勉 公式ウェブサイト

前参議院議員大久保勉の主張や活動を伝えるBLOGです。

通貨安競争を巡るG20の議論と国内政治

2013年02月17日 | Weblog

 G20が週末に開催され、各国の為替を巡る政策に議論が集中したとの報道です。日本が円安誘導国として名指しされなかったことでまずまずの出来栄えと評価しています。アベノミクスによる日銀の金融緩和により円安が進んでいるという指摘もありますが、世界的なリスクオフ基調の後退で緊急避難的に資金が円やスイスフランに流れ込んでいた状態が是正され、それらの資金が株式市場に流れ込み世界的な株高が演出されているとの認識も必要です。

  しかし国内政治の世界では、そのような評論家的なことだけでは済ませられません。 英国ファイナンシャル・タイムズの記事によると野田首相が解散をした11月14日から、円は14%下落、TOPICSは30%上昇しました。トヨタは、1円円安になると営業利益が380億円増加するとのことです。

 先週民主党は補正予算に反対することを次の内閣で決めましたが、経済産業部門役員会では補選予算の公共投資などのばらまきが多いという問題点もある一方、円安、株高を評価して補正予算に反対できないとの結論でした。しかし次の内閣の中では少数意見でした。最近の世論調査で、民主党の支持率が、自民党に大きく水を明けられているのもこの辺りの認識のずれかもしれません。世論、特に経済界の反応に敏感になってより現実的な対応が求められます。

 より具体的には、日本の貿易収支が赤字であることは、トヨタや他の輸出企業の営業利益が増える以上に、誰かがそれ以上の損失を負担していることです。この負担が燃料費の上昇、輸入食料品・雑貨の値上がりを通じて、中小企業や家計部門にどの程度はねてい行くか注視が必要でしょう。それに対する有効な政策を作っていくことが、補正予算にやみくもに反対するよりより建設的な対応と思います。