前参議院議員大久保勉 公式ウェブサイト

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政冷経冷から頭冷心温へ

2012年11月05日 | Weblog
 香港貿易発展局主催の金融セミナーが、東京証券取引所で行われました。中国人民元の国際化や日本円との直接交換などタイムリーなテーマということもあり金融機関を中心に約300名が参加しました。日本銀行も来賓として参加し、私も来賓挨拶をする機会をいただきました。この香港金融セミナーは、東京、大阪、福岡で行われる予定です。
 尖閣諸島の問題等中国と日本の関係は、政冷経冷の状況が続いておりますが、日本の大企業のみならず中小企業も多くの対外直接投資を中国にしています。場合によっては、企業の生産拠点はもはや中国しかないというほどまで中国進出している多くの日本企業も存在しています。現在人民元を日本円やドルなどハードカレンシーに還元することは制約があります。別の言い方をすれば、一旦中国に進出した日本企業は容易には資本を引き上げることが困難ということです。そのため中国に進出した日本企業を守っているためには、中長期的に政冷経冷を放置しておくことは日本の国益にとり望ましいものではありません。そのため経済学教科書に最初に出てくる頭冷心温(Cool Head,but Warm Heart)が必要であると感じざるを得ません。
 人民元の兌換可能性を促進するための政策として、深センに金融特区を作る構想に関心が集まっております。円人民元の直接取引市場ができたとしても、資本勘定も含めて自由に通貨を交換することは現段階では制限があります。今回の取組みで、資本勘定を含めた人民元の自由化が促進されることは、日本の金融機関のみならず事業法人にとり大きな利便性をもたらすものと注目しております。対外直接投資や資本回収等の双方向取引や規制緩和されより透明性の高い金融市場が存在するようになれば、中国への投資リスクは軽減され、GDP世界2位に見合った経済圏としての魅力が高まることが期待されます。