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TIBOR問題、厚生年金積立不足

2012年07月19日 | Weblog

 本日の民主党財務金融部門会議では、TIBOR問題と厚生年金積立不足に関する二階建てのヒアリングを行いました。

 TIBOR問題に関しては、金融庁から英国から米国やドイツ等に波及しているLIBOR問題の現状を、更に全銀協よりTIBOR(Tokyo Inter Bank Offered Rate)の制度や運用状況をそれぞれヒアリングを行いました。銀行に有利な恣意的な金利を提示していたのではないかとの疑いがあり、英国バークレー銀行には総額360億円の課徴金の支払いが命じられています。また英国中央銀行等の当局者の介在も指摘されていますが、この問題は金融機関とロンドン・シティのユーロ市場の信認を揺らがす恐れのある問題として今後も注視していく必要があります。

 一方円資金の東京市場での価格であるTIBORに関して、同様の問題があるかは全銀協で行っている自主点検の結果次第ですが、今のところLIBORのような大きな問題に発展する可能性は高くないと私は見ています。このことは、TIBORの制度や運用に一点の曇りがないことがすぐに証明されると思うからでは残念ながらありません。そもそもLIBORとTIBOR全然違うものだからです。

 LIBORは、金利提示銀行の「調達可能な金利」をベースに決定されることに対して、TIBORは金利提示銀行が判断したあくまでも「市場参照金利」をベースに決定されるという制度的な違いがあります。更に誤解を恐れず単純化して言えば、LIBORは精度が高く国際的に浸透したブランド力がある「ドル、ユーロ、円など多くの通貨の資金の価格表」であるのに対して、TIBORは簡便でローカルな「円資金の価格表」です。そのため国際的な影響や違法性の認定などの点で大きな違いがあることが原因です。

 次に厚生労働省より、今年の3月末時点での厚生年金基金全体の代行割れの金額が1.1兆円に達したとの報告がなされました。昨年より代行割れ金額が、4800億円も拡大したことになります。AIJ投資顧問の厚生年金からの預かり資産2000億円の消失の影響もありますが、実はそれ以上の財産が年金基金から流出していることです。運用環境の悪化、年金保険料の受領より年金支給が多くなっているという年金基金老齢化等々構造的な問題が背景にあります。これらの構造的な問題を放置し続ければ、更に代行割が増えて、年金の3階建て部分が貰えなくなるのみならず、母体の企業の経営を大きく揺るがすことにもなりかねません。早急な対策が必要と感じております。

 具体的には、厚生年金基金制度を廃止して、代行部分は早急に返済するとともに、余力がある厚生年金基金は確定給付型ないし確定拠出型の企業年金に移行することです。詳細は、私が事務局長を務めた民主党AIJ問題WTの中間取りまとめに記載されています。