前参議院議員大久保勉 公式ウェブサイト

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休眠預金についてのヒアリング

2012年03月08日 | Weblog
 本日の財務金融部門会議では、全銀協より休眠預金の現状をヒアリングしました。政府与党内では、成長ファイナンスや新しい公共など様々な分野で休眠預金の活用が議論されています。そこで財金部門として、当事者である全銀協から休眠預金がどのように管理されているのか、また事務コスト、かつ活用する場合の諸問題等をヒアリングしました。
 日本の場合、諸外国に比べて銀行口座が多く、一人の国民が10口座以上持っている勘定ということです。特に残高1万円未満の口座が数多く存在し、それらが休眠預金として時効を迎えつつも預金者の利益のため時効の援用が行われていることが特徴です。私がニューヨークにいた時の経験では、銀行口座管理手数料が年間数千円程度かかり、そのまま預金に低額資金をおいていたらいつの間にか預金がなくなったことを記憶しています。日本の場合預金口座管理手数料がほとんどかからないのでこのあたりも影響しているのかなと思います。
 全銀行の話では、一定の基準で休眠預金は雑益処理をして、さらに休眠預金の預金者から預金の請求があればそのまま利息を計算して払出しているとのことです。その場合銀行にとり雑損処理をすることです。毎年雑益と雑損を相殺してネットでは、約500億円程雑益、すなわち銀行の利益となるとのことです。しかし事務コスト、税金などを考えると純粋な利益は相当程度減ることになります。
 最近の成長ファイナンスや新しい公共の議論では、約500億円の雑益から口座管理に要する実質的な費用を除いた2百億円から3百億円を公共のために使うべきとの議論です。この場合の使い道の正当性、預金者の財産権、さらには時効の援用をする必要性の有無などが主な論点です。さらにマイナンバー(社会保障税共通番号)の民間利用が始まれば本人確認が格段に楽になるので、その際にそれ以前の休眠預金の取り扱いを確定させるのも一案かなと私は思っております。
 但し、メディア等で休眠預金の報道が盛んになり、最近では休眠預金の引き出しが倍増しているとのことです。引き出された金がたとえ数千円でも消費に回れば、休眠したお金が回りだすということで経済的にも一定の効果がありそうです。