混迷する欧州危機の原因であるギリシャ問題が新たな展開を帯びてきた。EFSFの増強によるギリシャ支援、ギリシャ国債の50%カット、欧州銀行への公的資金注入により、当面の危機を回避できそうに見えた欧州危機は、ギリシャ国民投票提案とその後の否定等によりギリシャ情勢は益々混迷を深めている。ギリシャ国民の緊縮財政に対する反発や政局の一層の混迷などにより、欧州各国の支援の条件であるギリシャの緊縮財政が反故にされることになれば、ギリシャ国債の価値は、50%カットではすまなくなり、最悪な場合にはデフォルトとなり、さらに大きな損失がギリシャ債保有の欧州銀行にもたらせる見通しである。またギリシャのEU離脱という憶測が、スペイン、イタリア等の南欧各国の国債の価格をさらに押し下げ、それらを大量に保有している欧州銀行の信用リスクの拡大というルートも見逃せない。
より注意すべきは、市場の暴走です。疑心暗鬼になることにより、実際の損失より多大な損失を予想し、過剰な防衛を個々の金融機関が行うことにより、市場機能が崩壊することが最大の懸念です。日本のバブル崩壊時には、三洋証券破綻によりコール市場が一時機能停止したこと、またリーマンショック時にはインターバンクの短期資金市場が機能停止したことと同様なことが、今回の混乱で発生しないことを望みたい。特にこれから年末に向かうので、通常でも年越えの資金は逼迫しがちなタイミングであるのでなおさらです。
今回の欧州危機を欧州に限定されるべきではなく、東欧、アジア、ラテンアメリカなどの新興国に危機の火種が移りつつあることも見逃せない。韓国の通貨安に関して10月29日に、ラテンアメリカ等への影響に関して10月22日にこのブログで紹介しました。ある欧州系銀行のエコノミストと昨日話す機会がありましたが、90年代後半のアジア通貨危機が、再びアジアやラテンアメリカ各国に生じる可能性は少ないとのことですが、東欧はドイツ、フランス等の欧州銀行から借入比率が高い分その影響は大きいとのことでした。
欧州危機の進展如何では、当然日本の銀行や企業の海外展開にも大きな影響が出てきます。特に大企業においては、国内より海外での収益が大きいところも多く、日本企業の収益、雇用、そして国の法人税収にも直結する問題です。そこで欧州危機がさらに進展した場合に、外為特別会計のドル資金や日本銀行の保有外貨資金を邦銀や日系企業に低利で中長期資金として貸し出すことを提言します。実はこのような議論は、すでに財務省や日本銀行とすでに行ってきました。例えば7月25日参議院財政金融委員会での白川総裁への質問がそうです。そろそろ国民の財産である外為特別会計のドル資金や日本銀行の外貨資金を日本企業のサプライチェーンや輸出ファイナンスを守るために(そしてそのことが日本の雇用と国民の財産を守ることにつながりますが)、JBICやメガバンク経由で日系企業に貸し出すことを決断すべきと考えます。
より注意すべきは、市場の暴走です。疑心暗鬼になることにより、実際の損失より多大な損失を予想し、過剰な防衛を個々の金融機関が行うことにより、市場機能が崩壊することが最大の懸念です。日本のバブル崩壊時には、三洋証券破綻によりコール市場が一時機能停止したこと、またリーマンショック時にはインターバンクの短期資金市場が機能停止したことと同様なことが、今回の混乱で発生しないことを望みたい。特にこれから年末に向かうので、通常でも年越えの資金は逼迫しがちなタイミングであるのでなおさらです。
今回の欧州危機を欧州に限定されるべきではなく、東欧、アジア、ラテンアメリカなどの新興国に危機の火種が移りつつあることも見逃せない。韓国の通貨安に関して10月29日に、ラテンアメリカ等への影響に関して10月22日にこのブログで紹介しました。ある欧州系銀行のエコノミストと昨日話す機会がありましたが、90年代後半のアジア通貨危機が、再びアジアやラテンアメリカ各国に生じる可能性は少ないとのことですが、東欧はドイツ、フランス等の欧州銀行から借入比率が高い分その影響は大きいとのことでした。
欧州危機の進展如何では、当然日本の銀行や企業の海外展開にも大きな影響が出てきます。特に大企業においては、国内より海外での収益が大きいところも多く、日本企業の収益、雇用、そして国の法人税収にも直結する問題です。そこで欧州危機がさらに進展した場合に、外為特別会計のドル資金や日本銀行の保有外貨資金を邦銀や日系企業に低利で中長期資金として貸し出すことを提言します。実はこのような議論は、すでに財務省や日本銀行とすでに行ってきました。例えば7月25日参議院財政金融委員会での白川総裁への質問がそうです。そろそろ国民の財産である外為特別会計のドル資金や日本銀行の外貨資金を日本企業のサプライチェーンや輸出ファイナンスを守るために(そしてそのことが日本の雇用と国民の財産を守ることにつながりますが)、JBICやメガバンク経由で日系企業に貸し出すことを決断すべきと考えます。