欧州社会党大会が、スペイン・マドリッドで12月1日、2日と開催され、世界の中道左派団体の関係者が多く参加しました。日本からは、民主党を代表して私と連合から一名が参加しました。
欧州社会党は欧州議会の政党ですが、英国労働党を始め、スペイン、ノルウェー等の北欧各国、また旧東欧各国等で政権を担っています。来年6月には、欧州議会の選挙がありますので、そこでの躍進のために今大会でマニフェストを作成し、選挙戦を有利に運ぶことが今回の大会の最大の目的です。米国では、友党である民主党のバラク・オバマ氏が次期大統領に選出され、次期政権で中枢に入る予定の民主党関係者も大会に参加しておりました。
欧州社会党は、"people first"という標語を掲げ、欧州議会や政権の運営を行おうとしており、経済・雇用、環境問題、社会福祉、教育、男女共同参画、移民問題が中心議題でした。私も大会のいくつかのセッションでパネリストとしてスピーチしたり、また日本の状況や金融の状況に関する簡単なコメントを求められたりされましたが、欧州、米国に続いて中道左派である日本の民主党が次の選挙で政権を担う可能性が高くなってきていること、民主党も「国民の生活が第一」という同じようなコンセプトを採用していること、さらには1990年のバブル崩壊後の失われた10年の経験の紹介と今回の金融危機に対する処方箋などを披露しました。
米国から参加した代表者からは、米国の金融危機の状況、1929年金融恐慌の経験との比較で100年に一度の金融危機への対処の処方箋、オバマ次期政権のニューディール政策の内容等の発言があったのが印象的でした。
今回の欧州社会党大会に出席して感じた最重要項目を3点上げるとすれば以下の事項です。第一に、欧州域内の政治は、欧州議会に集約され、①各国の地方自治体選挙、②各国の国政選挙、③欧州議会の選挙 がピラミッド構造になって集約されて「欧州は一つ」の政治形態が実現しつつあることです。(極東)アジア共同体の参考になりますが、ローマ帝国以来の長い歴史文化を背景として欧州石炭鉄鋼共同体以降半世紀以上の努力の結晶なのでしょう。
第二は、国際的なバックグランドがあるバルク・オバマ氏が大統領に選ばれたことで米国に対する期待及び金融危機を招いた新自由主義の見直しから中道左派勢力の躍進期待。勿論ことことは、欧州議会選挙での欧州社会党の躍進を印象づける政治的な手法でもありますが、会場熱気に包まれておりました。この延長線上で、国際的な金融市場の規制、世界銀行・IMF・ブッシュ政権等のいわゆるワシントンコンセンサスの是正、イラク戦争等米国中東政策の一部見直しが行われる可能性があります。
最後は、温暖化対策と結びついた世界的な有効需要喚起策、いわゆるグリーン・ニューディール政策の実現の可能性です。欧米ともに金融危機の影響が甚大で、財政出動による経済対策の必要性は強く理解されております。どの分野に膨大な財政出動を行うか、またそのことで人類の将来を担保するのか、政治的に最も重大なテーマの一つです。(1929年の大恐慌以降、第二次世界大戦により初めて景気回復がなされたという発言もありましたが、21世紀はどのような理由であれ戦争ということは起こりえませんし、絶対に避けるべきであることは一致した考えであることは言うまでもありません。)オバマ次期政権は、ゴア元副大統領のアドバイスもあり、思い切って環境分野での財政出動をするとの発言もありました。近い将来欧州と米国が地球環境問題で合意し、財政出動により環境技術、温暖化ガス取引、次世代自動車、太陽光発電などの分野で欧州・米国が主導する可能性もあります。100年に一回の金融危機から世界経済が脱却した頃(これは2、3年後ではなくて、もしかしたら十年以上先かもしれませんが)、世界の経済産業構造が大きく異なっており、日本がうかうかしていたらその潮流から大きく取り残されていたという事態も発生しかねません。
以上、長くなりましたが、一週間分のブログのアップデートとします。上の写真は、金融問題に対する全体会議でパネリストとして参加している場面です。
欧州社会党は欧州議会の政党ですが、英国労働党を始め、スペイン、ノルウェー等の北欧各国、また旧東欧各国等で政権を担っています。来年6月には、欧州議会の選挙がありますので、そこでの躍進のために今大会でマニフェストを作成し、選挙戦を有利に運ぶことが今回の大会の最大の目的です。米国では、友党である民主党のバラク・オバマ氏が次期大統領に選出され、次期政権で中枢に入る予定の民主党関係者も大会に参加しておりました。
欧州社会党は、"people first"という標語を掲げ、欧州議会や政権の運営を行おうとしており、経済・雇用、環境問題、社会福祉、教育、男女共同参画、移民問題が中心議題でした。私も大会のいくつかのセッションでパネリストとしてスピーチしたり、また日本の状況や金融の状況に関する簡単なコメントを求められたりされましたが、欧州、米国に続いて中道左派である日本の民主党が次の選挙で政権を担う可能性が高くなってきていること、民主党も「国民の生活が第一」という同じようなコンセプトを採用していること、さらには1990年のバブル崩壊後の失われた10年の経験の紹介と今回の金融危機に対する処方箋などを披露しました。
米国から参加した代表者からは、米国の金融危機の状況、1929年金融恐慌の経験との比較で100年に一度の金融危機への対処の処方箋、オバマ次期政権のニューディール政策の内容等の発言があったのが印象的でした。
今回の欧州社会党大会に出席して感じた最重要項目を3点上げるとすれば以下の事項です。第一に、欧州域内の政治は、欧州議会に集約され、①各国の地方自治体選挙、②各国の国政選挙、③欧州議会の選挙 がピラミッド構造になって集約されて「欧州は一つ」の政治形態が実現しつつあることです。(極東)アジア共同体の参考になりますが、ローマ帝国以来の長い歴史文化を背景として欧州石炭鉄鋼共同体以降半世紀以上の努力の結晶なのでしょう。
第二は、国際的なバックグランドがあるバルク・オバマ氏が大統領に選ばれたことで米国に対する期待及び金融危機を招いた新自由主義の見直しから中道左派勢力の躍進期待。勿論ことことは、欧州議会選挙での欧州社会党の躍進を印象づける政治的な手法でもありますが、会場熱気に包まれておりました。この延長線上で、国際的な金融市場の規制、世界銀行・IMF・ブッシュ政権等のいわゆるワシントンコンセンサスの是正、イラク戦争等米国中東政策の一部見直しが行われる可能性があります。
最後は、温暖化対策と結びついた世界的な有効需要喚起策、いわゆるグリーン・ニューディール政策の実現の可能性です。欧米ともに金融危機の影響が甚大で、財政出動による経済対策の必要性は強く理解されております。どの分野に膨大な財政出動を行うか、またそのことで人類の将来を担保するのか、政治的に最も重大なテーマの一つです。(1929年の大恐慌以降、第二次世界大戦により初めて景気回復がなされたという発言もありましたが、21世紀はどのような理由であれ戦争ということは起こりえませんし、絶対に避けるべきであることは一致した考えであることは言うまでもありません。)オバマ次期政権は、ゴア元副大統領のアドバイスもあり、思い切って環境分野での財政出動をするとの発言もありました。近い将来欧州と米国が地球環境問題で合意し、財政出動により環境技術、温暖化ガス取引、次世代自動車、太陽光発電などの分野で欧州・米国が主導する可能性もあります。100年に一回の金融危機から世界経済が脱却した頃(これは2、3年後ではなくて、もしかしたら十年以上先かもしれませんが)、世界の経済産業構造が大きく異なっており、日本がうかうかしていたらその潮流から大きく取り残されていたという事態も発生しかねません。
以上、長くなりましたが、一週間分のブログのアップデートとします。上の写真は、金融問題に対する全体会議でパネリストとして参加している場面です。