前参議院議員大久保勉 公式ウェブサイト

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日・米民主党、欧州社会党 金融フォーラム

2008年06月23日 | Weblog
 欧州議会の拠点の一つベルギーの首都ブリュセルで、ヘッジファンド規制に関する第一回国際会議が開かれました。欧州社会党、欧州労働組合、米国民主党、米国労働組合、欧米大学から30名を超える経済、金融、労働問題等の専門家が集まりました。デンマーク元首相、ドイツ元蔵相、現職財務副大臣等の大物政治家のみならず、オバマ米大統領候補の経済アドバイザーを務めるガルブレイス教授(有名なJ.K.ガルブレイス、ハーバード大学名誉教授の息子)などが勢ぞろいでした。日本からは、私一人でしたが、日本の民主党からの派遣で次の内閣金融担当副大臣ということもあり厚遇していただきました。
 会議は、午後1時半から6時まで長時間かつかなり突っ込んだ意見交換を行いました。
 これまで大陸欧州は、ヘッジファンドやプライベートエクイティーファンドにかなり批判的で、職場を守る観点から金融主導のグローバル化や合理化には大変批判的でした。一方英国は、ロンドンシティを抱え、金融立国成功により景気や雇用の面で大変な恩恵を受けているので過度なヘッジファンド規制には反対の立場です。 今回の会議では、欧州議会内の議論から米国と日本が加わることにより、より後半な議論ができ、大変有意義であったというのが、出席者一同の意見でした。半年以内に、二回目の会議を行い、継続的に議論をしていこうということになりました。
 会議の主な論点は以下の通りです。詳しい内容は後日報告書を作る予定ですので、興味がある方は事務所へ連絡下さい。
①意見の一致した事項
 ・ファンドも含めて金融機関ディスクロージャの強化、コーポレートガバナンスの強化、高レバリッジ取引の規制が重要である。
 ・企業、金融機関、ファンドは、超短期から長期の利潤拡大へと行動を変えるべきである。
 ・各国中央銀行、金融当局の連携やBIS、IMF等の国際機関のより洗練された対応が必要である。
 ・米国サブプライム問題は、戦後最大の経済危機に発展する可能性がある。米国のみならず、欧州への影響は大きい。
・ヘッジファンドの資金量の増大とその資金の流入は、金融市場のみならず原油、穀物等の商品市場にも大きな影響を与えている。市民生活、雇用、企業活動等の実物経済にとってもその影響は無視できない状況になっている。
 ・格付機関の格付モデルの検証や規制、利益相反問題等引き続き議論すべきである。
 
②意見の表明、問題提議、報告等
 ・BIS規制の不十分さが、過度な証券化等過度なオフバランス取引を助長した。
 ・タックスヘブン国やヘッジファンド等課税や規制の抜け穴が大きな制度的欠陥になっている。
 ・上記の理由もあり、ヘッジファンド規制等は事実上困難である。銀行や証券会社を通じて、貸出規制や報告義務を行うという間接規制が現実的。
 ・CEOや投資銀行家の極めて高い報酬を規制すべきではないか。
 ・ヘッジファンドの手数料体系、ファンドマネージャーの報酬体系を規制することにより、長期志向の行動に誘導すべきである。
 ・為替取引等国際金融取引に課税をすべき。(トービンタックスの導入)
 ・ポールソン米国財務長官の金融規制の考え方の報告と大陸欧州側からの批判
 ・中南米、アジア等金融危機を経験、克服した国の代表の参加要望とサブプライム危機への応用。