前参議院議員大久保勉 公式ウェブサイト

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ユーロマネー日本資本市場会議

2006年09月28日 | Weblog
  ユーロマネーの日本資本市場会議に参加し、「日本の銀行システム」という題で、パネルディスカッションを行いました。パネリストは、日経新聞滝田洋一氏、AIG東アジア副会長近藤章氏、元ゴールドマン・サックス投信社長山崎養世氏、一橋大学教授安田隆二氏と私の5人でした。日本や海外の有力金融機関やコンサル会社で活躍した人で、一言一言が説得力がありました。パネリストの私も大変勉強になりました。
 日本のクレジット市場の流動性の問題、証券化市場やシンジケートローン市場への期待、郵政民営化の資本市場へ与える影響、金融当局の果たすべき役割など、最新のトピックを交えた議論でした。バブル崩壊後、金融機関は塗炭の苦しみを経験しそれを乗り越えて、現在復活を遂げようとしています。その経験は、ビジネスモデルとして貴重なものです。時価会計、不良債権処理手法、リスクマネージメント、最新の企業統治方法等々がそれです。これらの手法は、政府部門や政治にも適応することが可能です。複式簿記と発生主義による正確な国と地方のバランスシートを作ること、そして不良債権や不稼動資産があれば早急に処理することもその一つです。その過程で外に出た資産は、証券化市場や不良債権市場で適切にプライシングされ、公的部門の効率化のみならず、日本の資本市場の活性化にも寄与するはずです。また官僚制度を支配している人事における取得時簿価制度(キャリアかノンキャリアかの区別、出身大学、年次が一生ついて回ること)を時価評価制度(能力主義、中途採用、政治任用等)に変えるだけでも霞ヶ関の生産性は急速に上がることでしょう。金融部門の不良債権処理が完了した今、公的部門や医療、大学、法曹界などの先生業界の改革が今後の日本の最大の課題であるとの意見は説得的に聞こえました。