前参議院議員大久保勉 公式ウェブサイト

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郵政特別委員会での質問

2005年10月14日 | Weblog
 郵政特別委員会で質問しました。前の通常国会での質問に続き、3度目の質問でした。今回は、郵政民営化の「Due Diligence」と位置づけ、実務上民営化する場合どのような問題が発生するか徹底的に審議しました。
 民営化委員会によるガバナンスを徹底するため、誰が民営化委員になるか重要な点です。公正・中立と言いつつ政府の御用学者や財界人が占めるようでは、民営化とは名ばかりの官製擬似民営化会社が登場する懸念があります。
 次に郵便貯金銀行の収益性や財務の健全性に大きな疑問があります。現在220兆円の資産がある郵貯は、規模に比べて脆弱な資本及び収益力です。今年8月に発表された郵貯のディスクロージャー資料によれば、純益が約2兆円から約1兆円と半減しております。また時価評価を避けるために、満期保有債券が100兆円まで増加しております。一方で、相変わらず債務のほとんどを何時か違約されるか分からない定額預金によっております。収益力が弱く、多大なALMリスクを持つ銀行が、民営化できるかはなはだ疑問です。新銀行は、2.5兆円の資本金を予定していますが、定額預金の解約リスクや金利2%上昇で8兆円の損失がでる資産運用リスクを吸収するには余りにも資本が少ないと言えます。
 郵政民営化法案は、本日参議院で可決され、法案として成立しました。しかし民営化のプロセスをきっちり見守って行くことも我々国会議員の使命です。2007年10月に郵便貯金銀行ができますが、金融庁がこの銀行の資産査定やリスク分析をきっちりして民間同様の基準でみなし銀行免許を交付することが望まれます。2年後景気が回復し、長期金利が3%以上になっている状況では、多額の含み損が満期保有債券に発生しているはずです。その損失をそのまま、簿価で新銀行にとばすようでは、新銀行の行く末が思いやられます。金融庁は、新銀行の財務の健全性を民間銀行なみに厳しく査定しないと、「民営化は看板倒れ」という批判をまぬがれません。