山形の森 保守醒論

山形から発信する内外の時評ブログ!

“ユートピア政治”を掲げてきた「鳩山由紀夫的」には、議員辞職に値する醜態であろう。

2009-07-03 17:20:16 | Weblog
民主党代表鳩山由紀夫の資金管理団体「友愛政経懇話会」が、政治資金収支報告書に個人献金者として、故人や実際には献金していない人を虚偽記載していたことが発覚、鳩山は会計実務担当秘書の個人的行為だったとし、「(自分は)まったく知らなかった」、献金の原資については鳩山本人の資金だと説明している。
1988.6.18の朝日新聞が報じた、川崎市の助役がリクルートコスモス社の未公開株を譲り受け1億円の利益を受けていたとする「リクルート事件」は、中央政界を揺さぶり、竹下政権が倒れる幕開けとなった。
“政治と金”を焦点とした政治家への厳しい国民視線に危機を抱いた鳩山らは、9月2日に、「ユートピア政治研究会(座長に武村正義)」を発足、メンバーは1年生議員ばかり10人。 1ヶ月足らずで20人に膨れあがった。
最初に議論のベースにするために、秘書まかせにしていた議員自身の政治資金をそれぞれ精査することにした。
そして、多い人で年間1億9649万円(鳩山)、少ない人で6587万円、平均1億2654万円との驚きの結果を得た。
この政治資金収支報告の公開踏み切りは、各紙1面トップ報道となり反響を呼び、自民党の金権体質を暴くかたちにもなった。
研究会は、12月16日に連座制の導入や冠婚葬祭の寄付の禁止などの提案を盛り込んだ「政治改革への提言」をまとめ、竹下総理と安倍幹事長に提出した。
この研究会の同志たちが、後に自民離党、(1993.6.21)「新党さきがけ」旗揚げの核となっていく。
“政治とカネ”の問題が党内政治改革論議の契機となり、「企業献金、個人献金、政党助成金の割合が1/3ずつ位になるのが理想ではないか」との結論を導きだして、(小選挙区・政党助成法など)政治改革4法成立へと進展することになる。
小沢一郎前代表の西松献金問題発覚では、「(抜本的解決策には)、企業団体献金の全廃しかない」と法律の不備に責任回避して、鳩山は、個人献金虚偽記載を実務担当秘書Kの個人責任とうそぶく(さらに会計責任者は政策秘書H)。
ならば、政治資金は全部公的助成金(国費)で賄えとでも言い換えるのだろうか。
鳩山は、1986.7の総選挙に引退表明した自民党・三枝三郎の後継指名を受けて旧北海道4区から出馬、初当選を果たし、三枝に仕えていた秘書をも引き継いだ。
こういった事情から政界初年兵の鳩山が多くを精通する秘書に委ねていたことは理解できるが、研究会での調査を通じて政治資金の内情を把握していたことは逃れない事実であろう。
リクルート事件をきっかけに、初当選直後に発足した「ユートピア政治研究会」は、政治家鳩山由紀夫にとっての最も重い存在意義を示すものではないのか。
それだけに、“ユートピア政治”を掲げてきた「鳩山由紀夫的」には、議員辞職に値する醜態であろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする