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とりがら時事放談『コラム新喜劇』



「実は私、スポーツクラブへ通ってるんです」
と告白すると、友人、会社の同僚、得意先のお客さん、パーティで会った初めての人に限らず彼らは一様に、
「エ~っ!」
と反応するのだ。

失礼な話である。
確かに私は太っている。
まさか「ジム通い」している人とは思えないであろう。
しかし、体脂肪率は意外に低いし、よく見かける一般デブと異なって「ぷよぷよ」ではない。
「カチカチ」に太っているのだ。
人はこれを「相撲取り型肥満」と呼ぶ(誰が呼ぶかい!(一人ツッコミ))。

私が太っている原因は、一にビール、二にビール。
ビールこそが、私の肥満の原因なのである。
その証拠にビールを一週間一滴も飲まないだけで1キロや2キロぐらい簡単に体重は減ってくるのだ。
「おまえ、それ水太りやんけ」
と私にジム通いを促した幼稚園時代からの友人は無遠慮に指摘してくれたが、まさしくその通りなのである。
つまりビール(ついでに日本酒や泡盛も)さえ飲まなくなれば、私はジム通いをしなくても体重を減らすことができるのだ。
が、ジム通いというのは一旦生活に組込まれるとなかなか止められなくなるもので、ここ6年ほど毎週2回から4回ぐらい近所のクラブへ通うという日々が続いている。
それにジムで汗を流した後のビールはメチャ美味い。

私の通っているのは大阪市堺市内にあるコナミスポーツクラブ。
ここは業界最大手ということも手伝って、スタジオも2つあり、プール、テニスコートが整備され、マシンジムもたくさん設置されている。
ところが、ジムそのものがかなりの歴史を刻んだ建物と設備だものだから、正直言って、各マシンや建物は相当にガタがきていたのだった。
先々月には集中豪雨のためにジムの一部が冠水するという、まるでバンコクかヤンゴンの街中か、という少々情けない事態も発生した。

「そろそろ、新品の綺麗なジムに移ろうかな」

と思ったりしていたら、先週一週間、全館を休館させ、内装をマシンを入れ替え「eエクザス」なるシステムを導入したのだ。

で、早速その「eエクザス」なるシステムを体験しようと、先週唯一の休日であった日曜日にイソイソと出かけたのであった。

まず、フロントのシステムが変わっていた。
以前はフロントでロッカーの鍵をもらい指定されたその番号のロッカーで着替えをしたのだが、今回はICタグ内蔵のリストバンドを手渡された。
そのリストバンドは好きなロッカーを使用できるようになっていた。
つまり、ロッカーの側にもICが内蔵されており、タグとの照合で任意のロッカーを選ぶことができるようになっていたのだ。
これは素晴らしい。
素晴らしいが、ある意味困ることになる。
というのも、ロッカーの番号にこだわりが生じて、「その番号じゃなきゃ嫌」という我がままが芽生える可能性がある。
中には「あの娘の出席番号と同じロッカー」などという、さだまさしの歌詞に出て来そうなこだわりをもつシャイなヘタレが出現する可能性もあるのだ。
時世が時世なので、ロッカーの番号の取り合いで殺人事件に発展しないかも心配である。
(考え過ぎ)

着替えてジムへ降りていくと、途中のロビーでまず血圧と体重を測定するのだが、これがシステムサーバに繋がっており記憶されていくようになっているのだ。
これは、凄い。
自分の健康管理がスポーツクラブのコンピューターで出来ちゃうのだ。
目標体重などの設定も可能だが、できれば飲めるビールの量も表示してくれると有り難いのは言うまでもない。

で、ジム内に設置されていたマシンの大部分もLANで接続されたインテリジェンス・マシンジムに交換されていたのだった。
これも、凄い。
例えば、バタフライと称する胸筋と二の腕裏手の筋肉を鍛えるマシンでは、リーダー部分にリストバンドのタグをSuicaカードやICOCAカードを改札機に接触させる要領で読み込ませると、自分の名前が表示され。、ウエイトの重さが操作をするたびに加算されていき、今自分がどのくらいのエネルギーを消費しているのか重量の合計で判断することが出来る。
もちろん回数も表示されるので、あとちょっと、あとちょっと、とだんだん意地になってきて、気がつくといつもの倍以上も運動を繰り返していることに愕然としてしまうのだ。

ともかくバタフライのマシンだけでなく、ランニングマシンもエアロバイクも、どれもこれもネットで接続されており、エネルギーの消費が分る仕組みになっている。
これは癖になりそうだ。

結局、どこかの新しいジムへ移籍する気持ちは吹き飛んでしまい、暫くは消費カロリーの合計値を上げることに血眼になることは間違いない。

なお、システムが複雑なだけに、故障が増えるのではないかと、疑っているところではある。

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