とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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タイのシーフード

2007年07月31日 21時11分52秒 | タイ旅行記・集
ここ2日ほど、堅い話ばかりなので柔らかい話題をと思ってみたけど思いつかなかったので、シーフードのご紹介。

写真の料理はタイのバンコクからバスで3時間のホアヒンビーチにあるシーフードレストランで注文した「魚の丸揚げと野菜炒め中華風」(正式名称は分らない。)
氷と一緒に魚が一杯並んだ陳列棚から「これ頂戴」と選んだ魚を好みに調理。
シンハビールと一緒にいただいたらメチャ美味い。
シンハのジョッキ2杯とこのシーフード料理で600円ぐらいだったような気がするが、忘れてしまった。
金額は忘れたけれども忘れられないのが料理の味。

ホアヒンのナイトバザールに並ぶ露店シーフードレストランの魅力溢れる一品料理。
ああ、夏休みはホアヒンへ行きたい!


※ホアヒンヘはバンコクの南バスターミナルからエアコン高速バスで約3時間。(20~30分おきに運行)
王室のビーチがある閑静な海辺の町だ。

修学旅行にTDL

2007年07月31日 12時28分57秒 | 社会
修学旅行で東京ディズニーランドを訪問した大阪府高石市の市立中学の生徒が万引きを働いた。
その数なんと8人。

万引きをする中学生も中学生だが、修学旅行先にディズニーランドを選ぶ学校もどうかしている。
修学、つまり学問を修めるための旅行先が「ディズニーランド」。
どんな勉強を積んできた学校なのか。
その教育カリキュラムの内容と万引き生徒の親の脳みそを見てみたくなる。

「そんなこと言って。今時の学校はみんなそうだよ。考え方が古いんじゃない?」
なんておっしゃるあなた。
あなたの脳みそは腐っている。

ディズニーランドを訪問して、もし「TDLのビジネス成功の秘密は?」とか「TDLを訪れる外国人は中国や韓国のテーマパーク開業でどう変化したか」などを調査しにやってきていたのであれば、すごい勉強だ。
しかし、それは大学生以上の大人がやるべき研究で、中学生ぐらいの子供ができるものではない。

つまり修学旅行と称して遊びに来ていたのだ。

「当たり前でしょ」
と言うなかれ。

10年位前まで修学の目的とはまったく違うので、TDLのようなテーマパークが目的地に選ばれることもなかった。

私は高校生の時、修学旅行にスキー旅行に行かされたが、これは体育の授業の一環だった。
その証拠に自由に滑る(大阪生まれの私は滑れなかったが)ことは一切許されず、コーチが付いてリフトの乗り降りからボーゲンのマスターまで徹底的にしごかれたのだ。

「スキー旅行がOKだから、TDLでもOKね。」
というアイデアは教育委員会が考え出したのかどうか知らないが、もしそうだとしたらトンデモない考え違いと断言するしかない。

ともかくお役人や政治家が「研修」「視察」と称して海外に遊びに出かけて、市民団体や監査委員から吊るし上げを食らっているような情けない世の中。
その源流は、こういう遊び半分の修学旅行にあるのかも知れない。

愚民党

2007年07月30日 12時27分19秒 | 政治
参院選は何がなにやらロクな公約も出されることなく烏合の衆の民主党が多数の議席を獲得した。

それにしても酷い選挙だった。
公務員の天下り問題も討議されず、対中国やアメリカなどとの外交問題も討議されず、北方領土や竹島問題などの領土問題は「り」の字も口にされることはなかった。

今回の参院選はいわば「悪口選挙」。
誰それが、こう言った、ああ言った、という子供の喧嘩レベルの低次元の争い。
子供の喧嘩と唯一違うのは殴り合いに発展しないだけ。
むしろ殴り合いに発展したほうが台湾議会みたいで民主的でいいのだが、子供のころから喧嘩もしたことの無いような人たちばかりが選挙戦を展開するので、情けないことこの上ない。

で、議席獲得の民主党は有頂天で喜んでいるし、マスコミや公務員組合なんかも喜んでいるが、市場は至って冷徹だ。
民主党の勝ちが決まると株価は急落。
外国人投資家も日本売りを加速した。
これを金作り名人の小沢代表はなんと見ているのだろう。

ともかく、こういう愚民政治をみているとビートたけしが以前書いたエッセイの一節を思い出す。
「オイラの一票と、政治も経済も何にも分らないミーちゃんはーちゃんの一票も同じ一票であることは納得いかない」。

まさにその通り。

愚民が選んだ民主党政治。
いっそのこと愚民党って名前にしたら分りやすいと思うのだが。

ミャンマー・メイミョウの植物園

2007年07月29日 19時59分38秒 | ミャンマー旅行記・集
ミャンマーの旧都マンダレーから自動車で約二時間。
高原の街メイミョウ。
漢字で表記すると明妙。
英国植民地であったころマンダレーのあまりの暑さに辟易としたイギリス人将校が探し出した避暑地だという。

標高1000メートルのメイミョウは確かに涼しい。
下界のマンダレーが40℃近い気温であっても、ここは朝夕寒いくらいに温度が下がり別天地。

街も美しい。
植民地時代の建物があちこちに残り、現在もミャンマー陸軍の陸軍学校があるからか小奇麗で落ち着いた街だった。

このメイミョウの一番の観光地は植物園。
もともと国営だったものが最近民間に売却され公園そのものが整備されたということだが、ミャンマーとも思えないくらいゴミ一つ落ちていない美しく整備された公園であった。

ちょうど訪問したの週末ということもあり、多くの観光客や市民が訪れていた。

こういう日常の風景は日本とちっとも変わらない。
近くの農園では日本のNPO による農業指導でイチゴの栽培が行われているのだという。

平和でノンビリ過ごせるメイミョウは将来性豊かな高原リゾートだった。

中国産が消えた

2007年07月28日 12時43分07秒 | 食文化
スーパーに買い物に行ったら、生鮮食料品のコーナーから中国産品が完全に消え失せていた。
めでたし、めでたし。

異変に気付いたのは鰻の蒲焼きコーナーだった。
確か先週くらいまで陳列用冷蔵庫の上には中国産と国内産の鰻の蒲焼きが約半分半分並んでいた。
ところが、今日その陳列用冷蔵庫の前を通ると「鹿児島産」「静岡産」「宮崎産」ばかりで「中国産」がまったく姿を消していたのだ。

そして消えていたのは鰻だけではなかった。
冷凍食品も「中国産」が姿を消し、レンコンや長芋などの農産品も中国産が姿を消していたのだ。
その代わり、長野産とうもろこしや徳島産レンコン、淡路島産タマネギ、瀬戸内産アジ、北海道産かまぼこなどがいつもより大きな山で陳列されていたのだった。
もちろん価格は安くはない。
安くはないが、自分の体に取り込むものだけに背に腹は代えられないので、みんな国産の食材を選ぶのだろう。

BSE問題発生以来、米国産の牛肉の販売数が延びないと報道され、貿易問題にもなりそうな気配だ。
そのBSE問題など比べ物にならないくらい深刻な中国産食材の品質問題は容易に回復することはないだろう。

中国産の食べ物が入ってこないのは国民の健康上「めでたし、めでたし」だが、輸入業者にとっては死活問題。
消費者による突然の中国産不買行動は経済にとっては決して「めでたし、めでたし」とは言えないはず。

ひとえに中国が官民共に誠実な国になることを望むばかりだ。
が、無理だろうだろうな、やっぱり。

弁護士とゴキブリ

2007年07月27日 21時40分59秒 | 社会
結論から言って、私は「ゴキブリ」と「弁護士」には共通点が多いと思っている。
どちらにも数が多いと社会が困るという特徴があるのだ。

たとえば、ゴキブリが多いとゴキブリを媒介として黴菌や雑菌が人間の生活空間に運び込まれ清潔な環境を保てなくなる。それに気持ちも悪い。
一方、弁護士が多いと弁護士を媒介としてどうでもいいような常識外の訴訟が裁判所に持ち込まれ正常な社会を保てなくなる。それに気分も悪い。

このようにたった数行書いてみただけでも共通点を語呂まで合わせて表現することができる弁護士とゴキブリ。
これはいったいなんなのか?
お友達なのか?

現在日本の弁護士数2万3千人。
数年前まで1万人台だったことを思うと急速に増えてしまった。
今や1人の弁護士を見つけたら、そのビルには30人の弁護士が入っていると思わなければならない。
困った事態だ。

この弁護士の急増は司法制度改革に原因があるとのことだが、質を下げずに量を増加させるはどこの世界でも難しい。

米国に比べて日本は弁護士や司法書士の人数がすくないと言われていた。
なんでもかんでも米国がお手本だと考える未だに被占領体制感覚のお国柄なので米国が正しいと思い込み、弁護士の数を増やすような改革を行った結果、弁護士の量は増えたが質が落ちた。
しかも日本ではもともと弁護士に頼まなければならないような揉め事は多くはなかったのに、揉め事以上に弁護士が増えたので、大量の失業弁護士とその予備軍を生み出したのだ。

結果、信じられないような事態が発生した。

たとえば人の家に勝手に押し入り、その家の若い母親を絞殺したうえ屍姦をし、泣きじゃくるその母の子を床に投げつけ殺害した男に「無罪を勝ち取ろう」といきり立つ弁護団。
パソコンから火が出たのにショックを受けてトラウマになったから金払え、というキ印の訴訟を引き受ける弁護士。
事故調査が終了して国が出した正式な報告書を「納得いかない」と、自分の想像通りの報告書を出すまで訴訟を続けるぞと宣言している身勝手遺族の会の弁護をつとめる弁護士。
テレビタレントよろしくたかじんの番組なんかに出ているので「オレは人気弁護士だ」と勘違いし「だから税金なんか誤魔化してもへっちゃらさ」などと思い込む不逞の輩など。

挙げていけばきりがない。

弁護士といえば昔は立派な尊敬される職業だった。
選ばれし優秀な人々。
厳然たる倫理観を持った先生方。
法の番人。
弱者の味方。

それが今となれば、
司法試験に受かった受験技術だけに優れた人々
厳然たる守銭奴たる先生方。
悪の召人。
法律知識のあるチンピラ左翼集団。
犯罪者の味方。

まさに街のゴキブリと言えるだろう。

ともかく、量を減らして弁護士の質を上げたら、日本はもっとまともな国になるに違いない。

原子力

2007年07月26日 20時13分06秒 | 社会
ほんの数年前のこと。
営業マンだった私は閑散期のある日、あまりに暇だったので思いきって飛び込み営業をすることに決めた。

もともとうちは「飛び込みセールス一切なし」の会社なのだが、あまりに暇なので暇つぶしに「いっちょ飛び込み営業でもやってみっか」と新聞の勧誘員が聞いたら洗剤でもってぶん殴られるような心構えで出かけてみたのだ。
もちろん私は飛び込み未経験の営業マンだったが、ユーザー訪問はちょくちょくしていたのでなんら臆することはないし、だいたい飛び込みセールスで達成しなければならないという数字さえない。
つまりプレッシャーがない。
呑気な話だ。
でも、呑気だといっても下らないところに飛び込んでも時間の無駄でし、面白くないと思い、とりあえず国立大学の各学部の庶務課や会計係を飛び込みでまわることにした(何を売っているのかは、ヒ・ミ・ツ)。

いくつかの学部を回ったが、活気のある所はケンモホロロ。
マジメにとりあってくれやしない。
「その担当教授のお名前は?」
なんて訊こうものなら、
「なんでオタクに教えなきゃなんないの?え?」
と顎を斜めにして訊かれる始末。
ヤンキーの兄ちゃんか、っちゅうねん。

やっぱり飛び込みはつまらんの。
などと思いながら次は小汚い建物に入っていた。
人気はほとんどない。
電気代も払えないのかと思えるくらいロビーが薄暗い。
「すいませ~ん。誰かいませんか~?」
と声を掛けたが反応なし。
奥へ入ったら集団自殺の死体が転がっているかも分らない、というような陰気な場所だったのだ。

でも国立大学の一般校舎なので入って悪いことはないだろうと考え、来客用のスリッパに履き替え勝手にあがった。

しばらく歩くと会計係の事務所があり中を覗くと人がいた。
「すいません。ちょっと新しいカタログをお持ちして製品のご紹介に来たんですが」
と言ったら、
「はいはい。それね、2階の○○研究室へ行ってみて。きっと聞いてくれるから」
と言われた。
で、言葉の通りあがったら人の良さそうな○○助教授が応対してくれて製品はもちろん、関係のない世間話に花が咲いた。
「この学部、暇なんだな」
と思ったところが工学部の原子力学科だった。

「うちはね、今は注目もされなくなって斜陽研究なんよ。原子力って危ないイメージあるからね。欧米じゃ研究、やめちゃってるもん」
と先生は自嘲気味に話された。
そこはボロボロの研究室だったが、機器や研究書類などはきちんと整理されていた。

その原子力がまたまた注目されはじめたのはここ二年のこと。
地球温暖化に一番効果のあるのが原子力発電であることがわかったからだ。(もちろん事故やトラブルがないと言う条件で)
原子力をコツコツ研究し続けていたのは被爆国日本くらいだったので今では世界各国からはその技術を買われて引く手あまた。
アメリカの新型原子力発電所は日本企業の製品になりそうだし、ロシアでも中国でもそうなりそうな雲行きだ。(アメリカはともかくロシア、中国に販売する際は「ノンクレーム、ノンリターンで」をお忘れなく)
あの暇そうな研究室も活況を呈していることだろう。

ところで、新潟地震で柏崎市の東電の原発が火を吹いたので世間はビックリ。
結局火を吹いたのは変電設備だったので一安心だったが、その一安心を吹き飛ばすようにあちらこちらで破損が見つかり大騒ぎになっている。
親善試合で来る筈だったセリエAのサッカーチームは「日本は放射線で危険だ」と宣って来日予定をキャンセルした。
どこぞの外人野球選手のように「神のお告げ」を騙って帰国するよりましだろう。

数年前と違って忙しくて仕方の無い筈の○○研究室。
地震騒ぎをどんな目で見ているのだろうか。

どっちが怖い?中国産品と日本の政治家

2007年07月25日 20時52分00秒 | 政治
今週末は参議院議員選挙。
有権者はみんな投票に行こうよね、というのが選挙管理委員会のPRだけど、困ったことがひとつある。
投票したくなるような候補者が一人もないのだ。
もちろん投票するに値する政党もない。

これを嘆かずしてなんという。

マスコミは盛んに自民党を毛嫌いして民主党を立てようと相務めているが、民主党にそんな優秀な政治家が誰かいた?
いたなら教えていただきたいが、党首が病気で死にかけの小沢一郎で、血筋だけが政治家で脳みその大きさはハト並の鳩山由紀夫が幹事長をやっている民主党はどう考えても真当ではない。
自民離党組と社会党難民によって構成されてる烏合の衆が民主党。
最大野党がこれだから後は何を言わんかだ。

社民党や共産党は時代錯誤も甚だしく、「憲法九条を改悪し、戦争をしに行く国にするのを食い止めよう」というスローガンはまったく同じ。
いまの日本が憲法を変えたからといって戦争に行くと言うのは考えにくい。
「戦争はこりごりで何の解決ににもなりはしない」
というのが一般的な日本人の感覚だろう。
それでも彼らに言わせると、「改悪したら戦争をする国」になるんだと。
福島党首や志位委員長は改悪したらそれを理由にどっかの国に戦争を仕掛けるつもりかな。
思想を同じくする中国みたいに。
それとも「国民、一般大衆は私たちとは違ってアホなのよ」と言いたいのか。
失礼ない連中だ。

で、少数政党の国民新党はヨイヨイオヤジで自分が偉いと勘違いしているトナミ運輸関係者の綿貫党首だし、新党日本の田中康夫は支持者のいない売れない文芸界の一発屋だ。

よくよく見回すとまともそうな党首は阿部首相だけということになりそうだが、ここもいただけないの他と同じ。
党首を引きずり降ろすための小細工ばかりして国のことをちっとも考えないアホ党員。
相手は反社会的カルトと分っていながら評欲しさに公明党と連立を組む破廉恥さ。
利権にしがみつく官僚的姿勢。
ほんと、どいつもこいつも嘆かわしい。

冷静に考えてみると世界を恐怖と混乱に落とし込んでいる中国の工業製品や農産品も恐ろしいが、日本国内の政治屋先生たちの方が日本にとってよっぽど危なくて怖い存在だ。

ミス・リトル・サンシャイン

2007年07月24日 20時41分01秒 | 映画評論
ジョンベネ事件の犯人が捕まった、というニュースが流れたのは確か一年ほど前。
地元の米国だけでなく世界中の注目を集めた女児強姦殺人事件であっただけにマスメディアはにわかに色めいた。
ところが犯人だと名乗った男の捜査を進めるとなんのことはない。
たんなる虚言癖のある精神に問題を抱えた男の戯言だということが分った。
男には事件当日のアリバイが存在したのだ。
つまり事件は再び振り出しに戻った。

最近日本でもティーンに満たない女児をモデルにした雑誌や写真集が問題になっているが、米国ではこのようなロリコン趣味の美少女コンテストが一般的になっていて、ジョンベネという名前の女の子もそういうコンテストの常連参加者で、しかも常に優勝候補だったのだという。

これまで私はこういう美少女コンテストというものは親のエゴで子供が出さされているもの、というのが率直な感想だったが、違ったようだ。

映画「ミス・リトル・サンシャイン」はカリフォルニアで開かれる美少コンテストに出場するために遥かアリゾナ州からお父さんの運転するボロ自動車でカリフォルニアを目指すオリーブと言う名の少女とその家族の物語だ。
美少女コンテストに出場するといってもオリーブは美少女ではない。
美少女ではないが、画面で見る限りは年相応のチャーミングでちょっとおデブな小学生と呼べる子供らしい可愛さのある女の子だ。
このオリーブがコンテストに出場することになったのは家族に薦められたからではなく本人自身が応募した結果だった。
したがって、映画は美少女コンテストに出場させられる哀れな美少女の物語ではないわけで、彼女を取り巻く非常に個性的な家族と彼女の物語なのだ。

この映画の魅力はなんといっても家族のメンバー個々の描写が面白く、そして凄まじいことだろう。

自信が考案した自己啓発方法を出版するんだと意気込むお父さん。
パイロットになるまでは口をきかないと誓っている兄。
いい年こいてコカインにおぼれている祖父。
ゲイで自殺願望者の叔父。
一見普通の人に見えるが神経質な母。

驚いたことに、この登場人物たちで一番まともで普通なのが美少女コンテストなんてものを目指すオリーブなのだ。
このどうしようもない家族がボロボロのワーゲンのミニバスに乗り合って千キロメートル以上の旅をするのだから目も当てられない事態が多発する。
ところがこの1つ1つの事件が私たち見ている者の心を打ち、知らず知らずの間に物語に惹き込まれていくことになる。

あるときは憤り、またあるときは大笑いし、そしてまたあるときは冷や冷やしながら最後はちょっぴり涙ぐみ爽やかな気分に包まれる。

異様な雰囲気のコンテストの中、やはりオリーブが一番まともな出演を果たすのだが。そのまともな内容とは.......あとは見てのお楽しみ。

見るまではちっとも面白そうだとは思わなかったが、なんともいえない心に残るハートフルなコメディ&ロードムービーだった。

なお、本作はアカデミー脚本賞、助演男優賞受賞作品である。

~「ミス・リトル・サンシャイン」2005年作 20世紀フォックス配給~

キャッチセールス潜入ルポ ついていったら、こうなった

2007年07月23日 20時53分45秒 | 書評
英会話を習いはじめて16年。
習いはじめたきっかけは「キャッチセールス」だった。

初めて通った英会話スクールは大阪駅前第三ビルの2階にあった「アメリカンプラザ」という名前の英会話サロン。
大阪駅前ビルというのがすでに怪しい。

ある日、インテックス大阪で開かれていた展示会(内容は忘れた)に行って、
「すいません、海外旅行のあたるアンケートに参加しませんか」
という綺麗なコンパニオンのおねえさんがさし出したアンケート用紙に住所氏名などを書き込んだのがキャッチセールスの種になった。

当時私はとある会社で企画の仕事をやっていて、仕上げなければならないプロジェクトを大小様々に抱えていた。
もちろんメチャクチャ忙しく休みは日曜日しかなかった。
若かったこともあり忙しすぎる毎日に何か釈然としないものを感じていて嫌気が差しはじめたところにかかってきたのがこの英会話サロンを運営する会社からの電話だった。

「一度お越しいただけませんか?」
という女性の声につられたからかどうかは分らないが、大阪駅前まで出かけてこのサロンを訪問した。
で、電話の女性を期待したのだが実際に内容の説明に出て来たのは男の社員だった。
なにやらオカシイなと感じたが、仕事のしすぎで感覚が狂っていたのか、グイグイグイと営業トークに乗せられて気がついたら契約書にサインしてローン契約を結んでいた。

そう、繰り返すがここは大阪駅前ビルにあった会社。
会長が刺殺された豊田商事のあったビルだ。

2年間で200レッスン。
1レッスン90分。
30分間の個人レッスン兼カウンセリングが24回付き。
1クラス8名までの生徒で講師はすべてネイティブな「外国人」。
カリキュラムは各レベルごとの色の紙に印刷され掲示板に貼られている。
その異なるテーマ、異なる時間のクラスを自由に選べる仕組みになっていた。
テキストなし。
テストなし。
授業料は〆て80万円と少しだった。

今の私なら、
「英会話に80万?アホちゃうか」
となるところであるが当時はうぶな若手社会人。
思わずサインしてしまったのだった。

結果的に支払い金額は高額だったがそれなりの効果はあった。
まず、まったく話すことのできなかった英会話がカタコトだけだができるようになった。
そして数多くの友人ができた。
時々このブログにも登場するSさん(注意:一部の読者へ。Sさんは神経質男ショウジさんのことではありません)もその時からの親友だ。
このキャッチセールス式英会話サロンに通わなければ今の自分の生活や地位はないわけで、そういう意味では「価値のあったキャッチセールス」ということができるだろう。

なお、この授業料のバカ高かったアメリカンプラザはもう無い。

多田文明著「キャッチセールス潜入ルポ ついていったら、こうなった」は巷に溢れる「いかがわしい」キャッチセールスやカルトの勧誘に自ら飛び込み、その体験を綴ったノンフィクションだ。
正直この本を書店の棚に見つけたときは興奮した。
こういう書籍をずっとまえから読みたいと思っていたのだが、テーマがキワモノ過ぎるためか、危ないからか、なかなか登場してこなかった。
内容は私の好奇心を十分に満足させるものだったが「もうちょっと突込んでもらいたかった」と思える部分も少なくなかった。
しかし筆者が調査のために時にはその勧誘の犠牲にまでなっていることを考えると、そういう弱点は大目にみてもいいんじゃないかと思えてくるくらい面白かったのだ。

なお、巻末のおまけ「訴えられたら、こうなった」も実に面白い。
裁判の経過もさることながら、こういうキャッチセールスまがいのいかがわしいビジネスを展開する会社がいったいどういうものであるのか。
その本性の一部を理解することのできる、とっても役に立つ一篇であった。

~「キャッチセールス潜入ルポ ついていったら、こうなった」多田文明著 彩図社刊~