物凄い映画だ。
まず、パンフレットが一冊千円もするのだ。
私の記憶する限り、一冊千円のパンフレットはほとんど初めてではないかと思われる。
A4横サイズのパンフレットは他の映画のパンフレットの倍はあるので、その厚みを考慮すると一ページ当たりのコストパフォーマンスはスターウォーズ・エピソード3などと比べると良いのかも知れない。
どうしてこんなに厚いのかとページを捲ってみると、なんとシナリオが掲載されているではないか。
シナリオだけを別に発売しても、映画を見た後ではとても観客に買っていただけないのではと予想した配給会社は偉い。
だからシナリオもついでに掲載してパンフレットを普通よりも高い価格で売りつけようとしたのだろう。
その判断は正しい、と言わなければならない。
なにしろ、物凄い駄作なのだから。(赤影よりはマシです)
鳴り物入りで公開された「亡国のイージス」を観賞して、とても後悔した、というしょーもないシャレをいっている場合ではないが、ともかく中途半端に期待外れだったのだ。
映像は確かに目を見張るものがあった。
この撮影に全面協力した海上自衛隊、航空自衛隊の実物の護衛艦や戦闘機が登場してくるのだから、愛国者の私としては胸ワクワク。
とりわけ世界三大海軍に列する我が海上自衛隊の装備は素晴らしく、まるで雑誌「丸」のグラビアページを眺めているような感覚なのであった。(実際の私はそこまでミリタリーオタクではない)
しかし、肝心の映画といえば、物語が不自然であり演出は拙劣で盛り上がりに欠けるものだった。
一番悲しいのは一人一人の役者が精力的に熱演しているにも関わらず、映画の語り方が下手くそなためにすべてが台無しになっていることだった。
阪本順治という人の作品を鑑賞するのは今回が初めてだったが、他の作品は出来はどうなのだろうか。
パンフレットによると「日本映画の実力派」だそうだが、この程度が実力派なのだったら、日本映画は潰れて無くなってしまった方がマシであろう。
監督というのは出演者の魅力を引き出し、映像の魅力を引き出し、音楽の魅力を引き出して、観客にその世界を堪能してもらわなければ、その存在に意味はない。
また、原作を読んでいないので原作者を酷評するのは控えたいが、これも映画のおもしろなさの一因かもしれない。
この春に公開された「ローレライ」と同じ作者ということで、さもありなんである。
本人はドキュメンタリー調に仕上げているつもりかも知れないが、ウソが多すぎて楽しめないのが本作も共通している。
たまたま今、中国の報道プロパガンダに関する本を読んでいて、「中共の報道は、若干の真実を入れて残りをウソで固める。そうすると何が本当であるのかが分らなくなる」というような趣旨のことが書かれていたのを目にしたが、本作は「若干のウソを入れているために、残りの本当もウソに見えて馬鹿馬鹿しくなる」という作品だった。
なぜ「某国」という言い方を「北朝鮮」だとか「支那」だとか言わないのか。
なぜ「自分の息子が殺害されたという理由」だけで優秀な自衛官が簡単に「国を裏切る」のか。
なぜ「某国(北朝鮮)の苦しみ」を主張して「日本は滅びるべきだ」となってしまうのか。
そしてなぜ、人の人生も、家族も、社会の苦悩も、説明するだけでドラマとして描かないのだ。
私の声を聴け!
監督と原作者よ。
出演者とスタッフに土下座しろ! 役者はプロだが、あんたたちは素人だ。
速やかに、ショービジネスの世界から、去れ!
ともかく、なにが一番印象に残ったかといえば、本編上映前のロン・ハワード監督の最新作「シンデレラマン」の予告編が印象に残った。
~「亡国のイージス」2005年作 日本ヘラルド映画、松竹映画、電通、産経新聞社など~
まず、パンフレットが一冊千円もするのだ。
私の記憶する限り、一冊千円のパンフレットはほとんど初めてではないかと思われる。
A4横サイズのパンフレットは他の映画のパンフレットの倍はあるので、その厚みを考慮すると一ページ当たりのコストパフォーマンスはスターウォーズ・エピソード3などと比べると良いのかも知れない。
どうしてこんなに厚いのかとページを捲ってみると、なんとシナリオが掲載されているではないか。
シナリオだけを別に発売しても、映画を見た後ではとても観客に買っていただけないのではと予想した配給会社は偉い。
だからシナリオもついでに掲載してパンフレットを普通よりも高い価格で売りつけようとしたのだろう。
その判断は正しい、と言わなければならない。
なにしろ、物凄い駄作なのだから。(赤影よりはマシです)
鳴り物入りで公開された「亡国のイージス」を観賞して、とても後悔した、というしょーもないシャレをいっている場合ではないが、ともかく中途半端に期待外れだったのだ。
映像は確かに目を見張るものがあった。
この撮影に全面協力した海上自衛隊、航空自衛隊の実物の護衛艦や戦闘機が登場してくるのだから、愛国者の私としては胸ワクワク。
とりわけ世界三大海軍に列する我が海上自衛隊の装備は素晴らしく、まるで雑誌「丸」のグラビアページを眺めているような感覚なのであった。(実際の私はそこまでミリタリーオタクではない)
しかし、肝心の映画といえば、物語が不自然であり演出は拙劣で盛り上がりに欠けるものだった。
一番悲しいのは一人一人の役者が精力的に熱演しているにも関わらず、映画の語り方が下手くそなためにすべてが台無しになっていることだった。
阪本順治という人の作品を鑑賞するのは今回が初めてだったが、他の作品は出来はどうなのだろうか。
パンフレットによると「日本映画の実力派」だそうだが、この程度が実力派なのだったら、日本映画は潰れて無くなってしまった方がマシであろう。
監督というのは出演者の魅力を引き出し、映像の魅力を引き出し、音楽の魅力を引き出して、観客にその世界を堪能してもらわなければ、その存在に意味はない。
また、原作を読んでいないので原作者を酷評するのは控えたいが、これも映画のおもしろなさの一因かもしれない。
この春に公開された「ローレライ」と同じ作者ということで、さもありなんである。
本人はドキュメンタリー調に仕上げているつもりかも知れないが、ウソが多すぎて楽しめないのが本作も共通している。
たまたま今、中国の報道プロパガンダに関する本を読んでいて、「中共の報道は、若干の真実を入れて残りをウソで固める。そうすると何が本当であるのかが分らなくなる」というような趣旨のことが書かれていたのを目にしたが、本作は「若干のウソを入れているために、残りの本当もウソに見えて馬鹿馬鹿しくなる」という作品だった。
なぜ「某国」という言い方を「北朝鮮」だとか「支那」だとか言わないのか。
なぜ「自分の息子が殺害されたという理由」だけで優秀な自衛官が簡単に「国を裏切る」のか。
なぜ「某国(北朝鮮)の苦しみ」を主張して「日本は滅びるべきだ」となってしまうのか。
そしてなぜ、人の人生も、家族も、社会の苦悩も、説明するだけでドラマとして描かないのだ。
私の声を聴け!
監督と原作者よ。
出演者とスタッフに土下座しろ! 役者はプロだが、あんたたちは素人だ。
速やかに、ショービジネスの世界から、去れ!
ともかく、なにが一番印象に残ったかといえば、本編上映前のロン・ハワード監督の最新作「シンデレラマン」の予告編が印象に残った。
~「亡国のイージス」2005年作 日本ヘラルド映画、松竹映画、電通、産経新聞社など~