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とりがら時事放談『コラム新喜劇』



その日私はタイ語教室に向かう前、腹ごしらえをしようとサイアムの東急百貨店一階にあるマクドナルドで遅い昼食を食べていた。

「すいません、今何時ですか?」

と英語で訊ねてきたのは真っ黒に日焼けした少々小柄な若い男。
年のころは20代半ばと言ったところだった。

「ん~、もうすぐ2時かな」
と私が答えると、
「ありがとう........日本人ですか?」

と、彼は訊いた。

実際ここで変だなと気付くべきだった。
というのも、バンコク滞在中の私は、
「あなた日本人?」
なんて訊ねられることがほとんど無く、いつも地元のタイ人かマレー人。さらにトンローにある古式マッサージ屋さんでは「アラブの人かと思いました」と言われたくらい日本人だと思ってもらえることはない。

その私を「日本人?」と訊いてきたからおかしなヤツだと思うべきだった。

それに今考えると英語で話しかけてきたのもおかしかった。

タイ人は日本人に似ている部分がかなり多いが、その1つに「外国語は苦手だよ」というのがある。
これはきっと、日本と同じ歴史的背景があるのだろう。
サミュエル・ハンチントン教授の「文明の衝突」にも書かれていたが、アジアで植民地化されなかったのは日本とタイだけ。
英語やフランス語、オランダ語なんて外国語を覚えなくても生活にちっとも困らなかった。
だから他のアジアの国と違って外国語習得の必要性が遺伝的に弱いのかも分らない。

だからタイでは日本語はもちろん英語もなかなか通じない。
バンコク都内でもそうなのだから地方へ行くとまったく通じない。

タイには、
「微笑みの国」
なんて言うキャッチフレーズがあるけれど、それは外国人に話しかけられて、言ってる意味が分らないから笑ってごまかしているという可能性もなくはない。
そういうところも日本人に良く似てる。

だから私はチマチマとタイ語基礎会話を習いに行こうとしていたのだ。

ということで、タイで英語を話せるヤツには要注意、という図式も出てくるものだ。
バンコクの路上で英語で話しかけてくるヤツはといえば、
「白タクの運転手」
「トゥクトゥクの運転手」
「外人相手の土産物屋」
と言ったところが相場だろうか。
ちなみにソープやゴーゴーバーなんかの風俗店は、
「シャチョウ、イイコイルヨ、ミルダケタダ」
と日本語で話しかけてくるのでこれは例外。
で、残る英語の達者なヤツはだいたい
「詐欺師」
に決まっている。

だからこの時私も「こいつは詐欺師に違いない」と思うべきだった。
ところが何をボケていたのか、この男とマクドナルドで話し込んで仕舞ったのだ。
これが自分を妙竹林な危機に陥れた始まりだった。

つづく

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作家の曾野綾子さんが著書の中で、
「人はいくら偉くなっても50代まではエコノミークラスで我慢すべきです」
というようなことをおっしゃっていることを目にしたことがあり、
「なるほど、なるほど」
と納得した。

というのも、その著書を目にした少し前、「国境を越えた医師団」という海外ノンフィクションを読んでいて、その組織で活躍する医師たちが「移動の長い飛行機もエコノミークラスということを耳にしていたからだ。
マイレージも貯まれば自分のために使わずに、
「途上国から米国や西欧に患者を運ぶための費用に充てる」
などということが書かれていたので、さらに「なるほど」と感心した。

以上のように社会的に信頼されている人々のホントの意味でのお金の使い方に対するシビアさには、時に素晴らしいものがある。
尤も、こういう立派な意見を私はビジネスクラスを利用できない私自身の「いいわけ」に利用しているわけで、情けないと言われればそれはそれで仕方がない。
でも、情けない。

ということで、ビジネスクラスの客を見ていていつも羨ましく感じるのはノイズキャンセルヘッドフォンの貸し出しだ。
ノイズキャンセルヘッドフォンとは周囲のノイズを打ち消す音波を発生させ、静かな環境を提供するというハイテク製品。
もともとはパイロットのインカム用に開発された技術らしいが、ここ数年、民生用に転用された商品が続々と登場。
ヒコーキのビジネスクラスではボーズ社のコンフォートなる1台3万円以上もするヘッドフォンが供されていることが多いらしい。

ホントは喧しい飛行機の機内で映画や音楽を「静寂」と共に楽しむ。
なんて贅沢な体験なんだ!

ということで、広い座席やチョットはマシな料理よりも、このハイテクヘッドフォンを是非ともエコノミークラスでも、と私は考えていたのだ。

で、よくよく考えてみればヘッドフォンぐらい自分で買えば良いわけで、買いました。
ノイズキャンセルヘッドフォン。
買ったのは日立マクセル社製「HP-NC18」。
密閉式インナーヘッドフォン。
つまりイヤホン型のノイズキャンセルヘッドフォンだ。
1台3万円以上もするボースなんて買えないのでヤマダ電機のポイント使って7000円(それでも私には、出費が痛い)のマクセルを買ったのだ。

早速、昨日一昨日の東京出張で使ってみると、
「ノイズキャンセルって大丈夫?」
という、少しだけ持っていた技術に対する疑いが、あっというまに晴れてしまったのだ。

まず、新幹線車内。
乗車したのは700系のぞみ。
加速時、減速時に作動するインバータの高い音いは残念ながら大きな変化はなかったが、「ゴー」という走行音は打ち消されてこれまで聞きにくかった小さな声もクッキリと聞き取ることができた。
でも新幹線といえど鉄道が独特の「ガタンゴトン」というリズムあるノイズもあまり小さくならず、もうちょっと努力が必要か、という内容だった。

で、次が航空機。
搭乗したのは全日空B777-300。
ノイズキャンセリングヘッドフォンは電源内蔵の電子機器なので離陸してシートベルト着用サインが消えるまで装着を待たなければならなかった。
やがてランプが消えてヘッドフォンを装着しスイッチを入れてみた。
周りの音が「す~」と小さくなり、あっという間に静寂空間が広がった。

微かな音は残るもののジェットエンジンの「ゴー」という音は打ち消されて飛行機なのにメチャ静か。
床から伝わる足元の振動に生まれて初めて気がついた。

iPodのプレイボタンを押してBen Wilmotのピアノソロを再生すると、ピアノが奏でる微妙な音までクッキリ聞える。
まるでコンサートホールにいるようだ、といえば大げさか。
耳栓のような装着感だけいただけないが、それにさえ慣れてしまえば、なかなかな優れものだ。

ということで、ノイズキャンセルヘッドフォンは廉価な商品でも耳元だけはビジネスクラスに変える威力のあることを確認した。
これは移動の時の必需品になること間違いなし。

次はバスで試してみよう、と思うのであった。

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桜並木、といっても造花の並木「浅草寺参道」。
デジカメ持ってブラブラ撮影していたら、造花の桜も撮りようによっては綺麗に撮れるもんだと感心したのがこのいちまい。

ということで、本日は出張疲れのため、時事放談はこの写真でごまかします。

おやすみなさい。

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民放連がきれい事を言ってる。
「ねつ造したから追放ネ」
ということで、「あるある大辞典」事件の関西テレビを追放した。

ねつ造したら追放ならば、やらせやデタラメ報道はどうなのか。

テレビ朝日のダイオキシン。
日本テレビの暴走族。
TBSの石原知事発言改変。
NHKの秘境番組。
ちと古いが「川口浩探検隊」
みんなみんな共犯だ。

スポンサーの怒りに触れる内容は、重大事項でない限りは報道しない。
ちょっと有名で人気があれば、モラルも品もない人間(例:ホリエモン)でも時代の寵児と褒め称え、「このひといい人」と宣伝し、それに投資した膨大な被害者を生み出しても知らんプリ。

で、仲間にヘマしたヤツが出て来たら「あんたは追放。よろしいな?」。
これではまるで、池波正太郎作「鬼平犯科帳」に出てくる盗賊一味の集会だ。

「言論の自由を侵害される恐れのある重大事態だ」
と宣っているが、言ってる中身まで、あんたらみんな朝日新聞や毎日新聞と同レベルか。

どおりで、きれい事を言うわけだ。


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ホテルの前の路地をてくてくと歩いて大通りへ出た。
ここでタクシーを捕まえるのだ。

ミャンマーにはメータータクシーがない。
タクシーは基本的に運転手に目的地を告げて値段交渉する方式だ。
だからぱっと見には、どれかタクシーか私にはわからなかったりする。

Tさんは一台の白い車をつかまえた。
「ちょっと待ってくださいね」
「はーい」
とっても楽なのであった。
普通、私はガイドさんなんて結構なものは頼まずに旅をすることにしているので、メータータクシーの無い国では自分で交渉している。
たいてい言葉が通じずに苦労するのだが、ミャンマーではTさんという結構な相棒がいつもいるのでとっても助かるのだ。

Tさんは捕まえた車の運転手と暫く話したと思ったら、その車に手を振って分かれてしまったのだ。

「あれれれ...?高かったんですか?」
「友達なんです」
「なんじゃいそれ」
「彼、来月結婚するんですよ」
良く見ると、助手席には結構美人な女性を乗せている。
「彼女と一緒に買い物ですって」

タクシーを捕まえたのかと思ったら、偶然通りがかった友達のタクシーを発見し、話しかけたという訳だ。

その後、何台かのタクシーと交渉し、「これに乗りましょう」ということで乗り込んだオンボロトヨタ車のタクシーでヤンゴン動物園へ向かった。

ヤンゴン市内は一方通行やロータリーがあちっこちにある。
従って、何も知らずに乗り込んだりすると、
「あんた。ワシが何も知らんと思って遠回りしているやろ」
と突っ込んだりしたくなってくるのだが、ミャンマー訪問三回目ともなれば、タクシーがどうして迂回するのか、なんとなくわかってくるのであった。

タクシーは国鉄の線路を超えて緑豊かな公園横の大通りを走った。
そしてしばらくすると、大きく右折し、大きな門の前に停車したのだった。
その門が、ヤンゴン動物園の入り口なのであった。
ヤンゴン動物園はものすごく近かったのだ。
もちろんホテルから歩いて行くには少々遠いが、タクシーで行くには少しばかり贅沢な距離でもあったのだ。

料金を払い、タクシーを降りた。
意外にも、客は少ない。
日曜日だといえど、朝が早すぎてまだお客さんが集まっていないのだろう。

つづく

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とは言うものの、役人とは云え、やはり日本の在留公館に勤務しているのだから困った同朋の面倒をみるのは当然であろう。

つい前日、またまた鬼畜中韓が我が同盟国アメリカ合衆国のユダヤ新聞であるニューヨークタイムズ他をたぶらかし、

やれ「従軍慰安婦がどうのこうの」とか
やれ「日本政府は正式な謝罪はしていない」とか
やれ「総理はウヨクだ」

などというキャンペーンを、これまた日系人の恥さらしであるマイク・ホンダ下院議員を抱き込んで実施した。
このアホなキャンペーンに乗ってくるアホなアメリカ人は未だ少ないが、そのままに放っておいて良いわけはなく、普通の国の外交官であれば猛烈に抗議するところだ。
ところが、我が国は普通の国ではない。
駐米邦人外交官はアタマがボケているのか、それとも北米勤務は特権階級と錯覚しているのか、反論をしようとしないのだ。

「言いたいけれど面倒くさい」
というような意味合いのことを語る領事がいるというのだ。
載っていたのは産経新聞。
名前を書きたいのだがその名前を失念したのが残念である。

ともかく、かように日本の役人は同朋に冷たく自分に甘いのが特徴だ。

閑話休題。

ともかくそういうことで、タイで犯罪に巻き込まれる日本人は多いのだという。

それもそうであろう。
年間120万人の日本人がタイを訪れるのだという。
目的はビジネス、観光、ゴルフ、ダイビング、留学、バケーション、などなど。
で、住んでいる人も総計10万人と言われ、初めてバンコクを訪れた人は街中に点在する、ファミマやセブンイレブン。ミスドにTSUTAYA、あげくの果てはジャスコなんぞを目にして「ここって、日本と一緒やん」と日本化されたタイの姿に驚くことになるのだ。

またまた話しはそれるが、それだけ多くの日本人が訪れるタイ。
日本人が住んでいるタイ。
民間人だけでなく秋篠宮様のような宮様も頻繁に訪れるタイ。
そんなタイなのにNHKはラジオ第二放送でも教育テレビでも「タイ語講座」を放送しないのはどういうわけだ。

NHKに「なんでタイ語講座がないのですか?」と質問を送った人の手記を目にしたことがある。
「まだまだ日本人の渡航が一般的ではなく、レギュラー番組としての必要を考えないからです」
てな意味合いの返答をもらった、と書かれていた。

120万人も渡航していて一般的ではないとうのか?
2万社以上も日本企業が進出していて、タイへの対外投資の45%程度が日本からのものであっても、NHKにとっては一般的ではないのだろう。

ということで、NHKがタイ語講座でも開いていれば犯罪に巻き込まれる日本人も少しは減るというものなのに、中韓の言葉は放送できてもタイ語やベトナム語、インドネシア語など、はっきり言って韓国語よりも大切そうな言葉をないがしろにしている、ある意味、ホンマに変な公共放送なのだ。

で、タイで邦人が巻き込まれる犯罪はパスポートの盗難以外に、
「偽宝石」
「置き引き」
「美人局」
「幼児売春」
「強盗」
「殺人」
などが挙げられ、笑えないものも中にはある。

それで、実は私も危うくこれらタイで犯罪に巻き込まれたマヌケな邦人の仲間に入るところだった体験を、私も持っているのだ。
それでどんな犯罪かと問われれば、タイトルにある通り、
「トランプ詐欺」
なのであった。

つづく

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本日お届けする旅行記は、昨年一回だけ書いたまま放っておいたものを再度、はじめから書き直し始めるという、私の旅行記ではめずらしいパターン(無責任とも言う)の作品です。
面白いかどうかは分りませんが、これからGWにかけてタイを旅行される方は、熟読のうえ、犯罪に巻き込まれんように注意してください。
なお、私も4月26日から5月6日までタイ方面に出かけます。
シーロムのラーメン亭で塩ラーメンと焼き飯と餃子をあてにシンハビールを飲んでいるオッサンガいたら私である可能性があります。
ま、そんなことはどうでもよろしいが。

それでは、はじまりはじまり。
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インターネットで外務省の海外危険情報のページを開くと様々な犯罪例が記されており、
「注意して下さい」
とか
「渡航の是非を検討して下さい」
といったお節介で、いささか大げさな警告文が貼付されている。

観光大国タイも当然のことながら外務省にとっては危険地帯らしく、
「注意して下さい」
という警告が付されており、
「微笑みの国なのに、注意せんといかんのか........」
と、初めて渡泰を予定している旅行者にとっては少しばかし不安を煽られるような注意ではあるのだ。

でも、タイに、
「注意して下さい」
と明記しておいて、いつテロが発生したり、凶悪犯罪に巻き込まれてもおかしくないアメリカ合衆国には何一つ警告が発せられていないのはどういうわけなのだろうか。
せめて、
「夜のセントラルパークには注意して下さい」
とか、
「サンフランシスコの○○パークには男同士で行かないで下さい」
というような警告文を載っけてはどうかと思うのだが、そういうことは地球の歩き方に任せてしまっているのか、掲載されることはない。
もっとも外務省はアメリカ、中国、韓国には個人的な借りでもあるのか、その対応がなにからなにまで弱腰なのが特徴だ。

とはいえ外務省が理由もなく警告を発するはずはなく、実際のところタイもちょっとは危ないところなのだ。
(なお、マレーシアとの国境を接する南部はメチャ危ないので渡航の是非を検討して下さい=とりがら時事放談旅行部からのお願い)
ただしテロなどの危険性は少ないかも知れないが、ここは日本人相手の小犯罪が多発しており、バンコクの飲み屋で聞いたところによると、一日に平均二人ぐらいが、
「助けてくれろ~!」
と日本大使館に駆け込むのだという。

一番多いのは「パスポート盗まれた」というパターンで日本のパスポートは魔法のパスポート(アジアの国のパスポートでは唯一北朝鮮以外はどこでも行ける、という意味。もちろんビザの要る国もある)を狙う窃盗団(そんなのが実在するかどうか分らないが)に盗み取られたというものだそうだ。
で、慌てふためいてトンローにある日本大使館領事部に「パスポート盗られたー!」とか「紛失したー!」とやって来るらしい。

しかし、これもバンコクの先ほどとは別の居酒屋で聞いた話だが、バンコクの領事部も日本のお役所であることは変わりなく、救助を求めて駆け込んでくる同国人に対する役人の態度は「冷た~い」のだという。
もっとも、お役人様の方としても毎度毎度、同じような少し気をつけておれば済むようなショーモナイトラブルに巻き込まれて駆け込んでくるアホウな同国人を見ていると、対処するのも面倒になるというものであろう。

つづく

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その昔、飛行機で欧米へ行くと言うと「アンカレッジ経由」というのが一般的だった、らしい。
今のように、燃料満タンで地球を一周してしまうB777のような飛行機の無い時代の話です。

で、先日のシカゴ出張の帰り道。
JALのエコノミークラスの席でなすこともなくボンヤリと窓から下界を見下ろしていると、カナダからアラスカにかけて絶景が広がった。
シカゴは天気最悪だったが、カナダからは快晴だったのだ。

「この分だとアラスカ上空を飛ぶのかも」

と思っていたら、見えました州都アンカレッジ。
カメラを構えて何枚かシャッターをきった。
さらに目をこらして見ると、かつて燃料給油で賑わったアンカレッジ空港が見えるではないか。

ということで撮った一枚です。

※今日は少々疲れているので、文章は短く、写真でごまかしてみました。アハハハ.......仕事しんど。


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「代理出産で生まれた子供の母を認めよ」という裁判で女性タレントが敗訴した。

敗訴したあと自分のHPに、
「保守的な判決が出るのは分っていた」
と書いていたそうだが、果たして保守的なのかどうか。

感情的なコメントは、いかにもマスコミ好みのネタなのは確かである。

偶然にも、先週のある新聞の朝刊に元捨て子の30代の男性の手記が掲載されていた。

男性は語る。

「自分の本当の両親はわからない。でも、育ての両親には感謝をしている。本当の両親のように私を育ててくれ、人生に悔いるものはなにもない。」

というようなことが書かれていた。
ただ、本当の両親が誰なのかが分らないので、病気になったり、遺伝的疾患を抱えていないかということだけが現在持っている唯一の不安だと言う。
男性の不安は自分のことではもちろんあるが、自分のルーツがわからないので、自分の家族への遺伝的不安を常に抱えているのだという。

記事は「赤ちゃんポスト」について書かれていたものだったのだが、私にとって興味深かったのは、この男性が「代理出産」や「体外受精」で子供を欲しがる人々をかなり強く非難していたことだった。

「自分たちに子供ができなければ、どうして捨てられた子供たちを育ててあげようと思わないのか。」

ということらしい。

つまり自分のエゴだけで子供を欲しがるのは間違っている、。もしどうしても欲しければ、大人のエゴの犠牲になった捨て子をもらい、愛情を持って育ててはどうか、とうことなのだろう。

「試験官で受精された子供なんだ」
と将来自分の誕生の秘密を知ることの方が、子供にとって、ずっと人間的(生物倫理上という意味だと解釈)に辛いのではないか。
捨て子より、実験室で生まれれた子供の方が悲惨ではないか、という主旨の意見だった。

今日の判決のニュースと、敗訴したタレントのテレビで報道されたコメントを目にした途端、その新聞記事を思い出した。


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空港での入出国手続が益々ハイテク化されて、ついに今秋から成田空港では入出国時のスタンプが廃止されるのだという。
ICパスポートが普及して指紋採取方式の自動入出国ゲートが導入されるからで、パスポートに「ペタン」と捺してもらっていた「出国」「帰国」のスタンプが不要になってしまうのだという。

「すわ、関空のチャンス!スタンプ求めて関空から入出国する人が増えるやん!」
などと関空会社の人は思わんように。
関西空港でもおっつけ同じようなシステムが導入されることは間違いない。

私のような中途半端なオッサン世代にとってパスポートのスタンプはエキスポ70、つまり日本万国博覧会以来の伝統だ。

当時、一般市民には海外旅行なんて夢の夢。
「さあ、10問正解してハワイへ行きましょう!」
とMBS毎日テレビのクイズ番組で小池清アナウンサーが大きな声でしゃべっていたが、その夢のハワイ旅行が今では沖縄旅行や北海道旅行より安くなるとは誰も想像できなかった。
時と方法によっては有馬温泉旅行より安くなる。(大阪出発)

高価な海外旅行は行けないので万博会場にある各国のパビリオンを回ってパスポートを模した手帳にスタンプを捺すのが我々小学校低学年のガキの間では人気があって憧れだった。

「ボク、ぎょうさん(大阪弁でたくさんの意)ハンコ押してんねん」

というのが自慢のタネでもあった。

で、海外旅行が手ごろ(アフリカ・南米・南極・宇宙旅行などは除く)になった現在も、パスポートにスタンプをついてもらうと、なんとなく嬉しくなってくる。
きっとこれは万博体験の結果生まれた習性かもしれないが、それがこんど無くなるのだという。

これは一大事だ。

ドイツなどのヨーロッパにある一部の国々ではスタンプはすでに廃止されているらしい。
また先日訪問した米国も入国の時はスタンプを押してくれたが、出国の時はVISIT-USなるヤマダ電機のポイントマシンのようなものにパスポートを突込み指紋を採られて写真を写されて、それで終りだった。
パスポートには出国スタンプが捺されておらず、マシンから出て来た手札サイズのレシートを渡された。

ところで、ハンコを捺すのは日本の伝統文化。
楽しい旅行(個人旅行)も楽しくない旅行(会社の出張)も足跡を残したいのが人情というもの。

私はシステム再考をお願いしたいが、皆さんいかが?

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