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とりがら時事放談『コラム新喜劇』



統計によると、日本で一番プレーヤーの多いスポーツは野球だという。
小学生のガキから、よいよいお爺ちゃんまで。
野球を愛して止まない人々がいかに多いかというのが、我が国のスポーツ事情だという。

本格的に野球をやっているアマチュアプレーヤーは中学校から高等学校が一番多く、また社会人の世界も少なくない。
個人的で恐縮だが、私が勤めている会社の部下のW君。
このW君の弟も関西大学リーグの注目株で、「プロになるかも」と、ともかく兄貴は期待に胸を膨らませている。

で、このアマチュアからプロになる選手も年間百数十人。
引退する選手も同人数ぐらいいるので、あまり気づかないが、かなり多いのは間違いない。
でも、その中から一軍に取り立てられるのはごく数人で、さらにレギュラーになれるのは、さらに少ない。
そして30歳を過ぎても現役でいられる選手となるとさらに少なくなり、またその中から「気持ちよく引退できる」選手はほとんどいないと言っても過言ではない。

阪神タイガースの片岡篤史選手はそういう「気持ちよく引退できた」数少ないプロ野球選手の一人となった。
日本ハムから縁あってタイガースにやって来た片岡選手は野球人として、これ以上ない現役引退のケジメを示すことが出来たのだ。

つまり、
日本の野球の聖地「甲子園」で、
日本一激情的な満場のタイガースファンに囲まれて、
ライバルチームの選手からも惜しまれて、
片岡選手はユニフォームを脱いだ。
と、いうことだ。

それにしても、プロ野球選手の涙というのは、胸を打つ。
常に最高を要求され、それを追求していく「真剣さ」の月日が、結果はともあれ涙となって現れるのだろう。
だから私たち一般人にはわかっていても日頃大きく欠けている、プロとしての、その真剣さの歴史に胸を突かれるのだ。

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