2匹目のドジョウを狙った「問題な日本語」の続編だ。
前回は、
「こちらキツネうどんになります」
「こちら、キツネうどんになりました」
で、思わず笑ってしまった、現代日本語の不思議を扱った「問題な日本語」。
続編の「続弾!」も実にユニークで面白い奇妙な話し言葉が取り上げられていた。
「すみません」と「すいません」
「ご負担いただくようなカタチになっております」
「違和感を感じる」
「歌わせていただきます」
などなど。
私の会社に会議の時、
「○○というカタチの営業を考えています」とか「×××というカタチにもっていきたいと」
などと、常に「カタチ」という言葉にこだわって話してしまう同僚がいる。
以前一度だけ意地悪で「○○さん。『カタチ』って言葉が気になるんですよ。なんか、こう『販売店がうちの商品を意識して営業に廻ってもらえるようにするキャンペーンの”カタチ”てな、言い回しが」と言ってやったことがある。
「そんなにオカシイ?」
「オカシイですよ。一度でもいいから『カタチ』って使わずに、発言してみては。」
と助言したところ、本人も気になり出したのか「カタチ」を使わずに話そうとした。しかし普段使っている言葉を使わないというのは、落ち着かないもので、言葉が途中で途切れることが多くなってしまった。
「あかん。やっぱり『カタチ』使わな、ちゃんとしたカタチができへん」
この「カタチ」のように、自分の話すリズムの代わりにとりあえず使ってしまう言葉もあるようで、そういう「言葉のヘン」なことを学術的に、しかし分かりやすく、しかも、時としてマンガも組み合わせて解説しているのが本書なのだ。
しかし、考えてみると今の子供たちは不幸だ。
自宅ではコンピューターゲーム相手に会話を持たず、学校では国語も満足に話せないのに小学生の年代から外国語(英語)を教え込まれる。
このような社会状況では、満足な日本語を話せる人が減るばかりか、このシリーズの本のネタは、永遠になくならない「カタチ」になることだろう。
~「続弾!問題な日本語」大修館書店刊 北原保雄 編著~
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