人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

髙木凛々子さん出演の「第28回Kissポートクラシックコンサート」のチケットを取る / 「ゴジラ✕モスラ✕メカゴジラ 東京SOS」「ゴジラ✕モスラ✕キングギドラ 大怪獣総攻撃」を観る~新文芸坐

2019年05月22日 07時16分58秒 | 日記

22日(水)。わが家に来てから今日で1692日目を迎え、ナイキ、アディダスなど靴を扱う小売業約170社は20日、トランプ政権に対し、中国製品に対する追加関税の第4弾について「関税の追加は米国消費者に引き上げた関税分を支払わせることになる」と指摘し、「貿易戦争を終わらせるべきだ」と訴えた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプはフットワーク良く立ち回らないと 自国の靴業界から足元を掬われるぜ

 

         

 

昨日は娘が仕事休みで私がコンサートがなかったので、夕食はすき焼きにしました 娘は仕事のローテの関係で帰宅が夜9時半頃になってしまい、一方 私の方は夜のコンサートが多いので夕食を作って食べてから出かけるので、一緒に夕食を取る機会はほとんどありません せめて二人とも家にいる時くらいはちょっと豪華な食事にしようというわけです

 

     

 

         

 

9月30日(月)午後7時からサントリーホールで開かれる「第28回Kissポートクラシックコンサート」のチケットを取りました プログラムは①千住明「Our  Home  Port」、②チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」、③デュリュフレ「レクィエム」です ②のヴァイオリン独奏は髙木凛々子、②のメゾ・ソプラノ=林美智子、バリトン=三原剛、混声合唱=ミナトシティコーラス、管弦楽=東京交響楽団、指揮=大友直人です

 

     

 

         

 

現在 池袋の新文芸坐では「大ゴジラまつり」を開催中です 昨日「ゴジラ ✕ モスラ ✕ メカゴジラ  東京SOS」と「ゴジラ ✕ モスラ ✕ キングギドラ  大怪獣総攻撃」の2本立てを観ました

久しぶりの雨ということもあってか、怪獣映画とあってか、客は十数人しかいません これほど寂しい新文芸坐も珍しいです。インド映画の時は満員御礼になるのと大違いです

 

     

 

「ゴジラ ✕ モスラ ✕ メカゴジラ  東京SOS」は、手塚昌明監督・脚本、浅田英一特撮による2003年製作映画(91分)です

映画の中で、「キリュウ」という単語が頻繁に出てくるので、何かと思ったら「機龍」で、機械で動かす龍、つまりメカゴジラのことだと分かりました 要するに機龍とモスラと防衛軍の協力でゴジラを倒すというストーリーですが、詳細を書いても何の役にも立たないので省略します ただ、最後に流れるクレジットを見ていると、このシリーズは陸・海・空の自衛隊の協力なしには出来なかった作品だということが分かります 私が小学生時代に観た「ゴジラ」や「モスラ」を考えると、2003年の時点で 随分 特撮技術も進化したんだなぁと思います


     


ゴジラ ✕ モスラ ✕ キングギドラ  大怪獣総攻撃」は、金子修介監督・脚本、神谷誠特撮による2001年製作映画(105分)です 

モスラがゴジラにやられてしまったと思ったら、何と双子のモスラが誕生し、サナギの状態で口から糸を吐いてゴジラを動けなくしてしまうのには驚きました その意味では、この映画はゴジラ 対 モスラ3+キングギドラ(頭部が3つある)+ 国防軍の戦いとなります   それにしてもゴジラは強いですね。最後は海に沈んで行くのに、次の映画では復活して地上に現われます

1本目の映画では流れませんでしたが、この映画ではエンドロールに伊福部昭の「ゴジラのテーマ」が流れ、懐かしく聴きました この音楽を聴かないと ゴジラを観た気になれないのが不思議です


     

 

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髙木凛々子ヴァイオリン・リサイタルを聴く~モーツアルト「ソナタK.301」、ブラームス「ソナタ第3番」、フォーレ「ソナタ第1番」,サラサーテ「カルメン幻想曲」:作曲者との対話を感じさせる演奏

2019年05月21日 00時37分32秒 | 日記

21日(火)。わが家に来てから今日で1691日目を迎え、北方領土返還に関連して戦争に言及した丸山穂高衆院議員は20日、野党6党派が提出した自身に対する議員辞職勧告決議案について「これまでの決議案は刑法犯とかがほとんどで、発言に対して出すということは非常におかしい」と説明し議員辞職を否定した というニュースを読んで感想を述べるモコタロです

 

     

                その通り 非常におかしい! 決議案の提出前に自ら辞職すべきだったんじゃね?

 

         

 

昨日、夕食に「鶏ささみの野菜たっぷり照り焼き」を作りました 鶏のササミのスジは、以前 当ブログの読者 reila さんからコメントをいただいた「スジを割り箸で挟んで一気に引っ張る」方法が功を奏し、きれいに取れました。これからもいろいろと教えていただけると助かります

 

     

 

         

 

昨夕、東京文化会館小ホールで「髙木凛々子ヴァイオリン・リサイタル」を聴きました これは「若手演奏家を応援する会  創立11周年記念公演」として開かれたものです。プログラムは①モーツアルト「ヴァイオリン・ソナタ  ト長調K.301」、②ブラームス「ヴァイオリン・ソナタ第3番」、③フォーレ「ヴァイオリン・ソナタ第1番」、④サラサーテ「カルメン幻想曲作品25」です ピアノ伴奏は三又瑛子です

小ホールの入場口を入った右側の花束受付デスクには、読売日響のヴァイオリン奏者・髙木敏行氏と井上雅美さんが来客者に挨拶をされています 言うまでもなく、髙木凛々子さんのご両親です 歴史と伝統のある東京文化会館小ホールでの娘さんの初リサイタルということで晴れがましさが感じられます

全席自由です。早めに並んでE列27番、センターブロック右通路側を押さえました 会場は5割から6割埋っている感じです。気のせいではなく男性の比率が圧倒的に高いです 小ホールとはいえ、その辺のホールとは違い650席もありますから、今春 東京藝大を卒業したばかりのルーキーとしては大した集客力と言うべきでしょう

 

     

 

髙木凛々子さんは3歳からヴァイオリンを始めて以来、第1回バルトーク国際音楽コンクール第2位をはじめ、大学卒業までに数々のヴァイオリン・コンクールに入賞しています

1曲目はモーツアルト「ヴァイオリン・ソナタ  ト長調K.301」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1778年に作曲した6曲のヴァイオリン・ソナタ(K.301~K.306)の一つです プファルツ選帝侯妃マリア・エリーザベトに献呈されました 第1楽章「アレグロ・コン・スピリート」、第2楽章「アレグロ」の2楽章から成ります

ロゼワイン色と言えばいいのか、ローズピンクと言えばいいのか、鮮やかな衣装に身を包まれた髙木凛々子さんが桐朋学園首席卒業のピアニスト三又瑛子さんとともに登場します

冒頭の爽やかなフレーズを聴くと、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ「春」を思い出します 曲想こそ違いますが、まさに「春の息吹」を感じせる曲です 髙木さんはまるでモーツアルトと会話をしながら演奏しているかのようです 「私はこういう風に弾きたいんですけど、モーツアルトさん、これでよろしいでしょうか?」といった具合に これは、初めて彼女の演奏を聴いた2018年6月14日の藝大モーニング・コンサートで演奏したメンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲」を聞いた時に感じたことです この感覚はプロ・アマを問わずこれまで聴いてきたどの演奏家にも感じなかったものです 第2楽章に入ってもその姿勢は変わりません。「演奏するのが楽しくて仕方がない」といった雰囲気が伝わってくる実に爽やかな演奏でした

2曲目はブラームス「ヴァイオリン・ソナタ第3番作品108」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833-1897)が1886年から1888年にかけて作曲した作品です 髙木さんはプログラム・ノートに「友人の死などにより人間の宿命である死というものを紛れもない現実の出来事として見つめなければならなくなったブラームスの人生観が投影された作品だと思います」と書かれていますが、まさにそのような曲想です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ウン・ポコ・プレスト・エ・コン・センチメント」、第4楽章「プレスト・アジタート」の4楽章から成ります

この曲でも、作曲家との対話が感じられましたが、特に素晴らしいと思ったのは第2楽章「アダージョ」でした 髙木さんは曲を慈しむようにしみじみと演奏し、ブラームスの心を癒しているかのようでした 第3楽章から第4楽章へは間を置かずに入りましたが、これは効果的でした 第4楽章冒頭のほとばしる激しい情熱が俄然生かされました ここでは「ブラームスさん、これでいいですか?」ではなく、「私はこれでいきます」という強い意志を感じる演奏でした

 

     

 

プログラム後半はフォーレ「ヴァイオリン・ソナタ第1番」です この曲はガブリエル・フォーレ(1845-1924)が1876年に作曲し、翌1877年1月にパリでマリー・タヨーのヴァイオリン、フォーレ自身のピアノにより初演されました 第1楽章「アレグレット・モデラート」、第2楽章「アレグロ」、第3楽章「レチタティーヴォ~ファンタジア。モデラート~モルト・レント」、第4楽章「アレグレット・ポコ・モッソ」の4楽章から成ります

まったく恥かしい話ですが、私は手帳の予定表に「フォーレ」と書くべきところを「フランク」と書いてしまったため、CDで予習するのにフランクの有名な「ヴァイオリン・ソナタ」を聴いてきたのです ホォーレ見たことか、とお思いでしょう フランクに打ち明けなければよかった、かな

それでも、第1楽章のお馴染みのテーマが出て来た時は、ああこの曲だ、と思い出して安心しました 髙木さんの演奏は、この曲でも第2楽章「アンダンテ」の演奏がしみじみと良い演奏で心に沁みました 第4楽章のフィナーレは情感溢れる演奏で熱くなりました

最後の曲はサラサーテ「カルメン幻想曲作品25」です この曲はビゼーのオペラ「カルメン」の中に出てくるメロディーを使って組み立てたファンタジーです ①序奏(第4幕前奏曲「アラゴネーズ」)、②第1幕「ハバネラ」、③第1幕「カルメンの鼻歌」、④第1幕「セギディーリア」、⑤第2幕「ジプシーの歌」の5曲から成ります

この曲はヴァイオリンで出来る限りの”技”を使ってカルメンの世界を表現する作品で、とくに最後の「ジプシーの歌」は超絶技巧の極みと言っても過言ではない曲です ここまでくると、さずがにビゼーやサラサーテとの対話の余裕はなく、「私はこういう風に弾かせていただきます。許して」という感じで突っ走ります フィナーレの目にも止まらぬ弓使いは新幹線を超え、リニアモーターカー並みと言っておきます。すごい演奏でした

髙木さんはアンコールにパラディス「シチリアーノ」を演奏、鳴りやまない拍手に無伴奏でアイルランド民謡「夏の名残のばら」を演奏、それでも鳴りやまない拍手にクライスラーの「シンコペーション」を演奏し、会場の温度を2度上昇させました 一連のアンコールでも「演奏するのが楽しくて仕方がない」という雰囲気が伝わってきて、聴いている方も楽しくなってきました

東京藝大を卒業して、「今が頂点。あとは落ちる一方」という人はいくらでもいるでしょう 髙木さんにはそうなってほしくないと思います 持って生まれた才能を、これから開花させるべく頑張ってほしいと思います toraブログはこれからも髙木さんを応援します

髙木さんは8月21日に読売日響の「サマーフェスティバル」に出演しメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」を演奏します 国内のメジャー・デビューです もちろんチケットは購入済みです 皆さん、8月21日にはサントリーホールに行って髙木凛々子さんのメンデルスゾーンを聴きましょう

 

     

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「アジア ユース オーケストラ東京公演2019」のチケットを取る~8月30日・31日:東京オペラシティコンサートホール / 伊坂幸太郎著「サブマリン」を読む / ブリのエサにチョコレート!?

2019年05月20日 07時17分41秒 | 日記

20日(月)。今朝思い出したのですが、1週間ほど前の日経朝刊に「チョコで養殖『チョコブリ』」という記事が載っていました 「ブリを養殖するのに、エサの中にチョコレートを入れると、ポリフェノールの成分が、ブリを切り身にしたときの変色を抑える」という内容でした これは愛媛県宇和島市の「宇和島プロジェクト」が始めた養殖だそうです 冷蔵のブリでは通常、生け締め後、赤みのある部分「血合い」が2日ほどで茶色に変わるが、チョコブリは5日経っても変色しないとのこと 変色は筋肉の色素であるミオグロビンが酸化して発生するが、チョコレートのポリフェノールがこの酸化を抑えるということです

魚でなく兎はどうかな、と思ってチョコレートをチョコっとモコタロの鼻に近付けてみましたが、クンクン匂いを嗅いでから そっぽを向きました ただし、ポリフェノールの含有率の高いリンゴ(果物ではブルーベリー、スモモに次いで第3位)の果汁100%ジュースは大好きで、毎日朝と晩にシリンジ2本分をやる時は脚に跳びついてきます 今年2月から2か月ほど病気になった時に、粉末の薬をリンゴジュースに溶かしてあげていたのに味をしめたようです そんなわけで もうチョコレートをやるのは止めました 私はと言えば、赤ワインは体内から活性酸素を取り除くポリフェノールの含有率が高く健康に良いので、夕食に洋食系の料理を作った時は赤ワインを飲んでいます

ということで、わが家に来てから今日で1690日目を迎え、米国防省は17日、高性能の空対空ミサイル160発と関連部品を計約3億1700万ドル(約349億円)で日本に売却することが承認されたと発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプ外交の押し売りだと思うけど ミサイル発射の仮想敵国はどこだろうか?

 

         

 

8月30日(金)と31日(土)に東京オペラシティコンサートホールで開かれる「アジア ユース オーケストラ 東京公演 2019」のチケットを取りました

8月30日(金)午後7時からの第1日目公演のプログラムは①リヒャルト・シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」、②ラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」、③ブラームス「交響曲第4番」です ②のピアノ独奏はレイチェル・チャン、指揮はジョセフ・バスティアンです

8月31日(土)午後3時からの第2日目公演のプログラムは①リムスキー・コルサコフ「スペイン奇想曲」、②ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調」、③リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」です ②のヴァイオリン独奏は服部百音、指揮はリチャード・パンチャスです

このコンサートは毎年2日間とも聴いていますが、いつも純粋な若者たちの真摯な演奏に感動して帰ってきます

 

     

     

 

         

 

伊坂幸太郎著「サブマリン」(講談社文庫)を読み終わりました   伊坂幸太郎は1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年「オーデュボンの祈り」で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。2008年に「ゴールデンスランバー」で第5回本屋大賞と第21回山本周五郎賞をダブル受賞しています

 

     

 

この小説は、連作短編集「チルドレン」の続編にあたるもので、少年事件を扱う家庭裁判所調査官の武藤・陣内と、かつて犯罪を犯してしまった少年たちとの交流の物語です が、「チルドレン」は確かに読んだ記憶があるのですが、内容をまったく思い出せません したがって、「続編」ということを頭から追いやって読みました

未成年の棚岡佑真は無免許で自動車を運転中に歩道に乗り上げてジョギング中の男性を死なせてしまう 実は棚岡と田村と栄太郎の3人は小学校の時、登校途中に栄太郎が車に撥ねられて死亡した事件があり、残された2人は犯人を憎んでいた。その結果、棚岡は犯人に復讐してやろうとして、自動車運転中に意図せず全く別人を轢き殺してしまったのだった 10年前に栄太郎を轢いた”犯人”である若林青年は「自分が10年前にあんな事故を起こさなければ、こんな悲惨な事故は起こらなかったはず」と思い悩む

この作品の魅力は、滅茶苦茶なことを言い 支離滅裂な行動を取る陣内をはじめとする登場人物のキャラが際立っていることです

この小説は少年犯罪がテーマになっているので、普通の作家だと重苦しい内容になりがちですが、そこは伊坂幸太郎です。巧みな会話で深刻にならないようにクリアしていきます

物語は武藤が語る形で進められていきますが、扱う対象が「少年犯罪」という微妙な問題であることから、彼は次のように語ります

「少年と付き合うためのマニュアルめいたものでもあればいいと思うし、『言ってはいけない十の言葉』であるとか、『少年の心を開かせる二十の問いかけ』であるとか、そういった本が世に出てくれないものかと思うこともあるが、現実には、相手の少年によって『正解』は異なるのだ 『ジャズみたいなもんだよな』陣内さんは以前、言っていた。『相手の演奏に合わせて、即興演奏するのがモダンジャズだ。あっちが押してくれば、こっちは引いて、相手のメロディのおかげで、記憶の中のフレーズが急に思い出されることもある 最終的には、どっちが観客の心をつかむかの喧嘩だ 少年事件も同じようなものじゃねえか』と」

その時 武藤は『少年との対話は、喧嘩じゃまずいですよ。観客いないですし』と返すわけですが、『喧嘩じゃまずいですよ』で終わらないところが、伊坂幸太郎のいいところです

この小説は全編を通じてこの手の会話が交わされていて思わずニヤリとしてしまいます また、故意に事故や事件を起こしたのではない少年たちへの温かい視線を感じます 気軽に読めるエンタメ小説としてお薦めします

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大友直人 ✕ 鈴木隆太郎 ✕ 東京フィルでラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」、リムスキー・コルサコフ「シェエラザード」を聴く~文京シビックホール「響きの森クラシック・シリーズ」

2019年05月19日 07時21分48秒 | 日記

19日(日)。わが家に来てから今日で1689日目を迎え、トランプ米大統領が17日に自動車の輸入増を「国家安全保障上の脅威だ」と位置付けたことに対し、日欧で反発が広がっている というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      「国家安全保障上の脅威」は アメリカの自動車業界の技術力のなさじゃないのか?

     

         

 

昨日、文京シビックホールで、「第68回響きの森クラシック・シリーズ」演奏会を聴きました プログラムは①ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番ハ短調」、②リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」です 演奏は①のピアノ独奏=鈴木隆太郎、管弦楽=東京フィル、指揮=大友直人です

 

     

 

東京フィルは前日の17日、本日の19日をはじめ新国立オペラ「ドン・ジョバンニ」のオーケストラ・ピットに入るので、この日は別働隊の出場です 初台では近藤薫氏がコンマスとして仕切り、文京では依田真宣氏が仕切ります 約140名の楽団員を誇る国内最大のオーケストラだからこそ可能な分散演奏形態です

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの東フィルの並びです

1曲目はラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番ハ短調作品18」です この曲は 交響曲第1番の初演失敗などによりスランプに陥っていたセルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)が、1900年に精神科医ニコライ・ダ―リ博士の暗示療法により立ち直り、この曲の創作を始めて1901年に完成、同年チャイコフスキー自身の独奏で初演され大成功を収めました 言わば「復活の狼煙の曲」です 第1楽章「モデラート」、第2楽章「アダージョ・ソステヌート」、第3楽章「アレグロ・スケルツァンド」の3楽章から成ります

1990年鎌倉生まれ といいますから今年29歳の鈴木隆太郎が登場しピアノに向かいます  パリ国立音楽院で学び、現在はイタリアで名教育者エリソ・ヴィルサラーゼのもと研鑽を積んでおり、数々の国際コンクールに入賞しています

大友氏の指揮で第1楽章に入りますが、この曲はまさにロマンティシズムの極致をいく作品ですね 鈴木君は深々と呼吸するかのようにじっくりと作品に対峙します メリハリのあるオケの演奏が彼を支えます 素晴らしいと思ったのは第2楽章です 鈴木君の弾く弱音の美しさが際立っています 一転、第3楽章ではオケとの対話により力強い演奏を展開し 聴衆を魅了します


     


プログラム後半はリムスキー・コルサコフの交響組曲「シェエラザード」です  この曲はニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844-1908)が1888年に作曲し、ペテルブルクで初演されました   海軍の軍人だった彼の面目躍如といったスケールの大きな作品です   言うまでもなく「シェエラザード」とは「千一夜物語(アラビアン・ナイト)」の語り部となる女性の名前です。「妃の不貞に怒りを覚えたサルタンの王シャーリアールは、処女と初夜を過ごし、翌朝には殺すという恐ろしい習慣を続けていたが、賢いシェエラザードは、王に毎晩面白い話を聞かせて、遂にはそれが千一夜にも及び、王の残忍な心は消え去っていた」という物語です 作曲者は4つの楽章に当初 次のようなタイトルを付けていましたが、最終的には外しています しかし、鑑賞の一助にはなると思います。第1楽章「海とシンドバッドの船  ラルゴ・エ・マエストーソ~アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「カランダール王子の物語  レント~アンダンティーノ」、第3楽章「若き王子と王女  アンダンティーノ・クワジ・アレグレット」、第4楽章「バグダッドの祭り、海、青銅の騎士のある岩での難破、終曲  アレグロ・モルト」です

第1楽章の冒頭、力強いシャーリアール王の主題に続いて、シェエラザードのテーマがヴァイオリン・ソロで演奏されますが、コンマス依田真宣氏の演奏が素晴らしい このテーマは全曲を通して形を変えながら演奏されますが、依田氏は鮮やかに弾き分けました まさに「依田真宣オン・ステージ」といった趣です この楽章ではフルート、オーボエといった木管楽器が冴えていました 第2楽章ではホルン、トロンボーン、トランペットなどの金管楽器が素晴らしい演奏を展開しました 第3楽章では冒頭、弦楽器の奏でるテーマが美しく響きました そして最後の第4楽章では、弦楽器、管楽器、打楽器、総力を挙げての色彩感溢れる演奏が展開しましたが、特にトロンボーンとチューバの迫力が半端なかった

大友 ✕ 東京フィルはアンコールにチャイコフスキーのバレエ音楽「くるみ割り人形」から第2幕の「花のワルツ」をゴージャスに演奏、満場の拍手を浴びました

東京フィルはただ人数が多いだけでなく層が厚いオケだな と感じたコンサートでした

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新国立オペラでモーツアルト「ドン・ジョヴァンニ」を観る ~ ドンナ・エルヴィーラで新国立オペラにデビューの脇園彩さん、ドン・オッタ―ヴォ役のフアン・フランシスコ・ガテルにブラボー!

2019年05月18日 01時28分26秒 | 日記

18日(土)。わが家に来てから今日で1688日目を迎え、トランプ米大統領は16日、移民希望者の技能・年齢・教育水準などをポイント化して永住権発給の可否を決める「メリットベース」を活用した移民拡大を内容とする移民制度改革案を発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ポイントの高い人たちばかり入国すると 反ってトランプ政権批判勢力が拡大しね?

     

         

 

昨日の夕食は、「牛タン塩焼き&ハラミ焼肉」「野菜サラダ」「卵スープ」にしました 残業続きで疲れ果てている娘は 肉を食べると元気が出るので

 

     

 

         

 

昨日、初台の新国立劇場「オペラパレス」でモーツアルト「ドン・ジョヴァンニ」を観ました 出演は、ドン・ジョヴァンニ=二コラ・ウリヴィエーリ、騎士長=妻屋秀和、レポレッロ=ジョヴァンニ・フルラネット、ドンナ・アンナ=マリゴーナ・ケルケジ、ドン・オッタ―ヴォ=フアン・フランシスコ・ガテル、ドンナ・エルヴィーラ=脇園彩、マゼット=久保和範、ツェルリーナ=九嶋香奈枝。管弦楽=東京フィル、合唱=新国立劇場合唱団、指揮=カーステン・ヤヌシュケ、演出=グリシャ・アサガロフです

 

     

 

ある晩、無類の好色男ドン・ジョバンニが騎士長の娘ドンナ・アンナの部屋に忍び込んだ。しかし、アンナに騒がれ、駆けつけた騎士長と決闘して彼を刺殺してしまう 従者のレポレッロと逃げる途中で、過去に捨てた女ドンナ・エルヴィーラに追い回されたり、結婚直前の村娘ツェルリーナを口説いたりして放蕩の限りを尽くす。やがて悪行がばれて逃走して行き着いた先が、決闘で殺した騎士長が眠る墓場だった ドン・ジョバンニは、不敵にも騎士長の石像を晩餐に招く。石像は彼に改悛を迫るが、これを拒んだため地獄に落とされる

 

     

 

私が新国立オペラで「ドン・ジョバンニ」を観るのは2001年、2008年、2012年、2014年に続いて今回が5度目です そのうちグリシャ・アサガロフによる演出は4度目です。彼の演出は、ドン・ジョバン二を18世紀に実在した色男カサノヴァになぞらえ、舞台をヴェネツィアに移しています

ドイツ出身のカーステン・ヤヌシュケ指揮東京フィルによるデモーニッシュな「序曲」に続き、ゴンドラに乗ったドン・ジョバンニとレポレッロが登場します これまで何度も書きましたが、私は「序曲」からレポレッロの歌~ドン・ジョバンニとドンナ・アンナとの言い争い~騎士長とドン・ジョバンニとの決闘~騎士長の死までのノンストップ・ミュージックが大好きです

冒頭の場面で解釈が分かれるのは、「果たしてドン・ジョバンニはドンナ・アンナをものにしたのか?」ということです 演出のグリシャ・アサガロフは「プロダクション・ノート」(2008年11月のインタビュー)で、「ドン・ジョバンニはドンナ・アンナを『ものにした』と考えています」と明確に述べています 実際の演出では、二人が言い争っているうちに、ドン・ジョバンニがドンナ・アンナに覆いかぶさり、そこに騎士長が登場するという段取りになっています。まるで部屋での出来事を再現するかの如くです これに対し、プログラム冊子に掲載されたピアニスト青柳いづみこさんの「ドン・ジョバン二をめぐる3人の女性たち」では「ドンナ・アンナはこのとき夜這いの男と関係してしまったのではないかとかんぐる向きもあるが、ツェルリーナの口説きに失敗したドン・ジョバンニが『今日は悪魔に邪魔ばかりされている』とぼやく場面もあるので、それはないだろう」と書かれています さて本当はどちらなのか? どちらにしても、ドンナ・アンナはドン・ジョバンニに復讐を誓うものの、彼への想いを捨て去ることが出来ないでいる女性のようです

さて、今回の公演で私が最も強く印象に残ったのは、ドンナ・エルヴィーラを歌った脇園彩さんです 東京藝大大学院修了後、文化庁派遣芸術家在外研究員としてパルマ国立音楽院に留学し、ロッシーニ・オペラ・フェスティバルのアカデミーに参加し「ランスへの旅」でイタリアでのオペラデビューを果たし、ミラノ・スカラ座アカデミーを修了しています その後、イタリアの各歌劇場で歌い、日本では藤原歌劇団「セヴィリアの理髪師」ロジーナでデビューを果たしています 美しく力強いメゾソプラノで、迫真の演技力です 第1幕のアリア「ああ!いったい誰が」、第2幕のレチタティーヴォとアリア「なんてひどい人」では、自分を捨てたドン・ジョバンニを恨みながらも、未練を断ち切れない貴婦人の心情を見事に歌い上げました 将来有望なメゾソプラノと言っておきます

次に印象深かったのはドン・オッタ―ヴォを歌ったフアン・フランシスコ・ガテルです アルゼンチン生まれのテノールですが、2004年のカルーソー・コンクールで優勝しています ドンナ・アンナをいたわる第1幕のアリア「彼女の心の安らぎこそ」と第2幕のアリア「私の大切な人を」をはじめ、伸びのある輝かしい歌声で聴衆を魅了しました

ドン・ジョヴァンニを歌った二コラ・ウリヴィエーリはイタリア生まれのバスですが、精力的で行動的な好色漢を歌い 演じました  第2幕でドンナ・エルヴィーラの侍女を口説くアリア「さあ、窓辺においで」は甘美そのものでした   第1幕でツェルリーナと歌う「手に手を取り合って」は大好きな二重唱ですが、素晴らしいデュオを聴きながら、「騎士との結婚に目がくらみ、許婚のマゼットをないがしろにして、わずか3分半でドン・ジョバンニに”落ちてしまう”ツェルリーナってどうなのよ」と言いたくなりました これぞ「コジ・ファン・トゥッテ」(女はみんなこうしたもの)ではないか

そのツェルリーナを歌った九嶋香奈枝は美しいソプラノで、騎士には弱く 許婚の農夫には強く出る ちゃっかり・しっかり者の役柄がピッタリでした

ドンナ・アンナを歌ったマリゴーナ・ケルケジはクロアチア・ザグレブ生まれのソプラノですが、恵まれた体格を生かしたパワフルな歌唱が持ち味です 第2幕のレチタティーヴォとアリア「私が残酷ですって?違います」では、悲惨な運命に見舞われた彼女の胸の内を切々と歌い上げました

特筆すべきはカーステン・ヤヌシュケ指揮東京フィルと新国立劇場合唱団の演奏です しっかりと歌手に寄り沿ってモーツアルトの魅力を表現していました


     


ところで、第2幕開始早々、1階16列左ブロックの右から2つ目の席でスマホが5分以上発光していました その後も、何度か点いては消えていたので、スマホで時間を確認していたのかも知れません どんな非常識な馬鹿者かと思い、閉幕後 会場の照明が点いたので その席を見ると どうやら外国人のようでした 開演前には日本語と英語で注意事項をアナウンスしているはずなのに、日本語も英語も通じない国の人なのかな と思いましたが、それ以前にこれはマナーの問題だから国籍は関係ないと思い直しました   おそらく定期会員ではないので、これっきりだと思いますが、どこの国にもいるんですねマナーの悪い人間が。こういう人にはオペラを観にきて欲しくないと思います

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東京藝大の無料コンサートがあります / 藝大モーニングコンサートで冷水乃栄流「Not Found for Orchestra」、ショスタコーヴィチ「チェロ協奏曲第2番」(Vc:山本大)を聴く

2019年05月17日 07時21分20秒 | 日記

17日(金)。わが家に来てから今日で1687日目を迎え、大相撲の新大関貴景勝が4日目の取組で負傷したため、夏場所5日目の16日、日本相撲協会に休場を届け出た というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       力士の重量化とかいろいろ問題があるんだろうけど  あまりにももろ過ぎると思う

 

         

 

昨日、夕食に「豚バラ甘酢ネギ胡麻だれ」と「冷奴」を作りました 「豚バラ~」のお皿に載っている緑は豆苗(エンドウ豆の若菜)です。βカロチン、ビタミンEがたっぷり入っていて1袋98円  シャキッとして美味しいです

 

     

 

         

 

昨日、上野の東京藝大奏楽堂で「第3回藝大モーニングコンサート」を聴きました プログラムは①冷水乃栄流「Not Found for Orchestra」、②ショスタコーヴィチ「チェロ協奏曲第2番」(チェロ独奏:山本大)で、管弦楽=藝大フィルハーモニア管弦楽団、指揮=山下一史です

 

     

 

全席自由です。1階11列12番、左ブロック右通路側を押さえました オケはいつもの並びで、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成。コンマスは戸原直氏です

1曲目は藝大4年在学中の冷水乃栄流君が作曲した「Not Found for Orchestra」です    

まず、この人の名前が読めませんでした   れいすいの えいりゅう?  配布されたプログラムを見て「ひやみず のえる」という読み方であることを知りました   演奏に先立って 本人から簡単な曲目解説がありましたが、長い髪の毛を後ろで束ねた写真から女子学生だとばかり思っていたら 登場したのは男子学生でした 本人の解説は簡潔明瞭で、演奏者をリスペクトする内容で好感が持てました

プログラム・ノートに書かれた本人の解説と合わせると、この作品は「ベートーヴェンの『第九』に『合唱不在』の状況を設定したもので、ズバリ、人間不在の 滅んだ世界の『第九』」とのことです

山下氏の指揮で演奏に入りますが、大きなフレームワークとしては、まず 第九交響曲の第4楽章、第3楽章、第2楽章、第1楽章の順に主要なテーマが断片的に現れては消え、その後 すべての楽章のテーマが順不同に現われては消えていくといった流れになっています  そして、最後はオルゴールの小さな音で「歓喜の歌」のテーマが奏でられ、静かにフェイドアウトしていきます    まるで、ベートーヴェンが手を振って別れを告げているかのようです

実に面白い曲でした   山下一史 ✕ 藝大フィルハーモニア管は伸縮自在な演奏を展開し、作品の魅力を存分に引き出していました


     


2曲目はショスタコーヴィチ「チェロ協奏曲第2番」です この曲はドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906‐1975)が1966年、彼が60歳の時にわずか8日間で作曲しました 時期的には交響曲第13番と第14番の間に当たります。第1楽章「ラルゴ」、第2楽章「アレグレット」、第3楽章「アレグレット」の3楽章から成ります

藝大4年に在学中の山本君のソロで第1楽章が開始されます 苦悩の満ちた曲想と言えばよいのか、悲痛な叫びと言えばよいのか、ショスタコーヴィチ特有の沈潜した響きが支配します 山本君は作曲者が瞑想にふけっているかのように演奏します 第2楽章は短い序奏に続き、行進曲風の主題が奏でられますが、山本君の解説によると「ショスタコーヴィチの父が亡くなった窮乏のとき、母が稼ぎのために街頭でパンを売っていた時に歌った『買って下さいブーブリキ』の旋律を引用しているそうです。山本君は軽快に演奏しました 切れ目なく演奏される第3楽章では、チェロがまるでサイレンでファンファーレを鳴らしているような演奏を聴かせながらフィナーレに向かいます

山本君の演奏を聴いて一番印象に残ったのはリズム感が素晴らしいということです 演奏スタイルも堂々たるものでした。将来が楽しみです

 

     

 

         

 

無料コンサートのご案内です 6月22日(土)午後2時から上野の東京藝大奏楽堂で「第6回韓国芸術総合学校&東京藝術大学 交流演奏会 2019 in 東京藝大」が開かれます   日韓両国から各4名の学生が出演し、それぞれ得意とするピアノ曲を披露します 詳細は下のチラシをご覧ください

 

     

     

 

6月はすでに26回コンサートの予定が入っていますが、22日は たまたま 終日空いているので 聴きに行くつもりです

 

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ホラー映画「へレディタリー / 継承」、サスペンス映画「アンダー・ザ・シルバーレイク」を観る ~ 新文芸坐 / 映画館で盗まれました!

2019年05月16日 07時22分39秒 | 日記

16日(木)。わが家に来てから今日で1686日目を迎え、複数の米メディアは14日、トランプ大統領の長男ジュニア氏が6月中旬に非公開の証言に応じることで上院情報特別委員会と合意したと報じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       ジュニアの次はイヴァンカかな?それよりトランプ本人を証言させた方が早くね?

 

         

 

昨日、夕食に「鶏肉のマヨポン炒め」「トマトとレタスの卵スープ」「冷奴」を作りました 冷奴には削り節、ミョウガ、大葉を載せました。たかが冷奴、されど冷奴です

 

     

 

         

 

昨日、池袋の新文芸坐で「へレディタリー/継承」と「アンダー・ザ・シルバーレイク」の2本立てを観ました

「へレディタリー/継承」はアリ・アスター監督による2018年アメリカ映画(127分)です

グラハム家で祖母エレンが亡くなった。過去のある出来事により、母に対して愛憎交じり合った感情を持っていた娘のアニーも、夫スティーブや長男ピーター、長女チャーリーとともに淡々と葬儀を執り行った 祖母が亡くなった喪失感を乗り越えようとするグラハム家に奇妙な出来事が頻発するようになる 最悪の事態に陥った一家は修復不能なまでに崩壊してしまうが、亡くなったエレンの遺品が収められた箱に「私を憎まないで」と書かれたメモが挟まれていた


     


正直言って、2本立ての1本目だから観たようなものなので、普段はホラー映画は観ません この手の映画を観ていつも思うことは、恐怖を煽り立てるのは映像表現よりも音楽だということです いかにも、どこからか何か得体の知れない者が突然出現するのではないか、という不気味な音楽を流して人の恐怖心を煽ります ちなみに、映画から音楽を取り除いて映像だけ観たら拍子抜けするような作品になるような気がします

この映画はもっと怖い結末が待っているかと思っていたら、新興宗教のような話で拍子抜けしました 「えっ、継承ってそういう意味だったの?」という感じです


         

「アンダー・ザ・シルバーレイク」はデビッド・ロバート・ミッチェル監督による2018年アメリカ映画(140分)です

セレブやアーティストたちが暮らすロサンゼルスの街シルバーレイク。ゲームや都市伝説を愛するオタク青年サムは、隣に住む美女サラに恋をするが、彼女は突然失踪してしまう サラの行方を捜すうちに、いつしかサムは街の裏側に潜む陰謀に巻き込まれていく


     


サムはサラを探すために謎を解いて次のステップに進んでいくわけですが、ニンテンドーの「スーパーマリオ」のゲームが謎解きに使われていたのには親近感を覚えました 

トーリーとしては、「へレディタリー」と同様、新興宗教の話のような感じがしました また、登場人物が多く、話が込み入っていて分かりにくいストーリー展開で、内容的には140分は長すぎると思いました


         


さて、1本目が終わって休憩時間になったので、場所取りのため新聞2紙を椅子に置いて、ロビーに出て飲食コーナーで昼食を取ってから自席に戻ると、新聞が見当たりません 朝日は半分しか読んでおらず、日経に至ってはページを開いてさえいません 2本立て上映なので、休憩時間の間にスタッフが回って 席に残された物を片付けることはあり得ないので、どうやら誰かが持ち去ったようです 長い間、人間をやっていますが、新聞を盗まれたのは初めてです 映画館は終電車の網棚とは違うのが分からないヤカラが盗んだのでしょう これがコンサート会場だったら まずあり得ないことです ほとんどのコンサートが全席指定ということもあるし、盗人のような悪人がいないからです。マナーを守らない爺さんは約1名いますが 同じコンサートでも、全席自由の場合は、座席に置いておいたチラシの束が下に滑り落ちて、それに気が付かない人が私の席に座っていたことは何度かあります しかし、席は取られても 物は取られませんでした

今回得た教訓は、コンサート会場と違って映画館は、どんな卑しい人間が混じっているか分からないので 十分に注意が必要だということです 映画館で席を離れる時は貴重品はもちろんのこと、貴重品が入っていないバッグなども持って離れた方が良いということです。私にとっては貴重品の)新聞紙さえ盗まれるのですから  飲みかけのペットボトルのお茶でも残しておくのが良いかも知れません

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METライブビューイングでワーグナー「ワルキューレ」を観る ~ ロベール・ルパージュの演出、カール・フィリオンによる巨大な舞台装置に魅了される公演 / 2019-2020シーズンのラインナップ発表

2019年05月15日 07時23分48秒 | 日記

15日(水)。わが家に来てから今日で1685日目を迎え、日本維新の会の丸山穂高衆院議員が北方四島の返還に関連して「戦争しないと、どうしようもなくないですか」などと発言した問題を受けて、同党の松井一郎代表は14日、「国会議員として一線を越えた発言。元島民、国民に本当に不快な思いをさせ、心からおわびを申し上げたい」と陳謝した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       よくもこんな好戦的なやつが議員をやってるな!  どうしようもなくないですか?

     

         

 

昨日、夕食に「トマトと豚肉の重ね蒸し」を作りました この前作った時は白ワインと、水の代わりに日本酒を入れてしまい失敗しましたが、今回は間違えず白ワインと水を入れて蒸したので美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、ワーグナー「ワルキューレ」を観ました これは今年3月30日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です

出演は、ブリュンヒルデ=クリスティーン・ガ-キー、ジークリンデ=エヴァ=マリア・ヴェストブルック、ジークムント=スチュアート・スケルトン、ヴォータン=グリア・グリムスリー、フンディング=ギュンター・グロイスベック、フリッカ=ジェイミー・バートン。管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、指揮=フィリップ・ジョルダン、美術=カール・フィリオン、演出=ロベール・ルパージュです

 

     

 

リヒャルト・ワーグナー(1813-1883)が作曲した「ニーベルングの指環」四部作は延べ26年の歳月をかけて完成した楽劇です 序夜「ラインの黄金」、第1夜「ワルキューレ」、第2夜「ジークフリート」、第3夜「神々の黄昏」の4作から成ります 「ワルキューレ」のあらすじは次の通りです

神々の長ヴォータンが人間の女性との間にもうけた2人の子ども、息子ジークムントと娘ジークリンデの双子兄妹は、それぞれ様々な苦難を経て、嵐の夜に巡り合う   ジークリンデは粗暴な男フンディングから強いられて妻にされていたが、いま英雄ジークムントと出逢い、生き別れになっていた実の兄と知りつつ、愛に浸る ジークムントはヴォータンが彼に託した宝剣ノートゥングをトネリコの樹から抜き取る。そして二人は手を携え新しい天地を求めて逃れていく(以上 第1幕)。

ヴォータンの計画は粗雑だったため、妻であり神聖な結婚を司る女神フリッカから兄妹の道徳的な背信を激しく詰問され、その正論に抗することができず、ついに彼らへの助力を断念せざるを得なくなる ジークムントは、追ってきたフンディングとの戦いであえなく最期を迎えてしまう ヴォータンの娘でワルキューレ(戦乙女)のひとりブリュンヒルデは、父の命令に背きジークムントを守ろうとしたが失敗し、ジークリンデを伴い戦場を離脱する(以上 第2幕)。

ジークリンデがジークムントの子を宿しているのを知るブリュンヒルデは、その子にジークフリートという名を授け、彼女を東方の森の奥深くへ逃走させる 一方、愛娘に背かれたヴォータンの怒りは天地を震撼させるほどだったが、父の本心を知る彼女の粘り強い懇願に、ついにその心が和らぐ 彼は娘を岩山の上に眠らせ、魔の炎で囲む・・いつの日か、神よりも自由な者(ジークフリート)が彼女を目覚めさせ、妻とすることを願いながら(以上 第3幕)。

 

     

 

まず、この公演を観て驚くのはロベール・ルパージュによる演出とカール・フィリオンによる巨大な舞台装置です 幕間の解説によると、1枚1枚がコンピューター制御で動く24本の巨大なアルミ製厚板を並列に組み合わせ、そこにプロジェクション・マッピングにより岩山や森などを映し出すという大掛かりなシステムです しかも厚板の動きをコンピューターで察知しながらプロジェクション・マッピングが投影されるので、絵がずれず、まったく違和感がありません 圧巻は第3幕冒頭の「ワルキューレの騎行」です 厚板を騎馬に見立て、8人のワルキューレ達がそれを操るような動きを見せながら勇ましい歌を歌い、頂上から滑り降りてくるのですが、迫力満点です しかも、8人の女性は見るからに強そうで負けそうです

ロベール・ルパージュの演出に初めて接したのは1999年の「サイトウ キネン フェスティバル 松本」で上演されたベルリオーズ「ファウストの劫罰」でした 小澤征爾の指揮で、スーザン・グラハムとホセ:ファン・ダムが出演していましたが、ルパージュの演出は斬新で、ダンサーがロープから中刷りにされて演技をするアクロバティックなものでした 後で知ったことですが、ルパージュは「シルク・ド・ソレイユ」の演出を手掛けています 今回の「ワルキューレ」の演出はその延長線上にあるものと言えます

歌手陣は全員が素晴らしかったのですが、私が一番すごいと思ったのはヴォータンを歌ったグリア・グリムスリーです 1956年ニューオリンズ生まれのバスバリトンですが、魅力のある声質で”人間的な神”ヴォータンを歌い演じていました

次に印象に残ったのはフンディングを歌ったギュンター・グロイスベックです 1976年オーストリア生まれのバスですが、深い声と迫真の演技力で聴衆を魅了します

ブリュンヒルデを歌ったクリスティーン・ガ-キーはアメリカ出身で、ドラマティックな表現力に富んだソプラノで存在感抜群です

ジークリンデを歌ったエヴァ=マリア・ヴェストブルックは1970年オランダ生まれのソプラノですが、強靭かつ美声の持ち主で、演技力も申し分ありません

ジークムントを歌ったスチュアート・スケルトンは1968年シドニー生まれのテノールですが、強靭さと柔軟さを兼ね備えた歌唱で会場を圧倒します

フリッカを歌ったジェイミー・バートンは1981年アメリカ生まれのメゾソプラノですが、パワーがある一方、温かみのある声で魅了されます

フィリップ・ジョルダン指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団による演奏は歌手に寄り添いながら、各登場人物のライトモチーフをはじめ素晴らしい演奏を展開しました

上映時間は2回の休憩、歌手へのインタビュー等を含めて4時間51分です あなたは、約5時間のワーグナー耐久レースを聴き通すことができるか

 

         

 

METライブビューイング2019‐2020のラインナップが発表されています 今年の秋からスタートする全10作品です ざっと見渡したところ、プッチーニが3作品(トゥーランドット、蝶々夫人、トスカ)取り上げられているのが目立ちます その一方で、ベルク「ヴォツェック」、ガーシュイン「ボギーとベス」、ワーグナー「さまよえるオランダ人」、ヘンデル「アグリッピーナ」(MET初演)、フィリップ・グラス「アクナーテン」(同)の5作品が新演出となっており、伝統の中にも常に新しいものを取り入れていこうとするMETの積極性を感じます なお、「さまよえるオランダ人」には藤村実穂子が日本人初となるライブビューイング・デビューを果たします 今から楽しみです

 

     

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二階堂ふみ&GACKT共演「翔んで埼玉」を観る ~ バッハ「ヴァイオリン協奏曲第2番」、モーツアルト「フルートとハープの協奏曲」、マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲も流れる

2019年05月14日 07時25分05秒 | 日記

14日(火)。わが家に来てから今日で1684日目を迎え、渋谷駅前のスクランブル交差点でベッドに寝そべる様子を動画サイト「ユーチューブ」に投稿するため 交差点にベッドを放置したとして、警視庁は13日、会社役員の男ら20~30代の男女7人を道路交通法違反の疑いで書類送検した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                スクランブルでトラブル起こすなんてアンビリーバブルだ プチブルの役員さんよ

 

         

 

昨日、夕食に「カレーライス」と「生野菜サラダ」を作りました カレーは時々食べたくなりますね

 

     

 

         

 

4月上旬に、脚の手術で入院中の元の職場のU元専務を 当時の部下3人で見舞いに行った際、東京・品川出身で現在さいたま市在住のU元専務が、東京・向島出身で現在千葉市・幕張在住のE氏、東京・田無(現在・西東京市)出身で現在も在住のS氏、埼玉県S市出身で現在豊島区在住の私の3人に対し、「3人に関わりのある土地が出てくるし、絶対に面白いから観た方がいい」と強く推薦してくれたのが「翔んで埼玉」でした

GACKTファンの娘はとっくに観たし、園子温監督「ヒミズ」「地獄でなぜ悪い」のヒロイン役を観て以来の二階堂ふみファンとしては是非観なければならぬ、と思っていましたが、この手の映画は、私が行きつけの「ギンレイホール」や「新文芸坐」や「早稲田松竹」といった”名画座”では上映されそうもないので、思い切って封切館で観ることにしました

上映中の一番近い映画館を調べたら「シネマサンシャイン池袋」であることが分かったので、自宅から徒歩で向かいました 30分後に1階の窓口で、スタッフのお兄ちゃんとの会話です

tora:11時40分からの「翔んで埼玉」1枚お願いします。

お兄:どの辺の席がいいですか?

tora:真ん中の後方の通路側が・・・

お兄:どこでも空いてますから、好きなところを選んでください(「今頃 この映画を観る人は珍しい」という顔をしています

というわけで、映画館は「カラス なぜ鳴くの カラスの勝手でしょ カー カー」という閑古鳥が鳴いている状態で、客は数えるほどしかいませんでした これからこの映画を観ようと思っている人は今がチャンスです

 

     

 

埼玉県の農道を 1台のワンボックスカーが3人の家族を乗せて東京に向かって走っている    カーラジオからは、さいたまんぞうの『なぜか埼玉』の「右も~ 左も~ すべて埼玉~ 」という田園風景的な歌が流れ、続いてDJが埼玉にまつわる都市伝説を語り始める

かつて東京都民からひどい迫害を受けていた埼玉県民は、身を潜めてひっそりと暮らしていた 東京都知事の息子で、東京トップの名門高校・白鵬堂学院の生徒会長を務める白鵬堂 百美(二階堂ふみ)は、ある日、アメリカ帰りで容姿端麗な謎の転校生・麻実 麗(GACKT)と出会う 麗の正体は埼玉県の大地主・西園寺家の子息だった。麗の父親は彼をアメリカに留学させ、都会的な物腰を身につけさせ、ゆくゆくは政治家にして、埼玉県民に対する差別政策(通行手形)を撤廃させようと目論んでいたのだった 最初は反発していた百美だったが、しだいに麗に淡い恋心を抱くようになり、男同士で互いに惹かれ合っていく しかし、ある事件から、麗が埼玉県出身であるという衝撃の事実を百美が知ってしまい、2人は東京と埼玉の県境で引き裂かれることになる しかし、麗が所沢に戻り埼玉県民解放のための抵抗運動を始めると、百美は地位も未来も投げ捨てて彼についていく 2人の逃避行に立ちはだかったのは、埼玉のライバル・千葉解放戦線の一員で、白鵬堂家に仕える執事・阿久津翔(伊勢谷友介)だった 東京を巡る埼玉 対 千葉 の大抗争が、秘境・群馬や 高みの見物の神奈川、果ては栃木、茨城も巻き込んでいく中、伝説の埼玉県人・埼玉デューク(京本政樹)に助けられながら、百美と麗は東京都庁に向かう 果たして、二人の運命は、そして埼玉、ひいては関東の運命やいかに

この映画は、「パタリロ!」で知られる漫画家の魔夜峰央が1982年に、当時自らも住んでいた埼玉県を自虐的に描いたギャグ漫画として発表し、30年以上経った2015年に復刊されるとSNSなどで反響を呼んだ「翔んで埼玉」を武内英樹監督が2019年に実写化した作品(107分)です

「ここまで埼玉をおちょくっていいのか」と一瞬思いましたが、埼玉県出身者としてどうも憎めない内容に仕上がっています 映画の中に、その秘密をひと言で言い表したシーンがあります。それは、埼玉県民 対 千葉県民の言い争いで、千葉側が「千葉には海がある。埼玉にはないだろう」と罵倒すると、埼玉側が「埼玉には何もないけど、誇りがある」と反論するシーンです この辺が埼玉県民の自尊心をくすぐるのでしょうね

とくに面白かったのは、「埼玉県人でなければ、これを踏めるだろう。さあ、踏んでみろ」と言われ、埼玉県鳥「シラコバト」を焼き込んだ大きな草加せんべいが踏めずに苦悶する麗の表情です 「踏み絵」ならぬ「踏みセンベイ」かよ ここで突然 謎かけを。「一枚でも千ベイとはこれいかに?」「千人でも一枚岩と言うがごとし」なんてね

それにも増して面白かったのは、埼玉県人と千葉県人が、県境を流れる江戸川を挟んで睨み合い、それぞれの出身地の有名人の大きなパネルを掲げて勝負するシーンです 両県とも何人か有名人を出した後、埼玉側が凧あげで「高見沢俊彦」を出すと、千葉側は最初「小倉優子」を出して、「だめだ、弱い」と言って引っ込め、次に「小島よしお」を出して、「あ~だめだ、弱い」と言って また引っ込め、最後に「市原悦子」を出して「これでどうだ」と迫ると、埼玉側は「う~ん、『家政婦は見たか』の市原悦子か~。強い」と言って千葉側の強さを認めるシーンです たしかに「ゆうこりん」こと小倉優子と「そんなのカンケーネ~」の一発芸人・小島よしおがセットになっても市原悦子には顔負けします 「アルフィー」の2代目リーダー高見沢俊彦に勝てるのは「まんが日本昔ばなし」の市原悦子しかいません

また、同じ埼玉県民でも、浦和と大宮で”埼玉の中心はどこか”を巡って言い争う場面は、そこに住んでいる人たちにとっては苦笑ものに違いありません「井の中の蛙」に過ぎませんが

お互いに反目し合っている埼玉県民と千葉県民ですが、共通の敵=東京をやっつけるために最後は団結します この辺は”現在の”東京都民としては複雑な思いがあります 

ところで、どうでもいいことですが、白鵬堂 百美を演じた二階堂ふみも 麻実 麗を演じたGACKTも 出身地は埼玉県ではなく 沖縄県です   その意味では、二人とも「なんくるないさ~」と気軽に演ずることが出来たのではないでしょうか

さて いつものことですが、私が興味があるのは映画の中でどんな音楽が、特にどんなクラシック音楽が使われているかです

まず、白鵬堂学院でのシーンで流れたのは、J.S.バッハ「ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調BWV1042」の第1楽章「アレグロ」と、W.A.モーツアルト「フルートとハープのための協奏曲ハ長調K.299」の第2楽章「アンダンティーノ」でした  そして、映画の終盤、都庁の近くで百美が麗に寄り添っているところで、シラコバトが百美の肩に止まるシーンではピエトロ・マスカーニの歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」の「間奏曲」が流れていました

「翔んだ埼玉」の「飛んでもない」ギャグ映画で 洗練された音楽が使われていたのは、ちょっとした驚きでしたが、この映画の監督・武内英樹氏はかつて一世を風靡した「のだめカンタービレ」を撮った人であることを知ると納得できます

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あなたはジョン・ケージの『4分33秒』を聴いたことがありますか? / ジョン・カーペンター監督「ゼイリブ」を観る ~ 今のアメリカには「ゼイリブ」のサングラスが必要では!?

2019年05月13日 07時22分41秒 | 日記

13日(月)。わが家に来てから今日で1683日目を迎え、25日から来日予定のトランプ米大統領が東京・国技館で大相撲を観戦する際、特注のトランプ杯を幕内優勝力士に授与する方向で調整していることが分かった と言いうニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     その頃 米中貿易問題はどうなってるかな 米国の押し出しか? 中国の肩すかしか?

 

         

 

木曜日の朝日夕刊に掲載された「太田弦指揮神奈川フィルが4月20日に神奈川県民ホールで開かれたコンサートで、アメリカの作曲家 ジョン・ケージ(1912-1992)の『4分33秒』を取り上げた」という記事(阿部美香子さん筆)を読んで、「あ~あ、やっちまったな」と思いました。それには次のように書かれていたからです

「ケージの作品の前に、『皆さんはとても貴重な機会に立ち会っています』と司会の女性。『演奏者に注目してください。何も音を出さないんです』。曲を知らない人が予備知識なしで臨むところを見たかったので、この”ネタばらし”には落胆した

まったく同感です こういうのを「小さな親切  大きなお世話」と言うのでしょう ケージの『4分33秒』は、楽譜には音符がひとつも書かれておらず、楽器は何を使ってもよいが、4分33秒の間、音を出さないことになっているのです つまり、4分33秒の間、演奏者は”演奏”せず、空調の音、咳払い、物を落とす音、「いつになったら演奏が始まるんだろうね?」といった囁きなど そこで出されるすべての音が『4分33秒』という作品そのものなのです それを、始まる前からネタばらししてしまってはコンサートの意図が台無しです。司会者失格ですね 人を取り巻く環境は音に満ちています そういう身近な音(音楽)に耳を傾けるべきだ、というのがケージの主張です

記事は次のように続きます

「1952年の初演はニューヨーク郊外のウッドストックで、ケージの友人のピアニスト、デビッド・チュードアが行った 森の中のホールで、当惑した人々の声のほかに、開いた扉から風の音や雨の音が聞こえたという(中略)。東洋思想に関心が深く、禅に強い影響を受けていたケージ。『無心』の概念に導かれて、作曲者の自我を退け、偶然に起きることをあるがままに受け止める 『4分33秒』は、便器を美術作品として展示したマルセル・デュシャンの『泉』にも似て、音楽についての固定観念を覆し、新たな耳を開かせたと言われる

私も、一度でいいから『4分33秒』の”演奏”に立ち会ってみたいものです

 

         

 

早稲田松竹で、ジョン・カーペンター監督による1988年アメリカ映画「ゼイリブ」(HDリマスター版:94分)を観ました

仕事を求めて町に辿り着いたネイダは、ホームレスのためキャンプで寝止まりするようになった後、人の動きが怪しげな教会でサングラスを発見する そのサングラスを通して見えたのは、人間に成りすまして町を支配していた奇怪な侵略者の姿と、至るところに隠され 人間を操っていた洗脳機械だった 地球が異星人に支配されているという恐るべき真実を知ったネイダは、肉体労働の仕事で知り合ったフランクを巻き込んで侵略者と戦うことになる

 

     

 

サングラスをかけると、広告の看板に「商品を買え!」というメッセージが現われ、別の看板を見ると「従え」とか「ものを考えるな」というメッセージが現われます 人間はいつの間にかサブリミナル効果のような手法で洗脳されていたという訳です 今のアメリカ国民は、自分に都合の悪いニュースは「フェイク」だと断定して排除しようとしているトランプ大統領に洗脳されていないだろうか とくに共和党支持者は。現在のアメリカには「ゼイリブ」のサングラスが必要なのかも知れない

ところで、ネイダとフランクが「サングラスをかけろ、かけない」で殴り合いのけんかになるシーンがありますが、「バックドロップ」や「ジャーマンスープレックス」といった本格的なプロレス技が執拗にかけられます 素人がやったら死にます しかし、ネイダを演じたロディ・パイパーは80年代の全米人気プロレスラーだったとのことです どうりで技がビシッと決まるわけです

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