人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

METライブビューイングでワーグナー「ワルキューレ」を観る ~ ロベール・ルパージュの演出、カール・フィリオンによる巨大な舞台装置に魅了される公演 / 2019-2020シーズンのラインナップ発表

2019年05月15日 07時23分48秒 | 日記

15日(水)。わが家に来てから今日で1685日目を迎え、日本維新の会の丸山穂高衆院議員が北方四島の返還に関連して「戦争しないと、どうしようもなくないですか」などと発言した問題を受けて、同党の松井一郎代表は14日、「国会議員として一線を越えた発言。元島民、国民に本当に不快な思いをさせ、心からおわびを申し上げたい」と陳謝した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       よくもこんな好戦的なやつが議員をやってるな!  どうしようもなくないですか?

     

         

 

昨日、夕食に「トマトと豚肉の重ね蒸し」を作りました この前作った時は白ワインと、水の代わりに日本酒を入れてしまい失敗しましたが、今回は間違えず白ワインと水を入れて蒸したので美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、ワーグナー「ワルキューレ」を観ました これは今年3月30日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です

出演は、ブリュンヒルデ=クリスティーン・ガ-キー、ジークリンデ=エヴァ=マリア・ヴェストブルック、ジークムント=スチュアート・スケルトン、ヴォータン=グリア・グリムスリー、フンディング=ギュンター・グロイスベック、フリッカ=ジェイミー・バートン。管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、指揮=フィリップ・ジョルダン、美術=カール・フィリオン、演出=ロベール・ルパージュです

 

     

 

リヒャルト・ワーグナー(1813-1883)が作曲した「ニーベルングの指環」四部作は延べ26年の歳月をかけて完成した楽劇です 序夜「ラインの黄金」、第1夜「ワルキューレ」、第2夜「ジークフリート」、第3夜「神々の黄昏」の4作から成ります 「ワルキューレ」のあらすじは次の通りです

神々の長ヴォータンが人間の女性との間にもうけた2人の子ども、息子ジークムントと娘ジークリンデの双子兄妹は、それぞれ様々な苦難を経て、嵐の夜に巡り合う   ジークリンデは粗暴な男フンディングから強いられて妻にされていたが、いま英雄ジークムントと出逢い、生き別れになっていた実の兄と知りつつ、愛に浸る ジークムントはヴォータンが彼に託した宝剣ノートゥングをトネリコの樹から抜き取る。そして二人は手を携え新しい天地を求めて逃れていく(以上 第1幕)。

ヴォータンの計画は粗雑だったため、妻であり神聖な結婚を司る女神フリッカから兄妹の道徳的な背信を激しく詰問され、その正論に抗することができず、ついに彼らへの助力を断念せざるを得なくなる ジークムントは、追ってきたフンディングとの戦いであえなく最期を迎えてしまう ヴォータンの娘でワルキューレ(戦乙女)のひとりブリュンヒルデは、父の命令に背きジークムントを守ろうとしたが失敗し、ジークリンデを伴い戦場を離脱する(以上 第2幕)。

ジークリンデがジークムントの子を宿しているのを知るブリュンヒルデは、その子にジークフリートという名を授け、彼女を東方の森の奥深くへ逃走させる 一方、愛娘に背かれたヴォータンの怒りは天地を震撼させるほどだったが、父の本心を知る彼女の粘り強い懇願に、ついにその心が和らぐ 彼は娘を岩山の上に眠らせ、魔の炎で囲む・・いつの日か、神よりも自由な者(ジークフリート)が彼女を目覚めさせ、妻とすることを願いながら(以上 第3幕)。

 

     

 

まず、この公演を観て驚くのはロベール・ルパージュによる演出とカール・フィリオンによる巨大な舞台装置です 幕間の解説によると、1枚1枚がコンピューター制御で動く24本の巨大なアルミ製厚板を並列に組み合わせ、そこにプロジェクション・マッピングにより岩山や森などを映し出すという大掛かりなシステムです しかも厚板の動きをコンピューターで察知しながらプロジェクション・マッピングが投影されるので、絵がずれず、まったく違和感がありません 圧巻は第3幕冒頭の「ワルキューレの騎行」です 厚板を騎馬に見立て、8人のワルキューレ達がそれを操るような動きを見せながら勇ましい歌を歌い、頂上から滑り降りてくるのですが、迫力満点です しかも、8人の女性は見るからに強そうで負けそうです

ロベール・ルパージュの演出に初めて接したのは1999年の「サイトウ キネン フェスティバル 松本」で上演されたベルリオーズ「ファウストの劫罰」でした 小澤征爾の指揮で、スーザン・グラハムとホセ:ファン・ダムが出演していましたが、ルパージュの演出は斬新で、ダンサーがロープから中刷りにされて演技をするアクロバティックなものでした 後で知ったことですが、ルパージュは「シルク・ド・ソレイユ」の演出を手掛けています 今回の「ワルキューレ」の演出はその延長線上にあるものと言えます

歌手陣は全員が素晴らしかったのですが、私が一番すごいと思ったのはヴォータンを歌ったグリア・グリムスリーです 1956年ニューオリンズ生まれのバスバリトンですが、魅力のある声質で”人間的な神”ヴォータンを歌い演じていました

次に印象に残ったのはフンディングを歌ったギュンター・グロイスベックです 1976年オーストリア生まれのバスですが、深い声と迫真の演技力で聴衆を魅了します

ブリュンヒルデを歌ったクリスティーン・ガ-キーはアメリカ出身で、ドラマティックな表現力に富んだソプラノで存在感抜群です

ジークリンデを歌ったエヴァ=マリア・ヴェストブルックは1970年オランダ生まれのソプラノですが、強靭かつ美声の持ち主で、演技力も申し分ありません

ジークムントを歌ったスチュアート・スケルトンは1968年シドニー生まれのテノールですが、強靭さと柔軟さを兼ね備えた歌唱で会場を圧倒します

フリッカを歌ったジェイミー・バートンは1981年アメリカ生まれのメゾソプラノですが、パワーがある一方、温かみのある声で魅了されます

フィリップ・ジョルダン指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団による演奏は歌手に寄り添いながら、各登場人物のライトモチーフをはじめ素晴らしい演奏を展開しました

上映時間は2回の休憩、歌手へのインタビュー等を含めて4時間51分です あなたは、約5時間のワーグナー耐久レースを聴き通すことができるか

 

         

 

METライブビューイング2019‐2020のラインナップが発表されています 今年の秋からスタートする全10作品です ざっと見渡したところ、プッチーニが3作品(トゥーランドット、蝶々夫人、トスカ)取り上げられているのが目立ちます その一方で、ベルク「ヴォツェック」、ガーシュイン「ボギーとベス」、ワーグナー「さまよえるオランダ人」、ヘンデル「アグリッピーナ」(MET初演)、フィリップ・グラス「アクナーテン」(同)の5作品が新演出となっており、伝統の中にも常に新しいものを取り入れていこうとするMETの積極性を感じます なお、「さまよえるオランダ人」には藤村実穂子が日本人初となるライブビューイング・デビューを果たします 今から楽しみです

 

     

コメント
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