人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

大友直人 ✕ 鈴木隆太郎 ✕ 東京フィルでラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」、リムスキー・コルサコフ「シェエラザード」を聴く~文京シビックホール「響きの森クラシック・シリーズ」

2019年05月19日 07時21分48秒 | 日記

19日(日)。わが家に来てから今日で1689日目を迎え、トランプ米大統領が17日に自動車の輸入増を「国家安全保障上の脅威だ」と位置付けたことに対し、日欧で反発が広がっている というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      「国家安全保障上の脅威」は アメリカの自動車業界の技術力のなさじゃないのか?

     

         

 

昨日、文京シビックホールで、「第68回響きの森クラシック・シリーズ」演奏会を聴きました プログラムは①ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番ハ短調」、②リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」です 演奏は①のピアノ独奏=鈴木隆太郎、管弦楽=東京フィル、指揮=大友直人です

 

     

 

東京フィルは前日の17日、本日の19日をはじめ新国立オペラ「ドン・ジョバンニ」のオーケストラ・ピットに入るので、この日は別働隊の出場です 初台では近藤薫氏がコンマスとして仕切り、文京では依田真宣氏が仕切ります 約140名の楽団員を誇る国内最大のオーケストラだからこそ可能な分散演奏形態です

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの東フィルの並びです

1曲目はラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番ハ短調作品18」です この曲は 交響曲第1番の初演失敗などによりスランプに陥っていたセルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)が、1900年に精神科医ニコライ・ダ―リ博士の暗示療法により立ち直り、この曲の創作を始めて1901年に完成、同年チャイコフスキー自身の独奏で初演され大成功を収めました 言わば「復活の狼煙の曲」です 第1楽章「モデラート」、第2楽章「アダージョ・ソステヌート」、第3楽章「アレグロ・スケルツァンド」の3楽章から成ります

1990年鎌倉生まれ といいますから今年29歳の鈴木隆太郎が登場しピアノに向かいます  パリ国立音楽院で学び、現在はイタリアで名教育者エリソ・ヴィルサラーゼのもと研鑽を積んでおり、数々の国際コンクールに入賞しています

大友氏の指揮で第1楽章に入りますが、この曲はまさにロマンティシズムの極致をいく作品ですね 鈴木君は深々と呼吸するかのようにじっくりと作品に対峙します メリハリのあるオケの演奏が彼を支えます 素晴らしいと思ったのは第2楽章です 鈴木君の弾く弱音の美しさが際立っています 一転、第3楽章ではオケとの対話により力強い演奏を展開し 聴衆を魅了します


     


プログラム後半はリムスキー・コルサコフの交響組曲「シェエラザード」です  この曲はニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844-1908)が1888年に作曲し、ペテルブルクで初演されました   海軍の軍人だった彼の面目躍如といったスケールの大きな作品です   言うまでもなく「シェエラザード」とは「千一夜物語(アラビアン・ナイト)」の語り部となる女性の名前です。「妃の不貞に怒りを覚えたサルタンの王シャーリアールは、処女と初夜を過ごし、翌朝には殺すという恐ろしい習慣を続けていたが、賢いシェエラザードは、王に毎晩面白い話を聞かせて、遂にはそれが千一夜にも及び、王の残忍な心は消え去っていた」という物語です 作曲者は4つの楽章に当初 次のようなタイトルを付けていましたが、最終的には外しています しかし、鑑賞の一助にはなると思います。第1楽章「海とシンドバッドの船  ラルゴ・エ・マエストーソ~アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「カランダール王子の物語  レント~アンダンティーノ」、第3楽章「若き王子と王女  アンダンティーノ・クワジ・アレグレット」、第4楽章「バグダッドの祭り、海、青銅の騎士のある岩での難破、終曲  アレグロ・モルト」です

第1楽章の冒頭、力強いシャーリアール王の主題に続いて、シェエラザードのテーマがヴァイオリン・ソロで演奏されますが、コンマス依田真宣氏の演奏が素晴らしい このテーマは全曲を通して形を変えながら演奏されますが、依田氏は鮮やかに弾き分けました まさに「依田真宣オン・ステージ」といった趣です この楽章ではフルート、オーボエといった木管楽器が冴えていました 第2楽章ではホルン、トロンボーン、トランペットなどの金管楽器が素晴らしい演奏を展開しました 第3楽章では冒頭、弦楽器の奏でるテーマが美しく響きました そして最後の第4楽章では、弦楽器、管楽器、打楽器、総力を挙げての色彩感溢れる演奏が展開しましたが、特にトロンボーンとチューバの迫力が半端なかった

大友 ✕ 東京フィルはアンコールにチャイコフスキーのバレエ音楽「くるみ割り人形」から第2幕の「花のワルツ」をゴージャスに演奏、満場の拍手を浴びました

東京フィルはただ人数が多いだけでなく層が厚いオケだな と感じたコンサートでした

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