人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新日本フィル 2019/2020シーズンはアフタヌーン・シリーズに決定 / 「ベートーベン」か「ベートーヴェン」か? / ジョン・カーペンター監督「遊星からの物体X」を観る

2019年05月12日 07時25分40秒 | 日記

12日(日)。わが家に来てから今日で1682日目を迎え、オーストラリアの50豪ドル紙幣(約4000円に相当)に responsibility を responsibilty  とする印刷ミスがあったが、すでに4千万枚以上が流通しているため、豪準備銀行(中央銀行)は次の印刷分から修正するとしている というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

    

     日本ではとても考えられないミスだけど  誰に responsibility があるんだろうか?

 

         

 

現在私は新日本フィルのジェイド(サントリーホール)会員ですが、過去のブログにも書いた通り、2019/2020シーズンはルビー(アフタヌーン・コンサート・シリーズ=トリフォニーホール)に変更することにしました 昨日は定期会員のコース変更手続き解禁日だったので、電話で変更手続きをしました ルビー・シリーズは金曜と土曜のコースがあるので、他のコンサートとダブらない金曜を選びました このコースを選んだ最大の理由は、各シリーズに分けて演奏するシューベルトの交響曲全8曲のうち5曲を取り上げるからです さらに言えば、他のコースと比べて会員券が格安だからです 幸い、1階左ブロック右通路側席が取れました


     

 

         

 

昨日の朝日朝刊オピニオン面のコラム「ことば サプリ」は「消えゆく『ヴ』~ 発音 バ行とほぼ区別なく」という見出しでした 記事を超訳すると

「外務省が使う国名の基準となる『在外公館名称位置給与法』の改正法が3月末に成立したことに伴い、外国名から『ヴ』が消えた。西アフリカの島国『カーボヴェルデ』は『カーボベルデ』になる   現代では『ヴァ・ヴィ・ヴ・ヴェ・ヴォ』と『バ・ビ・ブ・ベ・ボ』とを区別して発音することはほとんどない    例えば『ベートーベン』を『ベートーヴェン』と表記しても、通常は『ヴェ』の発音を1拍目の『べ』とことさらに区別しないはず。これは、日本語の『音韻』にがなく、で置き換えられるためだ 朝日新聞社は、国名に限らず基本的に『ヴ』は使わない

さて、当ブログでは「ベートーヴェン」と表記してきましたが、これからどうしましょうか 思案橋ブルースです 短時間で長考した結果、成り行きにまかせることにしました

 

         

 

昨日、早稲田松竹でジョン・カーペンター監督による1982年アメリカ映画「遊星からの物体X」(デジタル・リマスター版:109分)を観ました

南極の大雪原に一匹の犬がアメリカ観測隊基地に現われるが、犬の正体は10万年前に宇宙から飛来し、氷の下で眠っていた生命体だった 生命体は接触した生物に同化する能力をもっており、次々と観測隊員に姿を変えていく このままでは、およそ2万7000時間で地球上の全人類が同化されるということが分かり、基地は通信手段、交通手段を断って孤立する    そんな状況の中で、隊員たちは次第に相手が生命体に同化されているのではないかと疑心暗鬼に包まれていく

 

     

 

とにかく、映画「エイリアン」に出てくる生命体よりももっと生々しい、内臓が外に飛び出したようなバケモノが不気味です 閉ざされた社会の中、自分以外の者が信じられない状況下で、バケモノが人間に同化した者とホンモノの人間とを区別しながら最後まで生き残ろうとする隊員の苦悩が描かれています 若い隊員が大音量で音楽を聴いていて「音がデカ過ぎる」と文句を言われるシーンでは、スティ―ビー・ワンダーの乗りのいい音楽が流れていて、とても懐かしく聴きました 昔の映画の良いところは、その作品に収録された当時の景色や音楽を通して、当時の自分自身の生活を振り返ることが出来る点です

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上岡敏之✕新日本フィルでワーグナー「タンホイザー」~序曲とバッカナール、「トリスタンとイゾルデ」~前奏曲と愛の死他を聴く / 中国でのヤマハのピアノ

2019年05月11日 00時44分57秒 | 日記

11日(土)。昨日の朝日朝刊 経済面の短信「決算から」に「『ヤマハのピアノ』中国に響く」の見出しが躍っていました 超訳すると

「世界のピアノ需要の6割を占める中国で、ヤマハのピアノの存在感が上昇中だ 9日発表した2019年3月期のヤマハの営業利益は560億円で過去最高を更新。中でも中国でのピアノ販売はここ数年2ケタ成長を続けている 同社役員は『中国内のピアノ需要が伸びているわけではないが、ヤマハのシェアが拡大している』と話す その理由について、『中国はかつて200社ほどピアノメーカーがあったが、安かろう悪かろうの品質だった。今は情報化社会で、品質の良いものとしてヤマハのピアノが知られ、選んでもらえているのではないか』とみる

さすがは中国です。ピアノメーカーだけで200社もあったとは  です。著作権なんて知ったこっちゃない中国のことですから、YAMAHO とか YAMEHA とか いい加減なブランド名を付けてホンキートンクが得意のピアノを売っていたのでしょうね もしピアノが売れないで会社が潰れたら自業自得です

ということで、わが家に来てから今日で1681日目を迎え、北朝鮮が4日に続いて9日にも短距離ミサイルと見られる飛翔体を日本海に向けて発射した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       どうせなら持ってるミサイルをじゃんじゃん海に発射して使い切ったらいいのに

     

  昨日は娘が抜歯、私が外食だったので、夕食作りはお休みしました  

 

         

 

昨夕、サントリーホールで新日本フィルの第605回定期演奏会(ジェイド)を聴きました オール・ワーグナー・プログラムで、①歌劇「タンホイザー」より「序曲とバッカナール」(パリ版)、②楽劇「トリスタンとイゾルデ」より「前奏曲と愛の死」、③楽劇「神々の黄昏」より第1幕「ジークフリートのラインへの旅」、④同:第3幕「ジークフリートの死と葬送行進曲」、⑤舞台神聖祝典劇「パルジファル」より「第1幕  前奏曲と第3幕 フィナーレ」です 指揮は音楽監督・上岡敏之です

 

     

 

オケはいつもの並びで、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成。コンマスは豊嶋泰嗣氏です いつものように、第2ヴァイオリンの篠原英和氏と松崎千鶴さんを確認

1曲目は歌劇「タンホイザー」より「序曲とバッカナール」(パリ版)です 「タンホイザー」は、女神ヴェーヌの肉欲の世界と、領主の姪エリーザベトの純真な愛との間で揺れ動く騎士タンホイザーの物語です この歌劇はリヒャルト・ワーグナー(1813-1883)が作曲し、1845年にドレスデンで初演されて以来、何度も改訂されてきました この日演奏されるのは1861年3月にパリ・オペラ座で上演された際にフランス語に書き直された版によるもので、序曲に続けてバッカナール(元は「酒の神バッカスを讃える祭」のこと)が演奏されます

上岡氏のタクトで演奏に入りますが、ホルンがやけに上手いと思ったら読響、N響のホルン奏者を歴任し現在東京藝大准教授の日高剛氏でした この演奏で感銘を受けたのは弦楽器の美しさです コンマス豊嶋氏のソロも素晴らしかったです。菅・打楽器を含めて格調の高い演奏でした

2曲目は楽劇「トリスタンとイゾルデ」より「前奏曲と愛の死」です 楽劇「トリスタンとイゾルデ」は台本の着想(1848年)から完成(1874年)まで26年に及ぶ楽劇「ニーベルングの指環」四部作を作曲中に、一時中断して1857年から1859年にかけて作曲された作品です 毒薬の代わりに媚薬を飲んだため男女が激しく愛し合うようになってしまったという身も蓋もない物語ですが、オペラなんてみんなそんなものです

上岡氏は、これ以上遅くしたら音楽が止まってしまうだろう、という超スローテンポで前奏曲を開始します。徐々にテンポアップして落ち着きましたが、これが上岡流でしょうか この曲でも弦楽器のうねる様な演奏が強烈に印象に残りました 特に、前奏曲の終盤における低弦(チェロとコントラバス)の弱音の美しさは特筆に値します 管楽器では金子亜未のオーボエが素晴らしい演奏を展開していました


     


プログラム後半の最初は楽劇「神々の黄昏」から第1幕「ジークフリートのラインへの旅」です ワーグナーの「ニーベルングの指環」四部作は、序夜「ラインの黄金」、第1夜「ヴァルキューレ」、第2夜「ジークフリート」、第3夜「神々の黄昏」から構成されているので、最後の作品となります 上岡氏は比較的ゆったりしたテンポで開始しましたが、途中で急に高速テンポに転換したので 何が起こったのか? とビックリしました 今まで生演奏やCDで聴いてきたどの演奏よりも速い演奏でした しばらくするとテンポが落ち着きましたが、その衝撃は頭から消えませんでした これが上岡スタイルというのでしょうか? この曲でも日高剛をはじめとするホルン・セクションの演奏が冴えています また、重松希巳枝のクラリネット、井上典子のヴィオラ独奏が素晴らしい演奏を展開しました

ここで、客席でちょっとしたトラブルがありましたが、後で触れます

次いで同じ「神々の黄昏」から第3幕「ジークフリートの死と葬送行進曲」が演奏されました ここではトランペット、トロンボーンをはじめとする金管楽器が炸裂しました 弦楽器も分厚い演奏を展開しました

最後の曲は舞台神聖祝典劇「パルジファル」から「第1幕  前奏曲と第3幕 フィナーレ」です 「パルジファル」は1878年から1882年にかけて作曲された作品ですが、「舞台神聖祝典劇」とは、モンサルヴァ―トに伝わる聖杯伝説を中心にした神秘主義的宗教劇で、汚された聖地は、心の汚れのない騎士パルジファルによって救われる、というものです

この音楽は素晴らしいですね。大好きです 弦楽器と管楽器が溶け合って見事なアンサンブルを奏でます トランペット、トロンボーン、ホルンといった金管楽器が素晴らしい ニュアンスに満ちた弦楽器が素晴らしい ティンパ二が素晴らしい

この日はワーグナーの音楽にすっかり毒されました この良さが分かってくると抜けられなくなります 合言葉は「気を付けよう、甘い言葉とワーグナー」です

さて 最後に、プログラム後半の楽劇「神々の黄昏」の第1幕「ジークフリートのラインへの旅」と第3幕「ジークフリートの死と葬送行進曲」の演奏の間に起こったちょっとしたトラブルについて書きます 例のサスペンダー爺さんの蛮行です。私はこの爺さんの非常識な行動は日常茶飯事なので、余程のことがない限りブログには書いてきませんでした。しかし、昨夜はあまりにもひどかったので書かないと気が済みません

それは、コンサートの開始時に遡ります。オケのメンバーが配置に着き、大きな拍手の中コンマスの豊嶋氏が席に着こうとする時、サスペンダー爺さんがほぼ同時に最前列のど真ん中の席に着いたのです まるで爺さんが聴衆の拍手を受けてヒーロー気取りになっているような感じです これだけだったら、いつものことなので驚くに当たりませんが、その後がありました

休憩時間が終わり、ステージにはオケのメンバーが揃い、指揮者を待つだけになっている時、客席の右サイドの入口近くで爺さんが最前列の自席に行こうとするのを男性スタッフに止められています 爺さんはスタッフの指示により一旦右端の席に座ったと思ったら、また立ち上がり、もっと前方の席に勝手に移動したのです そこでスタッフがまた止めてその席に座るよう促したので、第1幕「ジークフリートのラインへの旅」はそこで聴くことになりました

その席で最後まで聴いていれば何の問題もありませんでした ところが、その曲が終わり、一旦上岡氏が舞台袖に引き上げると、爺さんは再び立ち上がりスタスタと歩き出したので、またスタッフに止められました 上岡氏が再び登場するのですから、止めるのは当然でしょう。しかし、爺さんはスタッフの手を振り切って勝手にスタスタと歩き出し、最前列の通路を横切って真ん中の自分の席に堂々と座ったのです

この爺さんの態度は、交通整理のお巡りさんから、「今そっちに行ってはいけません」と注意されたのに、それを無視して勝手に行動する「暴走老人」と言われても仕方ないでしょう 本人にその自覚がないのが残念です

以前は爺さんの左右の席には誰かが座っていてお互いに話をしていましたが、昨日は両隣りは空席になっていました あの爺さんの隣席に座るのは同類と見られるようで嫌なのでしょうね こうして一人、二人と定期会員が減っていくのです 新日本フィルも、他のオケも 自己顕示欲旺盛で自己中心主義の爺さんを「出入り禁止」にするなど本気で考えないと 会員が減る一方だと思います

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藝大モーニングコンサートでクーセヴィツキ-「コントラバス協奏曲」(Kb:皆川直輝)、ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」(Pf:青島周平)を聴く

2019年05月10日 07時19分21秒 | 日記

10日(金)。昨日午後、当ブログの読者Nさんと池袋のNで生ビールを飲んで歓談しました 実は6月2日の「クス・クァルテット」と「バッハ・コレギウム・ジャパン」のコンサートが重なってしまったので、お会いしてB.C.Jのチケットをお譲りすることにしたのです Nさんとお会いするのは、たしか2年ほど前に「タリス・スコラーズ」のチケットを譲っていただいた時以来なので、ほぼ2年ぶりです

Nさんも「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭」を2公演聴きに行かれたとのことで、その話や、この日 私が聴いてきた東京藝大の「モーニング・コンサート」の感想などについてお話しました 「ラ・フォル・ジュルネ」について 私が「現在のラ・フォル・ジュルネの標準的な演奏時間は1公演45分で、入場料はS席3000円となっている 一見安そうに見えるが、在京オケの定期演奏会などは1公演約2時間(休憩20分を除くと正味100分)でS席は6000円から8000円くらいだ。それを考えると45分で3000円は決して安くない」と指摘すると、Nさんは「数字のマジックみたいで、幻惑されますね」と話されていました。また、藝大のモーニング・コンサートについて私が「今の若い人はテクニックは素晴らしいのだが、他の演奏者との差別化を図るためにはどう個性を発揮すれば良いのか、と疑問に思うことがある」と言うと、Nさんは「最近、日本人が世界のバレエ・コンクールで入賞するケースが増えているけれど、入賞はするが、その後が伸びないという話を聞く」と話されていました。この辺に日本人共通の問題点があるような気がしますが、どうでしょう

Nさんから「最近、あのおじさんはどうですか?」と訊かれたので、サスペンダー爺さんについて「どのコンサートに行っても、相変わらずオケのメンバーが入場するくらいのタイミングで堂々と会場入りして一番前のど真ん中の席に着いている 目障りなことこの上ない 先日、ネットである人のブログを見たら、『演奏が始まってから堂々と入場して前方の席に着いていた。ここまでくると呆れてものが言えない』と書かれていた それにしても不思議なのは、あの爺さんはいつでもどこでも、一番前のど真ん中の席を確保していることだ 知り合いに有力なコネがあるのか、昔から複数のオケの前方席の定期会員になっていて同じ席を継続しているのか、そのどちらかしか考えられない」と答えました

約1時間という短い時間でしたが、久しぶりにお会いして楽しい会話ができました 帰りがけにお土産のお菓子までいただいてしまいました お互い新年度の読響アンサンブルの会員であることが分かったので、休憩時間にでもお話ししましょうということでお別れしました Nさん、ありがとうございました


     

 

ということで、わが家に来てから今日で1680日目を迎え、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は7日、トランプ大統領が実業家時代の1985~94年の10年間で、不動産ビジネスによって計11億7千万ドル(約1300億円)の巨額損失を出し 損失が続いたため、10年間のうち8年分の所得税を収めなくとも済んでいたと報じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      トランプが納税申告書の公開を拒む理由がはっきりしたね  経営者失格だったんだ

 

         

 

昨日、夕食に「豚バラ麻婆茄子」「モヤシ豚汁」「冷奴」を作りました 「冷奴」の季節になりましたね。ミョウガと削り節を載せました

 

     

 

         

 

昨日、上野の東京藝大奏楽堂で「第1回  藝大モーニングコンサート」を聴きました プログラムと出演者は①クーセヴィツキ-「コントラバス協奏曲」(Kb:皆川直輝)、②ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」(Pf:青島周平)で、管弦楽=藝大フィルハーモニア管弦楽団、指揮=高関健です

 

     

 

全席自由です。1階12列12番、左ブロック右通路側を押さえました

1曲目はクーセヴィツキ-「コントラバス協奏曲」です この曲は1874年ロシア生まれのセルゲイ・クーセヴィツキ-が28歳の時に作曲した作品で、3つの楽章から成りま

クーセヴィツキ-はもともとコントラバス奏者で、1894年に20歳でボリショイ劇場管弦楽団のコントラバス奏者となり、1901年には首席奏者となっています その後指揮者に転身し、1924年から約25年間、ボストン交響楽団の指揮者として活躍し、同楽団を世界のトップレヴェルまで引き上げました その間、ストラヴィンスキーの「管弦楽のための協奏曲」を初演(1921年)したり、モーリス・ラヴェルにムソルグスキー「展覧会の絵」の管弦楽曲への編曲を依頼し、自ら初演したりしています

オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります。コンミスは澤亜樹さん(東京藝大・澤学長のお嬢さん)です

コントラバス独奏の藝大4年生・皆川直輝君が高関健氏とともに登場、ステージ中央でスタンバイします 高関氏の指揮で第1楽章が開始され、ホルンの力強い動機の演奏に続いてコントラバスのカデンツァが演奏されます この演奏を聴いて 真っ先に思ったのは、音程がしっかりと取られているということでした    コントラバスはプロの奏者でも時に音程が不安定になるケースがありますが、その点、皆川君は最後まできちんと正しい音程を保っていました また、コントラバスはチェロほど軽快かつ悠然と演奏することが出来ないので、演奏が難しいと思うのですが、皆川君は第2楽章の緩徐楽章を中心に流れの良い演奏を繰り広げていました

この曲は、皆川君が「大学1年生の頃から勉強してきた作品で大変想い入れのある曲」だということですが、これからも重要なレパートリーとして演奏に取り組んでほしいと思います


     


プログラム後半はラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番ニ短調作品30」です この曲はセルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)がアメリカ、カナダ演奏旅行中の1909年に作曲し、同年ニューヨークでラフマニノフ自身のピアノ独奏により初演されました 彼はこの曲を「アメリカのために作曲した」と語っています。第1楽章「アレグロ・マ・ノン・タント」、第2楽章「インテルメッツォ:アダージョ」、第3楽章「フィナーレ:アラ・ブレ―ヴ」の3楽章から成ります

ピアノ独奏の藝大4年生・青島周平君が高関氏とともに登場、ピアノに向かいます 高関氏の指揮で演奏に入りますが、最初から最後まで超絶技巧曲をいとも簡単に(見えるように)弾き切ります 演奏テクニックはかなりのレヴェルだと思います それだけに、他の演奏者との差別化を図るためにはどう個性を発揮すれば良いのだろうか、と他人事ながら心配になってきます このことは、なにも青島君に限ったことではなく、すべてのモーニング・コンサート出場者について言えることで


     

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樹木希林、黒木華、多部未華子共演「日日是好日」、山崎努、樹木希林共演「モリのいる場所」を観る~ギンレイホール

2019年05月09日 07時22分10秒 | 日記

9日(木)。わが家に来てから今日で1679日目を迎え、米調査会社ギャラップが4月17~30日に実施した世論調査で、トランプ大統領の支持率が46%と同調査で最高となった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      モラー報告書の曲解の影響もあるんだろうけど アメリカ国民には失望するなあ

     

         

 

昨日、夕食に「鶏のソテー」と「インゲンの胡麻和え」を作りました 「鶏~」を食べた娘のひと言「皮パリパリ中ジューシーだ」。鶏肉は塩コショウだけの味付けで 片面しか焼いていません。シンプル・イズ・ベストな料理です

 

     

 

         

 

昨日、神楽坂のギンレイホールで「モリのいる場所」と「日日是好日」の2本立てを観ました 「モリのいる場所」は昨年11月8日に池袋の新文芸坐で観て 翌9日のブログに感想を書いたので、今回はパスして2本目の「日日是好日」から観ようと思ったのですが、混雑を予想して1本目の「モリのいる場所」から観ました この判断は結果として正解で、すぐに満席になり、立ち見まで出ていました 10連休も終わり 平日なのにみんな暇なんですね。って「日日是休日」のオレもか

というわけで、ここでは初めて観た「日日是好日」を中心に書きます

「日日是好日(にちにちこれこうじつ)」は大森立嗣監督・脚本による2018年製作映画(100分)です

 「本当にやりたいこと」を見つけられず大学生活を送っていた20歳の典子(黒木華)は、タダモノではないと噂の「武田のおばさん」(樹木希林)が茶道教室の先生であることを聞かされる。母からお茶を習うことを勧められた典子は気のない返事をしていたが、お茶を習うことに乗り気になった いとこの美智子(多部未華子)に誘われるがまま、流されるように茶道教室に通い出す   見たことも聞いたこともない「決まり事」だらけのお茶の世界に触れた典子は、それから20数年にわたり武田先生のもとに通うことになり、就職、失恋、大切な人の死などを経験し、お茶や人生における大事なことに気が付いていく

 

     

 

この映画は、エッセイストの森下典子が約25年通った茶道教室での日々を綴った「日日是好日『お茶』が教えてくれた15のしあわせ」をもとに、大森立嗣監督が映画化したものです

「日日是好日」とは、ただ単に「毎日が好い日」という意味ではなく、お茶の世界に即して言えば「雨の日は雨を聞く。雪の日は雪を見て、夏には夏の暑さを、冬には身の切れるような寒さを、五感を使って全身でその瞬間を味わうこと」です

私はお茶はお茶でも番茶しか嗜みませんが(皆さん、狭山茶を飲みましょう!)、武田先生は二人に「お茶はまず『形』から。先に『形』を作っておいて、後から『心』が入るものなの」と茶道の心得を伝授します 「頭で考えていてはだめ。お茶は回数なの。何度も同じことを繰り返していくうちに手が自然に動くものなの」とも教えます。茶道の作法について「なぜそうしなければならないのですか?」と問われると、「世の中には『すぐ分かるもの』と『すぐ分からないもの』の2種類があります。すぐ分からないものは、長い時間をかけて、少しずつ気づいて、分かってくるのよ」と諭します

これについては、典子が美智子に「私、小さい時に『道』っていう映画を観たんだけど、さっぱり意味が分からなくて ちっとも面白くなかった。でも大人になってから観て その良さが分かるようになったの」というシーンがあります。『道』とは 言うまでもなくイタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニが監督したネオリアリズム映画の代表作(1954年)です    ニーノ・ロータの音楽が悲しく響く映画です

大森監督が なぜフェリーニの「道」を持ち出したのか、と つらつら考えるに、「茶道」「華道」の「道」に着目したのではないか、と閃いたのですが、どうでしょうか

この映画では、茶道の様々な作法が武田先生と二人の生徒との間で繰り広げられますが、お茶の世界をまったく知らないド素人の私には新鮮で、茶道ってこんなに細かな決め事があるのか、と感心しきりでした

武田先生を演じた樹木希林さんは、この映画の撮影時は癌が全身に転移していて相当厳しい状態下に置かれていましたが、映画からはそんな気配はまったく感じらず、堂々たる茶道のお師匠さまを演じていました さすがはプロ中のプロだと思います 希林さんは本作公開前の2018年9月に他界しています こういう人こそ、「惜しい人を亡くした」と言うべきでしょう

帰宅してから、元勤務先のU元専務あてLINEで この映画を観たことを報告しました   というのは、Uさんの奥様が茶道の先生をなさっていて、Uさんも茶道の心得があるからです 半分予想したとおり、返信にはすでに奥様と観に行かれ、稽古風景が良く撮れていた旨が書かれており、そして 最後に「次は『翔んで埼玉』を観てください」と書かれていました 私からは「やっぱり  そうきましたか!」と返信しておきました

 

         

 

「モリのいる場所」は沖田修一監督・脚本による2017年製作映画(99分)です

 

     

 

この映画は画家・熊谷守一(山崎努)と妻・秀子(樹木希林)の昭和49年夏のある1日を描いた作品ですが、2度目に観てもすごく面白かったです 前回観た時のブログには書かなかったのですが、当時のテレビ番組の人気者はドリフターズとジュリーでした 茶の間で妻・秀子がくしゃみをすると、上から大きなタライが3つも落ちてきて、そこに座っていた常連の来客者たちの頭を直撃して目を回すシーンでは、思わず声をあげて笑ってしまいました 「ドリフの全員集合!」の世界です

山崎努と樹木希林、名優同士の共演はじわっと深い感動を与えてくれます

「モリのいる場所」と「日日是好日」の2本立てはギンレイホールで5月17日(金)まで上映中 平日でも混雑が予想されますので、早めにホールに行って10:10上映の部から鑑賞することをお勧めします

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「お茶をどうぞ 向田邦子対談集」を読む ~ 文章の達人 向田邦子は黒柳徹子、森繁久彌、和田勉、久世光彦らを相手にどんな話術で迫っているか

2019年05月08日 07時21分57秒 | 日記

8日(水)。わが家に来てから今日で1678日目を迎え、トランプ米大統領が5日、中国からの2千億ドル分の輸入品に対する10%の関税について、10日から25%に引き上げるとツイッターで表明したが、中国外務省の報道局長は6日の定例記者会見で「似た状況は過去何度もあった。米中が共に努力し、ウィンウィンの合意に至ることを望む」と述べた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     大国同士でウィンウィンの合意とか言ってんじゃないよ 小国の立場はどうなるだ

 

         

 

昨日、夕食いに「豚もやし炒めのおろしポン酢かけ」を作りました 安価な食材で作る料理ですが、栄養満点です

 

     

 

         

 

「お茶をどうぞ  向田邦子対談集」(河出文庫)を読み終わりました 向田邦子さんは1929年生まれ。実践女子専門学校国語科卒。映画雑誌編集記者を経て放送作家となりラジオ・テレビで活躍しました 代表作に「だいこんの花」「七人の孫」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」等があります。1980年には初めての短編小説「花の名前」「かわうそ」「犬小屋」で第83回直木賞を受賞しています 著書に「父の詫び状」「眠る杯」「思い出トランプ」「あ・うん」等があります。1981年8月飛行機事故で急逝しました

 

     

 

この本は2016年に河出書房新社から単行本として刊行されたものを2019年1月に文庫化したものです

私が向田邦子さんの作品を読むようになったのは、娘が向田さんが通っていた実践女子の高校を受験することになり、どういう”先輩”だろうと興味を持ったのがキッカケでした  「眠る杯」「思い出トランプ」などのエッセイから読み始めましたが、すっかり彼女の文章の虜になり、エッセイや小説を片っ端から読み尽くしました 向田さんの文章の大きな特徴の一つは歯切れがあり簡潔明瞭で男っぽいというところです 基本的に「である」調で書かれ、一つのセンテンスが短く、テンポ感が良い文章です

さて、文章の達人 向田さんはどのような対談をするのでしょう。興味津々です

この本は、対談相手・内容から①テレビと小説、②おしゃれと食いしん坊、③男の品定めーの3つの章に分けられています 向田さんが「だいこんの花」「七人の孫」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」などテレビ番組のシナリオ・ライターとして名を馳せていたことから、①テレビと小説が一番多く取り上げられています

対談の相手は「テレビ界のレジェンド」黒柳徹子、「テレビからミュージカルへ」の森繁久彌、「寺内貫太郎」のタイトルロール  小林亜星、「勝手にしやがれ」の作詞家・阿久悠、「ベルサイユのばら」の池田理代子、「おしん」の橋田壽賀子など錚々たる面々です

黒柳徹子さんとの対談では次のようなやり取りがあります

黒柳:受賞作のほかのも読ませていただいたんですけど、台詞のひとつひとつ、向田さんの独特の感受性というか、感性がとても女らしくて読むほうは楽しみなの

向田:そうですか。私ね、人間が女らしいってあまり言われないの ついでに文章も女らしくないっていう方もいるのよ。私の文章はポキポキしてて短いって。女の文章はセンテンスが長いと思いこんでいる方がいらっしゃるのね。あれはテレビ台本のト書きからきているんです

黒柳:ト書きって、例えば(黒柳、ドアを開けて表へ出る)っていう・・あれね

向田:それそれ 短く書く必要があるのね

黒柳:テレビ台本って何本お書きになった?

向田:一口に千本って言ってますけど・・・

黒柳:わあ、大変な量ね その上、ラジオの台本があるんでしょう?

向田:ラジオはもう、大変な量ですよ

黒柳:1万本以上?

向田:もっと書いていますね

彼女の文章の特徴の一つ「短い文章」は台本のト書きからきていたのですね

森繁久彌氏との対談は最初から翔んでます

森繁:向田さん、おいくつになるんですか?

向田:このお正月で51ですよ。私、若い時には自分が50になるという実感はなかったですね。今もないですけれども

森繁:50の人を見ると、すごいおばさんに見えたでしょう。

向田:見えました。私、20代の時に、男も女も年をとったら八丈島に埋めちゃえなんて、酔っ払って言ったことあるんですよね。あんなこと言うもんじゃないですね

森繁:言うもんじゃないですよ

向田:反省してます。若い時というのは、どうして歳とった人にいたわりがないのでしょうか・・・・イメージの不足なんでしょう

森繁:そして若い者の天下みたいなこと言ってるけどね、いつの間にか親と同じになっちゃうのね、考え方も大体 うちの倅なんか 第1反抗期、第2反抗期があって、どうなるかと思っていたら、今は僕と同じようなこと言ってますよ、自分の倅、つまり僕の孫に

「八丈島に埋めちゃえ」って、社会保障費が増大する一方の日本の中で、かなり乱暴なご提言だと思いますが、どうして八丈島なんでしょうね

同じ森繁氏との対談で「女性の第2の人生」について語り合っています

森繁:女の人も、50近くなって 第2の人生に入ったら、少女時代に出来なかったことでも何でもやってみるべきだ   うちの婆さんなんか、少女時代からシュバイツァーに会いたいとか夢があったもんだから、一人で世界中を飛び回ってますし、40過ぎて考古学をやったりしてね

向田:たしかに、やらなければならないことが多いと怒っている暇が惜しいですね    私も47歳になって文章を書き始めて、まあ大変に遅いですけれども、遅く始めるというのは割にいいことですね でも、遅く始めるなら、それまでを割とイキイキと油断しないで暮らさないと、50になってから始められないということはありますね

森繁:簡単に言えば、自己を発見していかなきゃならないと思うんですよ

向田:将来、いつかのために何かをやるというい感じはあってもいいでしょうね

一度しかない人生です。お二人が語っているように、50歳未満の女性はとくに 第2の人生に向けて準備をしておくべきでしょう

脚本家ジェームス三木氏との対談では「原稿を仕上げる速さ」について語っています

三木:向田さんは、聞いた話なんですが、「ラジオ喫茶室」やってらした頃ですか、原稿を届ける時に、原稿持たないで出て、電車の中で3本ぐらい書いたと・・・

向田:三本は書かないですけど(笑)。それに近いことはありました

三木:向田さんは「速い」といわれる説と、「遅い」といわれる説がありますが・・・・

向田:それは両方当たっているんですね。書き始めると遅くはないと思うんですけど、とっかかりが非常に遅いものですから、結果的には非常に遅くなるということなんですね

三木:外から見ると遅く見えるけれども、実際の作業は・・・

向田:やってる時間は短いんです

要するの向田さんは集中力が並外れているということなのでしょう

NHKの「阿修羅の如く」のプロデューサー和田勉、「時間ですよ」のプロデューサー久世光彦 両氏と向田さんとの「ことば」を巡る鼎談は抱腹絶倒です

和田:ことばの話になるけど、テレビには無声映画のような歴史がないわけで、はじめっからトーキーだった。で、役者は画面に出てしまえば、何かしゃべらなくちゃならない

久世:そこには言葉の面白さもあるけど、空おそろしいこともあるね 「青春の蹉跌」という映画に出た役者が、今でもその映画を「青春の挫折」と言ってる

向田:「故郷に綿を飾る」と言った人もいたようですね

和田:銭湯を「ゼニユ」と読んだりね これは相当名のある役者なんだけど、台本に「今夜はむしむしと蒸すなあ」と書いてあるのを、「今夜はむしむしとフカすなあ」と読んでしまった ま、感じは分かるんだけど

向田:和田さんだって大きなこと言えないわよ。ワカサギをずっと鳥だと思っていたんでしょう

久世:えっ、ホントですか?

和田:ワカサギは「足が早い」なんて向田さんが言うからさ

向田:「足が早い」ってのは、浜辺をチョコチョコ走ることじゃないのよ 「くさるのが早い」ってことなの

和田:それ知らなかった それ江戸の言葉でしょう

久世さんが指摘していた「青春の挫折」は、まさかその映画の主人公を演じたショーケン(萩原健一)のことじゃないでしょうね あっ、ご愁傷様でした

このように紹介していくとキリがありません。とにかく面白いこと限りない対談集です。お薦めします

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「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭」プレイバック / 恩田陸著「蜜蜂と遠雷(上・下)」、柚月裕子「慈雨」、伊坂幸太郎「サブマリン」、向田邦子「お茶をどうぞ 向田邦子対談集」を買う

2019年05月07日 07時19分40秒 | 日記

7日(火)。わが家に来てから今日で1677日目を迎え、集英社と講談社が漫画雑誌の連載作品をネットで無料配信するサービス「少年ジャンマガ学園」が始まったが、ライバル誌同士がタッグを組んだ背景には、漫画雑誌が若い世代を十分に取り込めていないという状況がある というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                 熱心に漫画を読んでいるのは麻生副総理くらいなものだから 若者は読まないかも

 

  昨日は休日のため夕食作りはお休みしました。なお、連休中の5日間は帰省中の息子が毎日夕食を作ってくれたので、安心してコンサート通いが出来ました 「牛筋煮込み料理」に至っては6時間以上煮込んでいました。わが家の強みは全員 料理が出来ることです  

 

 

          

 

「ラフォル・ジュルネTOKYO2019」では開催期間中、建物内の通路で、日本でこの音楽祭が開始された2005年以降のポスターを展示していました 私は2005年当時、この音楽祭が始まったことを知らなかったので、第1回目の「ベートーヴェン」は聴き逃しましたが、第2回「モーツアルト」から毎年聴き続けてきました

最初の数年は、各会場のプログラム編成にいい加減なところがあり、45分で終わるはずが60分もかかったり、アンコールが長引いたりして、次のコンサート会場まで走って行かなければならないことも少なくありませんでした 最近はそうしたことも改善されたように思います また、会場(有料)は東京国際フォーラムが中心であることは同じですが、年にとっては有楽町よみうりホールが追加されたり、昨年は池袋の東京芸術劇場が追加されたりしました 会場間の移動時間と交通費発生の問題などがあったのでしょう。今年は東京国際フォーラムに限定されて開催されました

また、ポスターを見てあらためて思い出したのですが、東京国際フォーラムでの有料公演は、当初のうちは5月の3連休だけでなく、もっと長く開催していたのですね 2006年は4日間、2007年と2008年は5日間で、3日間に定着したのは2009年の第5回からのようです

私がLfj音楽祭に通った2006年から2019年までの14年間には、いろいろなことがありました 人生の大きな局面にラ・フォル・ジュルネ音楽祭がありました

 

     

 

     

 

     

 

     

 

     

 

     

 

     

 

     

 

     

 

     

 

     

 

     

 

     

 

     

 

     

 

         

 

以前買った本がまだ読み終わっていないのに本を5冊買いました おれは病気か 1冊目と2冊目は恩田陸著「蜜蜂と遠雷(上・下)」(幻冬舎文庫)です 2016年9月に発刊された時は大きな話題を呼び、直木賞と本屋大賞を史上初W受賞した、国際ピアノコンクールの舞台裏を描いた長編小説です

 

     

 

     

 

3冊目は柚月裕子著「慈雨」(集英社文庫)です 柚月裕子の本は当ブログで何冊かご紹介してきましたが、私はこの作家を買っています

 

     

 

4冊目は伊坂幸太郎著「サブマリン」(講談社文庫)です 伊坂幸太郎の本も文庫化されるたびにご紹介してきましたが、エンタメ小説のトップ・ランナーです

 

     

 

3冊目は向田邦子「お茶をどうぞ 向田邦子対談集」(向出文庫)です 文章の達人・向田邦子さんはどんな対談をしていたのでしょうか? 楽しみです

 

     

 

いずれも、読み終わり次第、当ブログでご紹介していきます

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「ラ・フォル・ジュルネTOKYO2019」第3日目②伊福部昭「二十絃箏とオケのための交響的エグログ」、ラヴェル「Vnソナタ」、モーツアルト「後宮よりの誘拐」を聴く

2019年05月06日 13時41分45秒 | 日記

6日(月・休)その2.よい子は「その1」も見てね モコタロはそちらに出演しています

 

         

 

昨日、東京国際フォーラムで「ラ・フォル・ジュルネTOKYO2019」第3日目の公演のうち公演番号344、335、326を聴きました

 

     

 

午後3時半からホールCで公演番号344「日本の抒情、田園詩」を聴きました プログラムは①伊福部昭「二十絃箏とオーケストラのための交響的エグログ」、②同「日本組曲」から「盆踊」「演伶(ながし)」「佞武多(ねぶた)」です 演奏は井上道義指揮新日本フィルです

自席は1階16列26番、センターブロック右から2つ目です

1曲目は伊福部昭「二十絃箏とオーケストラのための交響的エグログ」です この曲は「ゴジラ」のテーマ音楽で有名な伊福部昭(1914-2006)が、1969年に二十絃箏(従来は十三絃)が開発されたのを受けて作曲したもので、単一楽章の箏協奏曲です

ステージ中央には二十絃箏が置台の上に設置されており、オケが左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという態勢で並んでいます コンマスはチェ・ムンス氏。第2ヴァイオリンの篠原英和氏と松崎千鶴さんを確認

11歳から筝曲を始め、東京音大の邦楽演奏コースを修了し、現在 複数の音楽大学で箏を教えている滝田美智子さんが黒の和服で登場します 典型的な和服美人です 滝田さんは椅子に座って箏をつま弾きます

井上道義氏の合図で演奏に入りますが、和服で演奏するこの曲は、さながら「和風ハープ協奏曲」のようです 滝田さんは時に立ち上がって演奏します。この曲は箏の独奏部分(カデンツァですね)がかなり多いのですが、そのテクニックは鮮やかです

カーテンコールに呼ばれた滝田さんは控えめで、舞台袖で一礼して引っ込もうとしたので、井上氏が中央に促しました 満場の拍手が滝田さんに送られました。全体を通して、令和の時代に昭和を感じる演奏でした

2曲目は伊福部昭「日本組曲」から「第1曲:盆踊」「第3曲:演伶(ながし)」「第4曲:佞武多(ねぶた)」です この曲は伊福部昭が1934年に書いた「ピアノ組曲」をもとに、1991年にオーケストラ用に編曲し、同年9月に井上道義指揮新日本フィルにより初演されました

井上氏は両手を挙げて踊る仕草のまま振り向いて「第1曲:盆踊」の演奏に入りました こういうスタイルをミッキー流といいます 打楽器が中心となって賑やかなリズム中心の舞踏音楽が展開しますが、ピーヒャラピーヒャラと吹かれる笛はほとんど「踊るポンポコリン」です 別名「お祭り騒ぎ」とも言います 井上氏はクラシック・バレエをやっていたので、身体の動きが柔軟です 「第3曲:演伶(ながし)」に入ると、弦楽器が抒情的なメロディーを奏で、日本の田園風景を想起させます 「第4曲:佞武多(ねぶた)」に入ると、再び打楽器が中心となり同じメロディーが繰り返されるオスティナートが大音響で演奏されます 中間部ではちょっと寂し気なメロディーが顔を出しますが、この「佞武多(ねぶた)」は、伊福部が弘前のねぷたの印象を基に作曲したということに関係がありそうです 「青森」のねぶたは立体的な工作物の周りで「ラッセラーラッセラー」と終始威勢よく踊られるのが特徴ですが、弘前のねぷたは、扇の形をした工作物の表面には戦いに臨む勇ましい男の絵が描かれ、裏面には男を戦場に送り出す女性の後姿の絵が描かれているのです 寂し気なメロディーは送る側の女性の気持ちを表していると解釈しました

さて「第4曲:佞武多(ねぶた)」は大団円のお祭り騒ぎの中、終曲を迎えます カーテンコールに現れた井上ミッキーは、空手の突きのような仕草で 三三七拍子のような手拍子を聴衆に求め、多くの人たちによる最後の一音が空手のひと突きで「パン」と決まると 満面の笑みを浮かべていました 聴衆を巻き込むパフォーマンスにおいては他の追随を許さない天下の演歌テナー、もとい、エンターティナーです

 

     

 

次いで、午後5時30分からホールB5で公演番号335「ヴァイオリン・ソナタ集」を聴きました プログラムは①イザイ「マズルカ第1番」、②ラヴェル「ヴァイオリン・ソナタ」、③エネスク「ヴァイオリン・ソナタ第3番」です 演奏はヴァイオリン=ニキータ・ボリソグレブスキー、ピアノ=ゲオルギー・チャイゼです

ヴァイオリンのニキータ・ボリソグレブスキーは1985年ロシア生まれで、2007年のチャイコフスキー国際コンクール第2位に入賞しています ピアノのゲオルギー・チャイゼは1988年サンクトペテルブルク生まれで、2009年にカナダのホーネンス国際コンクールで第1位を獲得しています

自席は4列57番、ピアノに向かって右側のサイドビュー席です。利点は演奏者の出入口に近いということです

1曲目はイザイ(1858-1931)の「マズルカ第1番」です 聴いていて、かなり技巧的な曲だと思いました 演奏中、気になったのは、ゴーゴー、あるいはゴロゴロという騒音が散発的に聴こえてきたことです 会議室の椅子をかたずけているような音です。あるいは遠雷だったのでしょうか

2曲目はラヴェル「ヴァイオリン・ソナタ」です この曲はモーリス・ラヴェル(1875-1937)が1927年に作曲しパリでラヴェル自身のピアノ伴奏により初演されました 第1楽章「アレグレット」、第2楽章「ブルース:モデラート」、第3楽章「パーペチューム・モビル:アレグロ」の3楽章から成ります

この日の曲目の中で唯一知っている曲だったので、楽しめました やはり第2楽章の「ブルース」がいかにもラヴェルらしいジャジーな曲想で、親しみを感じました

最後の曲はエネスク「ヴァイオリン・ソナタ第3番イ短調」です この曲はエネスコ(1881-1955)が1926年に作曲した作品で、「ルーマニアの民俗風に」というサブ・タイトルが付いています 第1楽章「モデラート・マリンコ二コ」、第2楽章「アンダンテ・ソステヌート・エ・ミステリオーソ」、第3楽章「アレグロ・コン・ブリオ、マ・ノン・トロッポ・モッソ」の3楽章から成ります

二人の演奏で第1楽章に入ります 超絶技巧のうねる様な曲想ですが、刻々と変わる音色の変化が楽しめます 圧巻だったのは第3楽章です。パワフルな演奏で、まるで作曲者の魂が乗り移ったような迫真の演奏でした 中間部でサン=サーンスの「エジプト風」のようなメロディーが聴こえてきて、おやっと思いました 全体的に相当の難曲だと思いますが、二人は息の合った演奏で楽しませてくれました


     

 

今年最後に聴くのは、午後7時からホールB7で開かれた公演番号326「モーツアルト:オペラ『後宮からの誘拐』」です これは1997年創設の英国の室内オペラ・カンパニー「ディーヴァ・オペラ」による上演で、ピアノ伴奏、原語上演、字幕なしが特徴です 出演はベルモンテ(スペインの貴族)=アシュリー・カトリング、オスミン(太守の監督官)=マシュー・ハーグリーヴズ、ペドリッロ(ベルモンテの召使)=リチャード・ダウリング、太守セリム=デイヴィッド・ステファンソン、コンスタンツェ(ベルモンテの婚約者)=ガブリエラ・キャシディ、ブロンデ(コンスタンツェの召使:英国人)=バーバラ・コール・ウォルトン。音楽監督・ピアノ演奏=ブライアン・エヴァンスです

ステージ上にはセンター後方にピアノが、その前のスペースに長椅子が、左右のスペースに人の背の高さほどの植木が2つずつ置かれているだけのシンプルな舞台設定です

最初に音楽監督ブライアン・エヴァンスが登場しピアノ独奏により「序曲」が軽快に演奏されます   そして、ベルモンテ、オスミン、ペドリッロ、セリム、コンスタンツェと相次いで登場しアリアを歌いますが、彼らの衣装は本格的なオペラ仕様で、天皇家御用達のような立派なものです

歌手陣は後に出てくるブロンデ役歌手を含めて充実していますが、一番声が出ていて歌唱力が抜群だったのはコンスタンツェを歌ったソプラノのガブリエラ・キャシディです 次いでオスミンを歌ったバスのマシュー・ハーグリーヴズです。彼は演技力も抜群でした ブロンデを歌ったバーバラ・コール・ウォルトンはチャーミングで、役柄がピッタリでした 彼女は「フィガロの結婚」ならスザンナを歌うタイプのソプラノです

面白かったのは、第1幕が終わり 舞台が暗転すると、何と 今まで歌っていた歌手たちが植木や長椅子やらを持って配置換えをしていたことです つまり、このオペラ・カンパニーは歌手以外の余計な人がいない、良く言えば「少数精鋭」の限られた人たちによって運営されているのです 別の言葉に置き換えれば、一人で何でもやらなければならない「家内制手工業的な零細企業」のようなものです しかし、そういう組織でも、高い技術力が世界から認められ、海外に商品を輸出している企業もあります このオペラ・カンパニーは、オペラ界におけるそうした企業のようなものではないか、と思います 

15分の途中休憩を含めて2時間の上演でしたが、「シンプル・イズ・ベスト」といった楽しいオペラ公演でした

 

     

 

帰りがけに、今回の音楽祭の記念にLfjオフィシャルCDを購入しました 毎年買っています これで私の「ラ・フォル・ジュルネTOKYO2019」も終わりです 来年も無事に生きていれば5月3、4、5日は東京国際フォーラムに通います

 

     

 

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「ラ・フォル・ジュルネTOKYO2019」第3日目①モーツアルト「FlとHp協奏曲」、ショーソン「Vn、Pfと弦楽四重奏のためのコンセール」、ドヴォルザーク「新世界より」を聴く

2019年05月06日 10時24分26秒 | 日記

6日(月・休)その1.わが家に来てから今日で1676日目を迎え、トランプ米政権と朝鮮半島の非核化をめぐる協議を進めてきた北朝鮮が4日、日本海に向けて「飛翔体」を相次いで発射した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     世界中で「また北がやった」と騒ぐから調子に乗るんだ 一切 無視したらどうなの

     

         

 

昨日、東京国際フォーラムで「ラ・フォル・ジュルネTOKYO2019」の第3日目(最終日)の公演を6つ聴きました 聴いたのは公演番号341(ホールC)、352(ホールD7)、343、344(以上ホールC)、335(ホールB5)、326(ホールB7)です ここでは前半の公演番号341、352、343について書きます

 

     

 

最初に午前10時からホールCで公演番号341「パリの生彩~時を超える2大協奏曲」を聴きました プログラムは①モーツアルト「フルートとハープのための協奏曲ハ長調K.299」、②ロドリーゴ「アランフェス協奏曲」です 演奏は①のフルート独奏=フィリップ・ベルノルド、ハープ独奏=吉野直子、②のギター独奏=エマニュエル・ロスフェルダー、フアド・イブラヒモフ指揮シンフォニア・ヴァルソヴィアです

自席は1階23列16番、左ブロック右通路側です

1曲目はモーツアルト「フルートとハープのための協奏曲ハ長調K.299」です この曲はモーツアルト(1756‐1791)が22歳の時に家庭教師を勤めていた貴族の令嬢の結婚祝いに送った作品です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンティーノ」、第3楽章「ロンド:アレグロ」の3楽章から成ります

フランス国立リヨン響の首席フルート奏者フィリップ・ベルノルドと、日本におけるハープ演奏の第一人者・吉野直子が指揮者フアド・イブラヒモフとともに登場、さっそく第1楽章に入ります

ブルーの爽やかな衣装の吉野さんは、その演奏スタイルのように優雅そのものです また、フルートの明るく優美な旋律を聴いていると、モーツアルトはフルートが嫌いだったという逸話が信じられません たぶん、よく言われているように 当時のフルートの音程が不安定だったとかいう事情もあるのでしょうが、私はフルート協奏曲やフルート四重奏曲などの作品を含めて考えると、本当のところ フルートは嫌いではなかったのではないかと思っています

これほど結婚式に相応しいBGMはありません 私は数年前に結婚した 職場のK君の結婚披露パーティーのBGMを依頼された際、二人の入場時のBGMにこの曲を選びました 懐かしい思い出です

2曲目は ロドリーゴ「アランフェス協奏曲」です この曲はロドリーゴ(1901-1999)が1939年にスペインからパリに来ていた時に書いたギター協奏曲です 第1楽章「アレグロ・コン・スピリト」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグロ・ジェンティル」の3楽章なら成ります

独奏者エマニュエル・ロスフェルダーが白いギターを抱えて登場します この曲は音が小さいギターのための協奏曲なので、オーケストラの演奏部分が極めて控えめに書かれています そのため何となく物足りなさを感じるのが正直な感想です しかし、これをエレキ・ギターで演奏したら興ざめでしょう この曲の白眉は第2楽章「アダージョ」です。イングリッシュホルンの奏でるメランコリックな主題に導かれ ギターが美しく響きます

大きな拍手に ソリストはアンコールに応えてタレガ「グラン・ホタ」を演奏しましたが、実に楽しい曲でした

演奏が始まるとき、センターブロックの14~15列目の右から3~4つめくらいの女性がスマホを発光させました 「写メしたのか?」と思ったら、アンコールの演奏中ずっと発光したままでいたのです このバカ女は動画で撮影していたのです アンコールもコンサートのうち、ということが理解できていないのです どういう教育を受ければこういう破廉恥極まりない行動ができるのか、と不思議です 周囲の人が注意しないのも摩訶不思議です これがオーケストラの定期演奏会だったら、あんた袋叩きになってボコボコにされるから、覚悟しときな


     

     

次いで午前11時45分からホールD7で公演番号352「ショーソンのコンセール」を聴きました プログラムはショーソン「ヴァイオリン、ピアノと弦楽四重奏のためのコンセール ニ長調」です 演奏はヴァイオリン独奏=オリヴィエ・シャルリエ、ピアノ独奏=ミシェル・ダルベルト、弦楽四重奏=モディリアーニ弦楽四重奏団です

自席はA20番、3列目の右端です

この曲はショーソン(1855-1899)が1889年から91年にかけて作曲した作品です 長いタイトルですが、実質的には六重奏曲です 第1楽章「決然と」、第2楽章「シシリエンヌ」、第3楽章「荘重に」、第4楽章「終曲:非常に速く」の4楽章から成ります

第1楽章が「運命の動機」とでも言いたくなるような力強い3つの和音で開始されますが、この演奏が凄かった この主題が全曲を通して循環しますが、一気にショーソンの世界に引き込まれます 独奏ヴァイオリンのオリヴィエ・シャルリエは、その堀の深い顔立ちと 背筋を伸ばした立ち姿がまるで素浪人のようで、「寄らば斬るぞ」といった緊迫感を感じさせます。艶のあるヴァイオリンで5人をリードしていきます ダルベルトのピアノも素晴らしい モディリアーニ弦楽四重奏団のアンサンブルも見事です ロマンの極致をいく演奏というのはこういうのを言うのでしょう

私はショーソンの曲ではこの曲が一番好きです(もっとも、あとは「詩曲」くらいしか知りませんが)。初めてこの曲を聴いたのは数年前の「サントリーホール・チェンバーミュージックガーデン」でしたが、一度聴いてすっかり気に入り、CDを購入したくらいです 今回また生演奏で聴けて幸せでした


     

 

次に午後1時45分からホールCで公演番号343「アメリカからボヘミア~郷愁のメロディー」を聴きました プログラムはドヴォルザーク「交響曲第9番ホ短調作品95”新世界より”」です 演奏はリオ・クォクマン(エンヘの代演)指揮ウラル・フィルハーモニー・ユース管弦楽団です

この曲はドヴォルザーク(1841-1904)が新世界=アメリカ滞在中に作曲した作品です 第1楽章「アダージョ~アレグロ・モルト」、第2楽章「ラルゴ」、第3楽章「スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・コン・フォーコ」の4楽章から成ります

自席は1階24列15番、最後列の左ブロック右から2つ目です

入場してくるウラル・フィルハーモニー・ユース管弦楽団の面々を見て、ビックリしました 管楽器と低弦そこ男性が中心ですが、弦楽器は女性が圧倒的多数を占めています 自席が会場最後列なので一人一人の顔が良く見えないのですが、「ユース」という看板は嘘偽りなく、みな若くてしかも美人(に見えます)。ペラ1枚のプログラムの解説によると、このオケは「2007年創設。エカテリンクブルク内の音楽教育機関の優秀な卒業生・在校生から構成されている」とあります

エンへの代演で急きょ指揮台に上がり、会心の出来に安心したのか、リオ・クォクマンは満面の笑みを浮かべ、オケの若い奏者たちを引き立てていました

この続きは「その2」をご覧ください

 

     

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「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2019」第2日目②ケフェレックの「ヘンデルとスカルラッティ」、スラドコフスキー指揮タタルスタン国立交響楽団のマーラー「交響曲第1番」を聴く

2019年05月05日 00時48分18秒 | 日記

5日(日・祝)その2.よい子は「その1」も見てね モコタロはそちらに出演しています

 

         

 

昨日、午後4時30分から東京国際フォーラムのホールD7で公演番号255「ヘンデルとスカルラッティ」を聴きました プログラムは①ヘンデル「調子の良い鍛冶屋ホ長調」、②スカルラッティ「ソナタ ホ長調K.531 」、「ソナタ ロ短調K.27」、「ソナタ ニ長調K.145」、「ソナタニ短調K.32」、③ヘンデル(ケンプ編)「メヌエット」、④同「シャコンヌ」です。ピアノ独奏はアンヌ・ケフェレックです

 

     

 

自席はF20番、最右端です

アンヌ・ケフェレックが登場、マイクを前に、このコンサートでヘンデルとスカルラッティを取り上げた理由を英語で話しました 大雑把に要約すると、「ヘンデルとスカルラッティとバッハは同じ1685年の生まれだが、ヘンデルとスカルラッティは親密な関係にあった ヘンデルはオペラ修行のためにイタリアにきたが、現地に滞在中、パトロンの一人の屋敷でスカルラッティに出会った。当時ヘンデルはイギリスでオルガン奏者のナンバー1で、一方のスカルラッティはイタリアでハープシコード奏者のナンバー1だった そこで、パトロンは二人に鍵盤楽器の演奏の競争をさせた そんなこともあり、二人はいっしょにイタリア中を巡り演奏したという」というようなことです

ケフェレックは眼鏡を着用し、ヘンデル「調子の良い鍛冶屋 ホ長調(ハープシコード組曲第5番から)」、スカルラッティ「ソナタ ホ長調K.531 」、同「ソナタ ロ短調K.27」、同「ソナタ ニ長調K.145」、同「ソナタニ短調K.32」、ヘンデル(ケンプ編)「メヌエット(ハープシコード組曲第1番から)」、同「シャコンヌ(ハープシコード組曲第2番から)」を続けて演奏しました

個人的には、ヘンデルが素晴らしかったと思います とくにCDにも収録されている「メヌエット」は何回聴いても静かな感動を覚えます 最後のシャコンヌは渾身の演奏でした


     

     

 

次いで、午後7時10分からホールAで公演番号215「魂の旅の軌跡」を聴きました プログラムはマーラー「交響曲第1番ニ長調”巨人”」です 演奏はアレクサンドル・スラドコフスキー指揮タタルスタン国立交響楽団です

自席は1階23列47番、センターブロック右通路側です 5000人収容のホールAでは、これまで前から2~4列目の席でしたが、マーラーの交響曲はオケの全体像を目で把握しながら音を聴きたいので、23列目を選びました

 

     

 

マーラー「交響曲第1番ニ長調”巨人”」はグスタフ・マーラー(1860-1911)が1884年から1888年にかけて5楽章から成る交響詩として作曲しましたが、その後、「花の章」を取り除く4楽章の交響曲として1896年に完成しました 第1楽章「ゆっくりと、引きずるように、自然音のように」、第2楽章「力強い動きをもって、しかし速すぎず」、第3楽章「厳粛に悠然と、ひきずらずに」、第4楽章「嵐のように速く」の4楽章から成ります

春日野部屋のスラドコフスキー親方は比較的ゆったりとしたテンポで進めます 極めて大陸的な悠然たる演奏です。私は彼の指揮を見て、ロシアの巨匠、われらが愛すべきエフゲニー・スベトラーノフの演奏を思い出しました 第2楽章、第4楽章ではホルンにベルアップ奏法を求めました また、第4楽章フィナーレではホルン8人に立奏を求めました 全体的には重心の低いオーケストラですが、管楽器も弦楽器も打楽器も個々の演奏レヴェルは高いと思います

かくして、ラ・フォル・ジュルネ音楽祭の第2日目は過ぎ去っていきました

 

     

      ガラス棟の通路のベンチ近くでおこぼれを期待するスズメのチュン太です

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「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2019」第2日目①2台のピアノによるチャイコフスキー「イタリア奇想曲」他、毛利文香のモーツアルト「トルコ風」、エル=バシャのサン=サーンス「エジプト風」を聴く

2019年05月05日 00時13分49秒 | 日記

5日(日・祝)その1.わが家に来てから今日で1675日目を迎え、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏が2017年にマレーシアで殺害された事件で、正男氏に毒を塗った実行役として有罪判決を受けたベトナム人、ドアン・ティ・フォン元受刑者が3日午前、マレーシアの刑務所から刑期を終えて出所した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      日朝交渉に当たっては 相手が平気でそういうことをやることを思い出すべきだ

 

         

 

昨日、東京国際フォーラムで「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2019」第2日目の公演を5つ聴きました 聴いたのは公演番号241(ホールC)、212、213、215(以上ホールA)、255(ホールD7)です。ここでは前半の3公演について書きます

 

     

 

最初に午前9時45分からホールCで公演番号241「6人のピアニストの豪華饗宴」を聴きました プログラムは①グリンカ「スペイン序曲第1番『ホタ・アラゴネーサによる奇想曲』」、②チャイコフスキー「イタリア奇想曲」、③サン=サーンス「アルジェリア組曲」です 演奏はピアノ=広瀬悦子、児玉麻里、児玉桃、リディア・ピジャーク、サンヤ・ピジャーク、フランク・ブラレイです

 

     

 

自席は1階24列15番、最後列の左ブロック右から2つ目です。会場はほぼ満席です

左側の席に女性が座ったのですが、香水のきつい匂いがぷんぷんして困りました 短パンを履いていて若そうですが、歳恰好が実態とかけ離れているようです 短パンは良いとして、コンサート会場はパーティー会場ではありません。くれぐれもキツイ匂いの香水はご遠慮いただきたいと思います

さて、1曲目はグリンカ「スペイン序曲第1番『ホタ・アラゴネーサによる奇想曲』」です この曲はロシアの作曲家グリンカ(1804-1857)がスペインに旅行した時の印象を基に作曲した作品です

向かって左の第1ピアノには児玉麻里&児玉桃が、右の第2ピアノにはフランク・ブラレイ広瀬悦子がスタンバイします 初めて聴く曲ですが、最初はゆったりしたメロディーでしたが、徐々にテンポアップしてきて楽しく聴けました 久しぶりにフランク・ブラレイの演奏を聴きましたが、あらためて芸術性が高いと思いました

2曲目はチャイコフスキー「イタリア奇想曲」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840‐1893)がイタリアを旅行中にインスピレーションを 得て書いた作品です

第1ピアノにはリディア・ピジャーク&サンヤ・ピジャークが、第2ピアノには児玉麻里&児玉桃がスタンバイします どんよりした気候のロシアから 陽光降り注ぐイタリアにやってきたチャイコフスキーの晴れやかな気分が反映されたような明るく楽しい演奏でした

最後の曲はサン=サーンス「アルジェリア組曲」です この曲はカミーユ・サン=サーンス(1835-1921)がアルジェリアに旅をしたときに着想を得て作曲した作品です ①アルジェを目指して、②ムーア風狂詩曲、③夕べの夢想~ブリダにて、④フランス軍隊行進曲の4曲から成ります

演奏は第1ピアノ=フランク・ブラレイ、広瀬悦子、第2ピアノ=リディア・ピジャーク&サンヤ・ピジャークです 4人の息がピッタリなのには驚きます。それでも、圧倒的に上手いのはフランク・ブラレイです

時々書いていますが、世の中には3つの坂があります。ひとつは「登り坂」、もう一つは「下り坂」、そして3つめは「まさか」です その「まさか」が起こりました。2台ピアノ12手によるアンコールが繰り広げられたのです 第1ピアノにリディア・ピジャーク&サンヤ・ピジャーク、広瀬悦子が、第2ピアノに児玉麻里&児玉桃、フランク・ブラレイがスタンバイし、さながら「四畳半に6人が住んでみました」的な窮屈状態です 通勤時間帯のJR山手線並みの混雑状況の中で演奏されたのはラヴィニャック「ギャロップ・マーチ」でした 6人は滅茶苦茶楽しく演奏したので、会場はやんややんやの喝采でした


     

 

次に午後12時15分からホールAで公演番号212「トルコ文化への憧れ&陽光降り注ぐイタリア」を聴きました プログラムは①モーツアルト「ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調k.219”トルコ風”」、②メンデルスゾーン「交響曲第4番イ長調”イタリア”」です 演奏は①のヴァイオリン=毛利文香、ミハイル・ゲルツ指揮シンフォニア・ヴァルソヴィアです

 

      

 

自席は1階2列37番、センターブロック右通路側です

1曲目はモーツアルト「ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調k.219”トルコ風”」です この曲はモーツアルト(1756-1791)が旅行と旅行の合い間にあたる1775年3月から1777年9月までに、故郷ザルツブルクで作曲されました ”トルコ風”という愛称は第3楽章に現れる異国風のメロディーに由来します 第1楽章「アレグロ・アペルト~アダージョ~アレグロ・アペルト」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ロンド:テンポ・ディ・メヌエット」の3楽章から成ります

深紅のドレスを身にまとった毛利文香が英国紳士みたいなミハイル・ゲイツとともに登場、第1楽章の演奏に入ります カデンツァが素晴らしい 第2楽章「アダージョ」はとても美しい演奏です 第3楽章はカデンツァ的な部分がいくつかありますが、どれもが聴かせました ゲルツのテンポは最適でした

オケの編成が拡大して、2曲目のメンデルスゾーン「交響曲第4番イ長調”イタリア”」の演奏に備えます この曲はフェリックス・メンデルスゾーン(1809-1791)がイタリア旅行から帰ってから、その時の印象を基に書いた作品です 第1楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モト」、第3楽章「コン・モト・モデラート」、第4楽章「サルタレッロ:プレスト」の4楽章から成ります

ゲルツの指揮で第1楽章に入ります。推進力に満ちた曲想はイタリアの太陽のエネルギーを感じさせます 第2楽章は風光明媚なイタリアの景色が浮かんでくるようです 第3楽章を経て、第4楽章は再び推進力に満ちた曲想で、どこまでも明るく陽気なイタリアを感じさせます

ここだけの話にしてほしいのですが、クラシックを聴き始めた頃、私はてっきり、メンデルスゾーンはイタリア人だと思っていました 彼の曲は、自称クラシック通の間で「メンコン」と呼ばれる あの有名なヴァイオリン協奏曲とこのイタリア交響曲しか知らなかったので、イタリア人と思い込んでしまったのです。恥ずかしくてひと様には言えません

 

     

 

次いで、午後2時45分からホールAで公演番号213「北アフリカを巡る音のアルバム」を聴きました プログラムは①サン=サーンス「アルジェリア組曲」、②同「ピアノ協奏曲第5番ヘ長調作品103”エジプト風”」です 演奏は②のピアノ独奏=アブデル・ラーマン・エル=バシャ、アレクサンドル・スラドコフスキー指揮タタルスタン国立交響楽団です

自席は1階3列38番、センターブロック右通路側です

1曲目はサン=サーンス「アルジェリア組曲」です この曲は午前の公演で2台のピアノの演奏により聴いていたので、それが予習になりました 同じ曲を別の楽器形態で聴けるのも音楽祭ならではのメリットですね

この曲は①アルジェをめざして、②ムーア風狂詩曲、③夕べの夢想、④フランス軍隊行進曲の4つの曲から成ります

春日野部屋の親方級のアレクサンドル・スラドコフスキーが登場、さっそく演奏に入ります 何だかんだ言っても、やっぱり管弦楽で聴いた方が色彩感や音色の変化などを楽しめます 演奏ではとくに、「夕べの夢想」でのヴィオラ独奏とフルート独奏が素晴らしかったです

2曲目はサン=サーンス「ピアノ協奏曲第5番ヘ長調作品103”エジプト風”」です この曲はエジプトのルクソールに滞在中に完成した作品です ピアニストとしてデビューして50周年を記念して、パリのサル・プレイエルで初演されました この曲が「エジプト風」という愛称で呼ばれるのは、第2楽章の異国風のテーマがいかにもエジプト風のメロディーだからという理由です 第1楽章「アレグロ・アニマート」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「モルト・アレグロ」の3楽章から成ります

ラ・フォル・ジュルネ音楽祭の常連ピアニストの一人、アブデル・ラーマン・エル=バシャが登場、ピアノに向かいます バシャが座ったことにより、超美人のコンミスが隠れて見えなくなってしまいました だれか馬車を動かしてくれ~とは言えません

第1楽章はバシャの奏でるピアノの粒立ちがとても綺麗です 第2楽章冒頭の迫力には圧倒されました エキゾティックなメロディ―の表出にも驚きました 第3楽章ではジャズのようなメロディーもあり、バシャもスラドコフスキーも楽しんで演奏しているようでした

この続きは「その2」をご覧ください

 

     

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