人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

上岡敏之✕新日本フィルでワーグナー「タンホイザー」~序曲とバッカナール、「トリスタンとイゾルデ」~前奏曲と愛の死他を聴く / 中国でのヤマハのピアノ

2019年05月11日 00時44分57秒 | 日記

11日(土)。昨日の朝日朝刊 経済面の短信「決算から」に「『ヤマハのピアノ』中国に響く」の見出しが躍っていました 超訳すると

「世界のピアノ需要の6割を占める中国で、ヤマハのピアノの存在感が上昇中だ 9日発表した2019年3月期のヤマハの営業利益は560億円で過去最高を更新。中でも中国でのピアノ販売はここ数年2ケタ成長を続けている 同社役員は『中国内のピアノ需要が伸びているわけではないが、ヤマハのシェアが拡大している』と話す その理由について、『中国はかつて200社ほどピアノメーカーがあったが、安かろう悪かろうの品質だった。今は情報化社会で、品質の良いものとしてヤマハのピアノが知られ、選んでもらえているのではないか』とみる

さすがは中国です。ピアノメーカーだけで200社もあったとは  です。著作権なんて知ったこっちゃない中国のことですから、YAMAHO とか YAMEHA とか いい加減なブランド名を付けてホンキートンクが得意のピアノを売っていたのでしょうね もしピアノが売れないで会社が潰れたら自業自得です

ということで、わが家に来てから今日で1681日目を迎え、北朝鮮が4日に続いて9日にも短距離ミサイルと見られる飛翔体を日本海に向けて発射した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       どうせなら持ってるミサイルをじゃんじゃん海に発射して使い切ったらいいのに

     

  昨日は娘が抜歯、私が外食だったので、夕食作りはお休みしました  

 

         

 

昨夕、サントリーホールで新日本フィルの第605回定期演奏会(ジェイド)を聴きました オール・ワーグナー・プログラムで、①歌劇「タンホイザー」より「序曲とバッカナール」(パリ版)、②楽劇「トリスタンとイゾルデ」より「前奏曲と愛の死」、③楽劇「神々の黄昏」より第1幕「ジークフリートのラインへの旅」、④同:第3幕「ジークフリートの死と葬送行進曲」、⑤舞台神聖祝典劇「パルジファル」より「第1幕  前奏曲と第3幕 フィナーレ」です 指揮は音楽監督・上岡敏之です

 

     

 

オケはいつもの並びで、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成。コンマスは豊嶋泰嗣氏です いつものように、第2ヴァイオリンの篠原英和氏と松崎千鶴さんを確認

1曲目は歌劇「タンホイザー」より「序曲とバッカナール」(パリ版)です 「タンホイザー」は、女神ヴェーヌの肉欲の世界と、領主の姪エリーザベトの純真な愛との間で揺れ動く騎士タンホイザーの物語です この歌劇はリヒャルト・ワーグナー(1813-1883)が作曲し、1845年にドレスデンで初演されて以来、何度も改訂されてきました この日演奏されるのは1861年3月にパリ・オペラ座で上演された際にフランス語に書き直された版によるもので、序曲に続けてバッカナール(元は「酒の神バッカスを讃える祭」のこと)が演奏されます

上岡氏のタクトで演奏に入りますが、ホルンがやけに上手いと思ったら読響、N響のホルン奏者を歴任し現在東京藝大准教授の日高剛氏でした この演奏で感銘を受けたのは弦楽器の美しさです コンマス豊嶋氏のソロも素晴らしかったです。菅・打楽器を含めて格調の高い演奏でした

2曲目は楽劇「トリスタンとイゾルデ」より「前奏曲と愛の死」です 楽劇「トリスタンとイゾルデ」は台本の着想(1848年)から完成(1874年)まで26年に及ぶ楽劇「ニーベルングの指環」四部作を作曲中に、一時中断して1857年から1859年にかけて作曲された作品です 毒薬の代わりに媚薬を飲んだため男女が激しく愛し合うようになってしまったという身も蓋もない物語ですが、オペラなんてみんなそんなものです

上岡氏は、これ以上遅くしたら音楽が止まってしまうだろう、という超スローテンポで前奏曲を開始します。徐々にテンポアップして落ち着きましたが、これが上岡流でしょうか この曲でも弦楽器のうねる様な演奏が強烈に印象に残りました 特に、前奏曲の終盤における低弦(チェロとコントラバス)の弱音の美しさは特筆に値します 管楽器では金子亜未のオーボエが素晴らしい演奏を展開していました


     


プログラム後半の最初は楽劇「神々の黄昏」から第1幕「ジークフリートのラインへの旅」です ワーグナーの「ニーベルングの指環」四部作は、序夜「ラインの黄金」、第1夜「ヴァルキューレ」、第2夜「ジークフリート」、第3夜「神々の黄昏」から構成されているので、最後の作品となります 上岡氏は比較的ゆったりしたテンポで開始しましたが、途中で急に高速テンポに転換したので 何が起こったのか? とビックリしました 今まで生演奏やCDで聴いてきたどの演奏よりも速い演奏でした しばらくするとテンポが落ち着きましたが、その衝撃は頭から消えませんでした これが上岡スタイルというのでしょうか? この曲でも日高剛をはじめとするホルン・セクションの演奏が冴えています また、重松希巳枝のクラリネット、井上典子のヴィオラ独奏が素晴らしい演奏を展開しました

ここで、客席でちょっとしたトラブルがありましたが、後で触れます

次いで同じ「神々の黄昏」から第3幕「ジークフリートの死と葬送行進曲」が演奏されました ここではトランペット、トロンボーンをはじめとする金管楽器が炸裂しました 弦楽器も分厚い演奏を展開しました

最後の曲は舞台神聖祝典劇「パルジファル」から「第1幕  前奏曲と第3幕 フィナーレ」です 「パルジファル」は1878年から1882年にかけて作曲された作品ですが、「舞台神聖祝典劇」とは、モンサルヴァ―トに伝わる聖杯伝説を中心にした神秘主義的宗教劇で、汚された聖地は、心の汚れのない騎士パルジファルによって救われる、というものです

この音楽は素晴らしいですね。大好きです 弦楽器と管楽器が溶け合って見事なアンサンブルを奏でます トランペット、トロンボーン、ホルンといった金管楽器が素晴らしい ニュアンスに満ちた弦楽器が素晴らしい ティンパ二が素晴らしい

この日はワーグナーの音楽にすっかり毒されました この良さが分かってくると抜けられなくなります 合言葉は「気を付けよう、甘い言葉とワーグナー」です

さて 最後に、プログラム後半の楽劇「神々の黄昏」の第1幕「ジークフリートのラインへの旅」と第3幕「ジークフリートの死と葬送行進曲」の演奏の間に起こったちょっとしたトラブルについて書きます 例のサスペンダー爺さんの蛮行です。私はこの爺さんの非常識な行動は日常茶飯事なので、余程のことがない限りブログには書いてきませんでした。しかし、昨夜はあまりにもひどかったので書かないと気が済みません

それは、コンサートの開始時に遡ります。オケのメンバーが配置に着き、大きな拍手の中コンマスの豊嶋氏が席に着こうとする時、サスペンダー爺さんがほぼ同時に最前列のど真ん中の席に着いたのです まるで爺さんが聴衆の拍手を受けてヒーロー気取りになっているような感じです これだけだったら、いつものことなので驚くに当たりませんが、その後がありました

休憩時間が終わり、ステージにはオケのメンバーが揃い、指揮者を待つだけになっている時、客席の右サイドの入口近くで爺さんが最前列の自席に行こうとするのを男性スタッフに止められています 爺さんはスタッフの指示により一旦右端の席に座ったと思ったら、また立ち上がり、もっと前方の席に勝手に移動したのです そこでスタッフがまた止めてその席に座るよう促したので、第1幕「ジークフリートのラインへの旅」はそこで聴くことになりました

その席で最後まで聴いていれば何の問題もありませんでした ところが、その曲が終わり、一旦上岡氏が舞台袖に引き上げると、爺さんは再び立ち上がりスタスタと歩き出したので、またスタッフに止められました 上岡氏が再び登場するのですから、止めるのは当然でしょう。しかし、爺さんはスタッフの手を振り切って勝手にスタスタと歩き出し、最前列の通路を横切って真ん中の自分の席に堂々と座ったのです

この爺さんの態度は、交通整理のお巡りさんから、「今そっちに行ってはいけません」と注意されたのに、それを無視して勝手に行動する「暴走老人」と言われても仕方ないでしょう 本人にその自覚がないのが残念です

以前は爺さんの左右の席には誰かが座っていてお互いに話をしていましたが、昨日は両隣りは空席になっていました あの爺さんの隣席に座るのは同類と見られるようで嫌なのでしょうね こうして一人、二人と定期会員が減っていくのです 新日本フィルも、他のオケも 自己顕示欲旺盛で自己中心主義の爺さんを「出入り禁止」にするなど本気で考えないと 会員が減る一方だと思います

コメント (8)
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