25日(土)。わが家に来てから今日で1695日目を迎え、米フェイスブックは23日、存在しない人物や組織を装った偽アカウントの削除件数が2019年1~3月に約22億件に上り、前の四半期からほぼ倍増したと発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
そのうちの何割かはトランプ・ファミリーじゃないの? 今日 本人が来日するけど
昨日はほとんど夏でしたね ということで 昨日の夕食は 涼し気な「棒棒鶏」と「冷奴」を作りました 隠し味にニンニクを少し入れましたが、美味しかったです
昨夕、サントリーホールで読響名曲シリーズ演奏会を聴きました プログラムは①ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲、②シューマン「チェロ協奏曲」、③ベートーヴェン「交響曲第3番”英雄”」です ②のチェロ独奏はユリア・ハーゲン、指揮はセバスティアン・ヴァィグレです
今年4月から読響第10代常任指揮者を務めることになったセバスティアン・ヴァィグレはドイツ出身の指揮者ですが、1982年からベルリン国立歌劇場の首席ホルン奏者として活躍後、指揮者に転身し、現在フランクフルト歌劇場音楽総監督を務めています
私は前回、コンサートが重なったので他のシリーズに振り替えたため、今回のコンサートがヴァィグレの指揮で聴く初めての公演になります 自席は前シーズンの1階左ブロック中央(S席)から 1階右ブロック後方(A席)に移りました。それでも限りなくS席に近いA席で、しかも通路側なので満足しています 会場は他のオケに比べてかなり埋っている方だと思います
オケはいつもの読響の並びで、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成。コンマスは小森谷巧氏です プログラム冊子には日下紗矢子の名前が書かれていましたが、この日は副コンマスに回りました
1曲目はワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」から第1幕への前奏曲です 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」はリヒャルト・ワーグナー(1813-1883)が自ら台本を書き、1862年から1867年にかけて作曲した3幕15場から成る楽劇です 実在の靴屋の親方であるマイスタージンガーのハンス・ザックス(1494-1576)を扱い、彼の新しい民衆的芸術の理念が主人公のワルターによって実現される話です ワーグナー自身をハンス・ザックスと見立て、旧弊にとらわれるベックメッサ―を当時ワグネリズム攻撃の先鋒だったハンスリックに似させています 第1幕への「前奏曲」は祝祭的な色彩の強い華やかで壮大な音楽です
ヴァィグレが颯爽と登場、さっそく演奏に入りますが、読響の底力を発揮したスケールの大きな堂々たる演奏でした
2曲目はシューマン「チェロ協奏曲イ短調作品129」です この曲はロベルト・シューマン(1810-1856)が1850年に作曲、その後加筆修正され、シューマンの死後の1860年6月に初演されました 第1楽章「速すぎず」、第2楽章「ゆっくりと」、第3楽章「きわめて生き生きと」の3楽章から成りますが、各楽章は切れ目なく続けて演奏されます
チェロ独奏のユリア・ハーゲンは、1995年ザルツブルク生まれといいますから今年弱冠24歳の新星です 父親は「ハーゲン・クァルテット」のチェロ奏者クレメンス・ハーゲンです
ブルーの衣装に身を包まれたユリア・ハーゲンが登場、ヴァィグレの指揮で第1楽章に入ります 「切れ目なく演奏される」ところがソリストのユリア・ハーゲンにとっては辛いところだったと思います 全体的に平板な演奏という印象が残ります 予習にジャクリーヌ・デュプレの演奏によるCDを聴いて臨んだのですが、まったく印象が違います シューマンを弾くチャレンジ精神は買いますが、演奏するには若干早すぎたのではないかと思います
アンコールにバッハの「無伴奏・第1番」のサラバンドが演奏されましたが、無理してアンコールに応えなくても良かったのではないかと思います
プログラム後半はベートーヴェン「交響曲第3番変ホ長調”英雄”作品55」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1803年から1804年にかけて作曲し、1804年にウィーンのロブコヴィッツ侯爵邸で非公開初演された後、1805年4月にアン・デア・ウィーン劇場で公開初演されました 共和主義の象徴であるナポレオンに献呈する予定で作曲され、手稿譜の表紙には「ボナパルト交響曲」と記されましたが、ナポレオンの皇帝就任の知らせを聞いて激怒し、取り止めたと伝えられています
第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「葬送行進曲:アダージョ・アッサイ」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・モルト」の4楽章から成ります
この曲は、長大さと巨大さ、第2楽章に葬送行進曲を採用、第3楽章でホルン3本を効果的に活用など、あらゆる面で新境地を開いた作品としてクラシック音楽史の中で燦然と輝いています
オケは前半と異なり、規模が縮小し全体で60人規模の古典派演奏形態を採ります
ヴァィグレのタクトで第1楽章が主和音2連打で開始されますが、「ドイツ出身の指揮者は 遅めのテンポで悠然と曲を進めるのではないか」という私の予想に反して、速めのテンポでサクサクと進め、スッキリとまとめていくスタイルを取ることに驚きました これは、彼がオペラ指揮者であることが強い要素になっているのではないかと推測します それにしても第1楽章は長い 初演当時の聴衆の驚きが目に浮かぶようです
ヴァィグレは第2楽章の葬送行進曲ではテンポをグンと落とし、オケにゆったりと歌わせます 冒頭のオーボエ・ソロが心に沁みますが、首席の蠣崎耕三の演奏が素晴らしい 蠣崎氏が東京フィルの団員だった時にモーツアルトを聴いて以来、ファンになりました この曲で思い出すのは、今から31年前、昭和天皇が崩御された時に、NHKテレビが朝から晩までN響の演奏による「葬送行進曲」を流していたことです それに比べ 平成から令和への移行時における政府主導のお祭り騒ぎはどうでしょう
第3楽章では、従来にない活用方法としてホルン3本が演奏されます このトリオは何回聴いても良いですね 第4楽章では、冒頭近くで弦楽トップによる四重奏が演奏されますが、コンマスの小森谷巧、第2ヴァイオリン首席の瀧村依里、チェロ首席の富岡廉太郎、ヴィオラ首席の鈴木康浩による演奏が素晴らしかった こういうところはCDばかり聴いていても分からないですね 実際に演奏を見ながら聴くと、誰と誰から音が出ているのかが理解できます。これが生演奏の醍醐味の一つだと思います
終演後は新常任指揮者を歓迎する満場の拍手とブラボーの嵐でしたが、今回のドイツもののコンサートは まさに的を射た素晴らしい演奏だったと思います しかし、常任指揮者はドイツものばかり取り上げているわけにはいきません 問題はドイツ以外の作曲家のプログラムの時の指揮ぶりです。次回以降のヴァィグレの指揮を楽しみにしたいと思います