人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

樹木希林、黒木華、多部未華子共演「日日是好日」、山崎努、樹木希林共演「モリのいる場所」を観る~ギンレイホール

2019年05月09日 07時22分10秒 | 日記

9日(木)。わが家に来てから今日で1679日目を迎え、米調査会社ギャラップが4月17~30日に実施した世論調査で、トランプ大統領の支持率が46%と同調査で最高となった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      モラー報告書の曲解の影響もあるんだろうけど アメリカ国民には失望するなあ

     

         

 

昨日、夕食に「鶏のソテー」と「インゲンの胡麻和え」を作りました 「鶏~」を食べた娘のひと言「皮パリパリ中ジューシーだ」。鶏肉は塩コショウだけの味付けで 片面しか焼いていません。シンプル・イズ・ベストな料理です

 

     

 

         

 

昨日、神楽坂のギンレイホールで「モリのいる場所」と「日日是好日」の2本立てを観ました 「モリのいる場所」は昨年11月8日に池袋の新文芸坐で観て 翌9日のブログに感想を書いたので、今回はパスして2本目の「日日是好日」から観ようと思ったのですが、混雑を予想して1本目の「モリのいる場所」から観ました この判断は結果として正解で、すぐに満席になり、立ち見まで出ていました 10連休も終わり 平日なのにみんな暇なんですね。って「日日是休日」のオレもか

というわけで、ここでは初めて観た「日日是好日」を中心に書きます

「日日是好日(にちにちこれこうじつ)」は大森立嗣監督・脚本による2018年製作映画(100分)です

 「本当にやりたいこと」を見つけられず大学生活を送っていた20歳の典子(黒木華)は、タダモノではないと噂の「武田のおばさん」(樹木希林)が茶道教室の先生であることを聞かされる。母からお茶を習うことを勧められた典子は気のない返事をしていたが、お茶を習うことに乗り気になった いとこの美智子(多部未華子)に誘われるがまま、流されるように茶道教室に通い出す   見たことも聞いたこともない「決まり事」だらけのお茶の世界に触れた典子は、それから20数年にわたり武田先生のもとに通うことになり、就職、失恋、大切な人の死などを経験し、お茶や人生における大事なことに気が付いていく

 

     

 

この映画は、エッセイストの森下典子が約25年通った茶道教室での日々を綴った「日日是好日『お茶』が教えてくれた15のしあわせ」をもとに、大森立嗣監督が映画化したものです

「日日是好日」とは、ただ単に「毎日が好い日」という意味ではなく、お茶の世界に即して言えば「雨の日は雨を聞く。雪の日は雪を見て、夏には夏の暑さを、冬には身の切れるような寒さを、五感を使って全身でその瞬間を味わうこと」です

私はお茶はお茶でも番茶しか嗜みませんが(皆さん、狭山茶を飲みましょう!)、武田先生は二人に「お茶はまず『形』から。先に『形』を作っておいて、後から『心』が入るものなの」と茶道の心得を伝授します 「頭で考えていてはだめ。お茶は回数なの。何度も同じことを繰り返していくうちに手が自然に動くものなの」とも教えます。茶道の作法について「なぜそうしなければならないのですか?」と問われると、「世の中には『すぐ分かるもの』と『すぐ分からないもの』の2種類があります。すぐ分からないものは、長い時間をかけて、少しずつ気づいて、分かってくるのよ」と諭します

これについては、典子が美智子に「私、小さい時に『道』っていう映画を観たんだけど、さっぱり意味が分からなくて ちっとも面白くなかった。でも大人になってから観て その良さが分かるようになったの」というシーンがあります。『道』とは 言うまでもなくイタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニが監督したネオリアリズム映画の代表作(1954年)です    ニーノ・ロータの音楽が悲しく響く映画です

大森監督が なぜフェリーニの「道」を持ち出したのか、と つらつら考えるに、「茶道」「華道」の「道」に着目したのではないか、と閃いたのですが、どうでしょうか

この映画では、茶道の様々な作法が武田先生と二人の生徒との間で繰り広げられますが、お茶の世界をまったく知らないド素人の私には新鮮で、茶道ってこんなに細かな決め事があるのか、と感心しきりでした

武田先生を演じた樹木希林さんは、この映画の撮影時は癌が全身に転移していて相当厳しい状態下に置かれていましたが、映画からはそんな気配はまったく感じらず、堂々たる茶道のお師匠さまを演じていました さすがはプロ中のプロだと思います 希林さんは本作公開前の2018年9月に他界しています こういう人こそ、「惜しい人を亡くした」と言うべきでしょう

帰宅してから、元勤務先のU元専務あてLINEで この映画を観たことを報告しました   というのは、Uさんの奥様が茶道の先生をなさっていて、Uさんも茶道の心得があるからです 半分予想したとおり、返信にはすでに奥様と観に行かれ、稽古風景が良く撮れていた旨が書かれており、そして 最後に「次は『翔んで埼玉』を観てください」と書かれていました 私からは「やっぱり  そうきましたか!」と返信しておきました

 

         

 

「モリのいる場所」は沖田修一監督・脚本による2017年製作映画(99分)です

 

     

 

この映画は画家・熊谷守一(山崎努)と妻・秀子(樹木希林)の昭和49年夏のある1日を描いた作品ですが、2度目に観てもすごく面白かったです 前回観た時のブログには書かなかったのですが、当時のテレビ番組の人気者はドリフターズとジュリーでした 茶の間で妻・秀子がくしゃみをすると、上から大きなタライが3つも落ちてきて、そこに座っていた常連の来客者たちの頭を直撃して目を回すシーンでは、思わず声をあげて笑ってしまいました 「ドリフの全員集合!」の世界です

山崎努と樹木希林、名優同士の共演はじわっと深い感動を与えてくれます

「モリのいる場所」と「日日是好日」の2本立てはギンレイホールで5月17日(金)まで上映中 平日でも混雑が予想されますので、早めにホールに行って10:10上映の部から鑑賞することをお勧めします

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