21日(火)。わが家に来てから今日で1691日目を迎え、北方領土返還に関連して戦争に言及した丸山穂高衆院議員は20日、野党6党派が提出した自身に対する議員辞職勧告決議案について「これまでの決議案は刑法犯とかがほとんどで、発言に対して出すということは非常におかしい」と説明し議員辞職を否定した というニュースを読んで感想を述べるモコタロです
その通り 非常におかしい! 決議案の提出前に自ら辞職すべきだったんじゃね?
昨日、夕食に「鶏ささみの野菜たっぷり照り焼き」を作りました 鶏のササミのスジは、以前 当ブログの読者 reila さんからコメントをいただいた「スジを割り箸で挟んで一気に引っ張る」方法が功を奏し、きれいに取れました。これからもいろいろと教えていただけると助かります
昨夕、東京文化会館小ホールで「髙木凛々子ヴァイオリン・リサイタル」を聴きました これは「若手演奏家を応援する会 創立11周年記念公演」として開かれたものです。プログラムは①モーツアルト「ヴァイオリン・ソナタ ト長調K.301」、②ブラームス「ヴァイオリン・ソナタ第3番」、③フォーレ「ヴァイオリン・ソナタ第1番」、④サラサーテ「カルメン幻想曲作品25」です
ピアノ伴奏は三又瑛子です
小ホールの入場口を入った右側の花束受付デスクには、読売日響のヴァイオリン奏者・髙木敏行氏と井上雅美さんが来客者に挨拶をされています 言うまでもなく、髙木凛々子さんのご両親です
歴史と伝統のある東京文化会館小ホールでの娘さんの初リサイタルということで晴れがましさが感じられます
全席自由です。早めに並んでE列27番、センターブロック右通路側を押さえました 会場は5割から6割埋っている感じです。気のせいではなく男性の比率が圧倒的に高いです
小ホールとはいえ、その辺のホールとは違い650席もありますから、今春 東京藝大を卒業したばかりのルーキーとしては大した集客力と言うべきでしょう
髙木凛々子さんは3歳からヴァイオリンを始めて以来、第1回バルトーク国際音楽コンクール第2位をはじめ、大学卒業までに数々のヴァイオリン・コンクールに入賞しています
1曲目はモーツアルト「ヴァイオリン・ソナタ ト長調K.301」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1778年に作曲した6曲のヴァイオリン・ソナタ(K.301~K.306)の一つです
プファルツ選帝侯妃マリア・エリーザベトに献呈されました
第1楽章「アレグロ・コン・スピリート」、第2楽章「アレグロ」の2楽章から成ります
ロゼワイン色と言えばいいのか、ローズピンクと言えばいいのか、鮮やかな衣装に身を包まれた髙木凛々子さんが桐朋学園首席卒業のピアニスト三又瑛子さんとともに登場します
冒頭の爽やかなフレーズを聴くと、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ「春」を思い出します 曲想こそ違いますが、まさに「春の息吹」を感じせる曲です
髙木さんはまるでモーツアルトと会話をしながら演奏しているかのようです
「私はこういう風に弾きたいんですけど、モーツアルトさん、これでよろしいでしょうか?」といった具合に
これは、初めて彼女の演奏を聴いた2018年6月14日の藝大モーニング・コンサートで演奏したメンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲」を聞いた時に感じたことです
この感覚はプロ・アマを問わずこれまで聴いてきたどの演奏家にも感じなかったものです
第2楽章に入ってもその姿勢は変わりません。「演奏するのが楽しくて仕方がない
」といった雰囲気が伝わってくる実に爽やかな演奏でした
2曲目はブラームス「ヴァイオリン・ソナタ第3番作品108」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833-1897)が1886年から1888年にかけて作曲した作品です
髙木さんはプログラム・ノートに「友人の死などにより人間の宿命である死というものを紛れもない現実の出来事として見つめなければならなくなったブラームスの人生観が投影された作品だと思います」と書かれていますが、まさにそのような曲想です
第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ウン・ポコ・プレスト・エ・コン・センチメント」、第4楽章「プレスト・アジタート」の4楽章から成ります
この曲でも、作曲家との対話が感じられましたが、特に素晴らしいと思ったのは第2楽章「アダージョ」でした 髙木さんは曲を慈しむようにしみじみと演奏し、ブラームスの心を癒しているかのようでした
第3楽章から第4楽章へは間を置かずに入りましたが、これは効果的でした
第4楽章冒頭のほとばしる激しい情熱が俄然生かされました
ここでは「ブラームスさん、これでいいですか?」ではなく、「私はこれでいきます
」という強い意志を感じる演奏でした
プログラム後半はフォーレ「ヴァイオリン・ソナタ第1番」です この曲はガブリエル・フォーレ(1845-1924)が1876年に作曲し、翌1877年1月にパリでマリー・タヨーのヴァイオリン、フォーレ自身のピアノにより初演されました
第1楽章「アレグレット・モデラート」、第2楽章「アレグロ」、第3楽章「レチタティーヴォ~ファンタジア。モデラート~モルト・レント」、第4楽章「アレグレット・ポコ・モッソ」の4楽章から成ります
まったく恥かしい話ですが、私は手帳の予定表に「フォーレ」と書くべきところを「フランク」と書いてしまったため、CDで予習するのにフランクの有名な「ヴァイオリン・ソナタ」を聴いてきたのです ホォーレ見たことか、とお思いでしょう
フランクに打ち明けなければよかった、かな
それでも、第1楽章のお馴染みのテーマが出て来た時は、ああこの曲だ、と思い出して安心しました 髙木さんの演奏は、この曲でも第2楽章「アンダンテ」の演奏がしみじみと良い演奏で心に沁みました
第4楽章のフィナーレは情感溢れる演奏で熱くなりました
最後の曲はサラサーテ「カルメン幻想曲作品25」です この曲はビゼーのオペラ「カルメン」の中に出てくるメロディーを使って組み立てたファンタジーです
①序奏(第4幕前奏曲「アラゴネーズ」)、②第1幕「ハバネラ」、③第1幕「カルメンの鼻歌」、④第1幕「セギディーリア」、⑤第2幕「ジプシーの歌」の5曲から成ります
この曲はヴァイオリンで出来る限りの”技”を使ってカルメンの世界を表現する作品で、とくに最後の「ジプシーの歌」は超絶技巧の極みと言っても過言ではない曲です ここまでくると、さずがにビゼーやサラサーテとの対話の余裕はなく、「私はこういう風に弾かせていただきます。許して
」という感じで突っ走ります
フィナーレの目にも止まらぬ弓使いは新幹線を超え、リニアモーターカー並みと言っておきます。すごい演奏でした
髙木さんはアンコールにパラディス「シチリアーノ」を演奏、鳴りやまない拍手に無伴奏でアイルランド民謡「夏の名残のばら」を演奏、それでも鳴りやまない拍手にクライスラーの「シンコペーション」を演奏し、会場の温度を2度上昇させました 一連のアンコールでも「演奏するのが楽しくて仕方がない
」という雰囲気が伝わってきて、聴いている方も楽しくなってきました
東京藝大を卒業して、「今が頂点。あとは落ちる一方」という人はいくらでもいるでしょう 髙木さんにはそうなってほしくないと思います
持って生まれた才能を、これから開花させるべく頑張ってほしいと思います
toraブログはこれからも髙木さんを応援します
髙木さんは8月21日に読売日響の「サマーフェスティバル」に出演しメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」を演奏します 国内のメジャー・デビューです
もちろんチケットは購入済みです
皆さん、8月21日にはサントリーホールに行って髙木凛々子さんのメンデルスゾーンを聴きましょう