18日(土)。わが家に来てから今日で1688日目を迎え、トランプ米大統領は16日、移民希望者の技能・年齢・教育水準などをポイント化して永住権発給の可否を決める「メリットベース」を活用した移民拡大を内容とする移民制度改革案を発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
ポイントの高い人たちばかり入国すると 反ってトランプ政権批判勢力が拡大しね?
昨日の夕食は、「牛タン塩焼き&ハラミ焼肉」「野菜サラダ」「卵スープ」にしました 残業続きで疲れ果てている娘は 肉を食べると元気が出るので
昨日、初台の新国立劇場「オペラパレス」でモーツアルト「ドン・ジョヴァンニ」を観ました 出演は、ドン・ジョヴァンニ=二コラ・ウリヴィエーリ、騎士長=妻屋秀和、レポレッロ=ジョヴァンニ・フルラネット、ドンナ・アンナ=マリゴーナ・ケルケジ、ドン・オッタ―ヴォ=フアン・フランシスコ・ガテル、ドンナ・エルヴィーラ=脇園彩、マゼット=久保和範、ツェルリーナ=九嶋香奈枝。管弦楽=東京フィル、合唱=新国立劇場合唱団、指揮=カーステン・ヤヌシュケ、演出=グリシャ・アサガロフです
ある晩、無類の好色男ドン・ジョバンニが騎士長の娘ドンナ・アンナの部屋に忍び込んだ。しかし、アンナに騒がれ、駆けつけた騎士長と決闘して彼を刺殺してしまう 従者のレポレッロと逃げる途中で、過去に捨てた女ドンナ・エルヴィーラに追い回されたり、結婚直前の村娘ツェルリーナを口説いたりして放蕩の限りを尽くす。やがて悪行がばれて逃走して行き着いた先が、決闘で殺した騎士長が眠る墓場だった
ドン・ジョバンニは、不敵にも騎士長の石像を晩餐に招く。石像は彼に改悛を迫るが、これを拒んだため地獄に落とされる
私が新国立オペラで「ドン・ジョバンニ」を観るのは2001年、2008年、2012年、2014年に続いて今回が5度目です そのうちグリシャ・アサガロフによる演出は4度目です。彼の演出は、ドン・ジョバン二を18世紀に実在した色男カサノヴァになぞらえ、舞台をヴェネツィアに移しています
ドイツ出身のカーステン・ヤヌシュケ指揮東京フィルによるデモーニッシュな「序曲」に続き、ゴンドラに乗ったドン・ジョバンニとレポレッロが登場します これまで何度も書きましたが、私は「序曲」からレポレッロの歌~ドン・ジョバンニとドンナ・アンナとの言い争い~騎士長とドン・ジョバンニとの決闘~騎士長の死までのノンストップ・ミュージックが大好きです
冒頭の場面で解釈が分かれるのは、「果たしてドン・ジョバンニはドンナ・アンナをものにしたのか?」ということです 演出のグリシャ・アサガロフは「プロダクション・ノート」(2008年11月のインタビュー)で、「ドン・ジョバンニはドンナ・アンナを『ものにした』と考えています」と明確に述べています
実際の演出では、二人が言い争っているうちに、ドン・ジョバンニがドンナ・アンナに覆いかぶさり、そこに騎士長が登場するという段取りになっています。まるで部屋での出来事を再現するかの如くです
これに対し、プログラム冊子に掲載されたピアニスト青柳いづみこさんの「ドン・ジョバン二をめぐる3人の女性たち」では「ドンナ・アンナはこのとき夜這いの男と関係してしまったのではないかとかんぐる向きもあるが、ツェルリーナの口説きに失敗したドン・ジョバンニが『今日は悪魔に邪魔ばかりされている』とぼやく場面もあるので、それはないだろう」と書かれています
さて本当はどちらなのか? どちらにしても、ドンナ・アンナはドン・ジョバンニに復讐を誓うものの、彼への想いを捨て去ることが出来ないでいる女性のようです
さて、今回の公演で私が最も強く印象に残ったのは、ドンナ・エルヴィーラを歌った脇園彩さんです 東京藝大大学院修了後、文化庁派遣芸術家在外研究員としてパルマ国立音楽院に留学し、ロッシーニ・オペラ・フェスティバルのアカデミーに参加し「ランスへの旅」でイタリアでのオペラデビューを果たし、ミラノ・スカラ座アカデミーを修了しています
その後、イタリアの各歌劇場で歌い、日本では藤原歌劇団「セヴィリアの理髪師」ロジーナでデビューを果たしています
美しく力強いメゾソプラノで、迫真の演技力です
第1幕のアリア「ああ!いったい誰が」、第2幕のレチタティーヴォとアリア「なんてひどい人」では、自分を捨てたドン・ジョバンニを恨みながらも、未練を断ち切れない貴婦人の心情を見事に歌い上げました
将来有望なメゾソプラノと言っておきます
次に印象深かったのはドン・オッタ―ヴォを歌ったフアン・フランシスコ・ガテルです アルゼンチン生まれのテノールですが、2004年のカルーソー・コンクールで優勝しています
ドンナ・アンナをいたわる第1幕のアリア「彼女の心の安らぎこそ」と第2幕のアリア「私の大切な人を」をはじめ、伸びのある輝かしい歌声で聴衆を魅了しました
ドン・ジョヴァンニを歌った二コラ・ウリヴィエーリはイタリア生まれのバスですが、精力的で行動的な好色漢を歌い 演じました 第2幕でドンナ・エルヴィーラの侍女を口説くアリア「さあ、窓辺においで」は甘美そのものでした
第1幕でツェルリーナと歌う「手に手を取り合って」は大好きな二重唱ですが、素晴らしいデュオを聴きながら、「騎士との結婚に目がくらみ、許婚のマゼットをないがしろにして、わずか3分半でドン・ジョバンニに”落ちてしまう”ツェルリーナってどうなのよ
」と言いたくなりました
これぞ「コジ・ファン・トゥッテ」(女はみんなこうしたもの)ではないか
そのツェルリーナを歌った九嶋香奈枝は美しいソプラノで、騎士には弱く 許婚の農夫には強く出る ちゃっかり・しっかり者の役柄がピッタリでした
ドンナ・アンナを歌ったマリゴーナ・ケルケジはクロアチア・ザグレブ生まれのソプラノですが、恵まれた体格を生かしたパワフルな歌唱が持ち味です 第2幕のレチタティーヴォとアリア「私が残酷ですって?違います」では、悲惨な運命に見舞われた彼女の胸の内を切々と歌い上げました
特筆すべきはカーステン・ヤヌシュケ指揮東京フィルと新国立劇場合唱団の演奏です しっかりと歌手に寄り沿ってモーツアルトの魅力を表現していました
ところで、第2幕開始早々、1階16列左ブロックの右から2つ目の席でスマホが5分以上発光していました その後も、何度か点いては消えていたので、スマホで時間を確認していたのかも知れません
どんな非常識な馬鹿者かと思い、閉幕後 会場の照明が点いたので その席を見ると どうやら外国人のようでした
開演前には日本語と英語で注意事項をアナウンスしているはずなのに、日本語も英語も通じない国の人なのかな と思いましたが、それ以前にこれはマナーの問題だから国籍は関係ないと思い直しました
おそらく定期会員ではないので、これっきりだと思いますが、どこの国にもいるんですねマナーの悪い人間が。こういう人にはオペラを観にきて欲しくないと思います