6日(日)。NHK交響楽団は公式サイトで「2025-26シーズン(2025年9月 ~ 26年6月) 定期公演」のラインアップを発表しました A・B・C各プログラムの内容は以下の通りです
まず最初に驚くのは、各プログラムの10月公演で来年98歳を迎えるヘルベルト・ブロムシュテット(1927~)が指揮をとることです Aプロではストラヴィンスキー「詩篇交響曲」、メンデルスゾーン「交響曲第2番」を、Bプロではニルセン「フルート協奏曲」(fl:セバスティアン・ジャコ―)、シベリウス「交響曲第5番」他を、Cプロではブラームス「ピアノ協奏曲第2番」(Pf:アンスネス)、同「交響曲第3番」を指揮します 個人的には 昨年の公演が中止 ⇒ 払い戻しになってしまったので、来月10日のBプロ(ニルセン「クラリネット協奏曲」、バルワルド「交響曲第4番」他)と、20日のAプロ(オネゲル「交響曲第3番」、ブラームス「交響曲第4番」)の両公演を無事来日のうえ指揮してくれることを祈ります
首席指揮者のファビオ・ルイージは9月度A・B、12月度A・B・C、4月度A・Bの計7公演を指揮します 個人的には4月度Aプロのブルックナー「交響曲第9番」他、同Bプロのマーラー「交響曲第5番」他に期待します トゥガン・ソヒエフは好きな指揮者ですが、1月度A・B・Cプロに登場します Aプロはマーラー「交響曲第6番」、Bプロはプロコフィエフ「交響曲第5番」他、Cプロはストラヴィンスキー「火の鳥」他で、選曲も申し分ありません 「リバイバル賞」ものはシャルル・デュトワです N響名誉音楽監督ですが、過去の不名誉なセクハラ問題でここ数年N響から遠ざかっていました 11月度Aプロでホルスト「惑星」他を、同Cプロでラヴェル「ダフニスとクロエ」(全曲)他を指揮します 以上ほか要注目は6月度Cプロです 尾高忠明指揮、天才少女 HIMARI のヴァイオリン独奏によりシベリウス「ヴァイオリン協奏曲」他が演奏されます
私は現在Aプロ(NHKホール)とBプロ(サントリーホール)の定期会員ですが、まだ年間会員券の料金テーブルが明らかになっていないので、それが公開されてから、他のオケの公演日程と照らし合わせて更新するかどうか決めたいと思います
ということで、わが家に来てから今日で3554日目を迎え、米大統領選の共和党候補のトランプ前大統領は4日、自身の立ち上げたSNS「トゥルース・ソーシャル」で米銀大手J.Pモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高責任者(CEO)がトランプ氏を支持したとする投稿をしたが、同社の広報担当者はこの投稿を否定する声明を出した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
自分に都合の良いようにでっち上げて投稿するのは トランプの常套手段だが 呆れる
昨日、文京シビックホールで第81回「響きの森 クラシック・シリーズ」を聴きました プログラムは①ベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61」、②ベルリオーズ「幻想交響曲」です 演奏は①のヴァイオリン独奏=神尾真由子、管弦楽=東京フィル、指揮=小林研一郎です
雨模様でしたが、この日も満員御礼です
オケは10型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの東京フィルの並び コンマスは近藤薫です
1曲目はベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1806年にアン・デア・ウィーン劇場のコンマス、フランツ・クレメントのために約5週間という短期間で作曲、同年アン・デア・ウィーン劇場で初演されました 第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「ロンド:アレグロ」の3楽章から成ります
ヴァイオリン独奏の神尾真由子は2007年の第13回チャイコフスキー国際コンクールで優勝し、世界中の話題を呼びました 内外のオーケストラとの共演のほか、東京音楽大学教授として後進の指導に当たっています
コバケンの指揮で第1楽章がティンパニの4音により開始されます この曲は技巧をひけらかす性格の作品ではないので、ソリストは演奏に独自性を持たせるのは困難ではないかと想像します 神尾はオーケストラと一体となって穏やかな音楽を連綿と奏でます カデンツァは力強く聴きごたえがありました 神尾の特徴が一番よく表れたのは第2楽章でした 研ぎ澄まされた弱音の美しいビブラートが会場の隅々まで届きます とりわけ高音部がとても美しく響きます 第3楽章は愉悦感に満ちた演奏が繰り広げられますが、神尾のヴァイオリンは低音部に彼女特有の”こぶし回し”があって、ドスの効いた演奏が展開します その意味でコバケンと相性が良いのかもしれません コバケン ✕ 東京フィルの万全のバックともども とても深みのある演奏でした
満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されましたが、アンコールはありませんでした。見識です
プログラム後半はベルリオーズ「幻想交響曲」です この曲はエクトール・ベルリオーズ(1803-1869)が自身の失恋の経験を題材に1830年に作曲、同年12月にパリで初演されました ベルリオーズはパリ音楽院に学んでいた1827年、イギリスから来たシェイクスピア劇団の女優ハリエット・スミッソンに熱烈な恋心を抱き、無謀にも求愛して失恋します 彼は失恋の恨みを込める形で本作を作曲したのです 第1楽章「夢と情熱」、第2楽章「舞踏会」、第3楽章「野の風景」、第4楽章「断頭台への行進」、第5楽章「魔女の夜宴の夢(サバトの夜の夢)」の5楽章から成ります
オケは12型に拡大し、管・打楽器が増員され、ハープ2台が舞台下手にスタンバイします
コバケンの指揮で第1楽章に入りますが、テンポがかなり遅く、「この調子で最後まで演奏したら、今日中に家に帰れるだろうか?」と思ったほどです しかし、そこはコバケンです。テンポを上げるべきところは上げます それにしても”重い”という印象は消えません 第2楽章は冒頭のハープの演奏が優雅で素晴らしい フルートの演奏が冴えています 弦楽セクションの流麗な演奏が印象的です 第3楽章では、冒頭でイングリッシュ・ホルンと(舞台裏の)オーボエによる牧笛の掛け合いがありますが、コバケンはオーボエを舞台裏でなく2階客席下手前列あたりに配置しました これは音が明瞭に聴こえて良いのですが、その反面”遠くから聴こえる牧笛”という効果が薄れるように思いました 演奏は素晴らしかったですが 終盤における4台のティンパニによる”雷鳴”が不気味に鳴り響きました 第4楽章はティンパニと大太鼓が炸裂し、ホルンが咆哮して行進曲を奏でます ファゴットの高速キザミ演奏が素晴らしい トランペット、トロンボーン、テューバの演奏に重厚感があります 第4楽章では小クラリネット、ピッコロの気がふれたようなエキセントリックな演奏が冴えています コントラバスの重低音が足元に響きます オケ総力を挙げてのフィナーレは圧巻でした
演奏後、満場の拍手とブラボーの嵐の中、カーテンコールが繰り返されました コバケンは、いつものように各セクションを立たせて賞賛の拍手を求めますが、彼の場合はこの”儀式”が長い、というか 長過ぎます コバケンは最後に「今日の東京フィルは、しのぎを削るような演奏でしたので、アンコールは次の機会にしたいと思います」と挨拶し、全員で一礼してコンサートを締めくくりました
この日のコンサートは、コバケンにしては 時に冗長さを感じさせることろがありましたが、最後には東京フィルの持てる力を全て引き出し、渾身の演奏を展開しました
今日は、久しぶりに東京藝大奏楽堂に行って、藝大オペラ「フィガロの結婚」を聴きます
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