人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ダン・タイ・ソンのベートーヴェン「ピアノ協奏曲第1番~第3番」を聴く

2012年11月08日 06時59分48秒 | 日記

8日(木)。昨夕、すみだトリフォニーホールでダン・タイ・ソンのピアノ、ブラジル生まれのクラウディオ・クルス指揮新日本フィルによるベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲演奏会の第1夜「第1番、第2番、第3番」を聴きました 職場以外にも知人・友人の多い,元の職場のA君の格別の取り計らいでチケットが手に入りました この日も風邪で体調が万全とは言い難い状況でしたが,薬を飲んで眠くなるのをコーヒーを目覚まし代わりにして臨みました これじゃあ風邪,治らないか・・・・・・

ダン・タイ・ソンはベトナム・ハノイ生まれ,モスクワ音楽院に学び,1980年のショパン国際コンクールでアジア出身のピアニストとして初めて優勝し,世界的な注目を集めました 2010年の第16回ショパン国際コンクールでは審査員を務めました

 

          

 

自席は1階29列25番で,1階席の一番後ろのやや右サイドの席です.会場は残念ながら5~6割の入りです

バックを務める新日本フィルは西江氏がコンマスを務めます.ダン・タイ・ソンが指揮者クルスと共に登場しますが,クルスが大柄なのでダン・タイ・ソンが小さく見えます

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番ハ長調は,実質的には2番目に作曲された曲です 出版の関係で順番が入れ替わったのです.この日のプログラムは第1番から順番に第2番,第3番という順に演奏しましたが,考えようによっては第2番,第1番,第3番の順に演奏してもいいのではないかと思います

第1番と第2番を聴いて,休憩時間になったので,A君とコーヒーを飲みながら話をしました.「高音がきれいだったね」と言うと,A君は「上質なウィスキーをいただいているような感じでした」と言います.う~ん,私にはこういう表現はできないな~ いずれにしても,二人の共通点は”目立った個性はないが堅実なピアニスト”という評価です

演奏後のステージマナーを見ると,まじめでオーケストラの人たちの受けも良いのではないかと見受けられます ただ,人が良いだけでは通用しないのが芸術の世界ですから,他のピアニストと差別化できる強い個性が欲しいところです

ピアノ協奏曲第3番ハ短調は,前の2曲と比べて一層スケールが大きくなって,ベートーヴェンらしさが発揮された曲です ダン・タイ・ソンは堅実に演奏を進めますが,第2楽章「ラルゴ」では,ピアノが控えめすぎてオケに音を消されてしまっていました もっと前に出てもいいのではないかと思います

この日のコンサートを聴いて思ったのは,かつてショパン・コンクールで優勝した経歴を持っていたとしても,その後をプロのピアニストとして生き残っていくのがいかに大変か,ということです この日も会場を聴衆で埋め尽くすまでにはほど遠い状況でした 彼には同じアジア人として世界的に活躍してほしいと思います A君,昨夕はありがとう 

今夕も同じコンビによりベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番と第5番を聴きます

 

          

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする