人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

男のエッセイ~高倉健著「あなたに褒められたくて」を読む

2012年11月17日 07時00分20秒 | 日記

17日(土).昨夕は前日に続き地下のRで当社S氏と防災センターS隊長と3人で飲みました いつものX部長と若手2人は土曜に釣り大会を控えていることから,珍しく不参加でした 昨夕の趣旨はS氏の16日遅れの誕生会を上野のカラオケ・スナックでやろうということで,取りあえずお店の開く時間まで時間つぶしをしようということでS隊長を巻き込んでRで飲んだわけです

7時過ぎに隊長と別れて,山手線で上野方面に向かいました 7時45分ごろカラオケ・スナックFに着いて,さっそく歌合戦に突入しました.後からもう一組2人連れが来ましたが,お構いなしに歌いまくりました 途中,「ハッピー・バースデー・トゥー・ユー」の歌に合わせて,ママのRさんが用意してくれたバースデー・ケーキにS氏とママとで”入刀式”をやり,先の2人組も巻き込んでみんなでいただきました 何という人類愛,浸透きずな,政治家の生活が第一なのでしょうか・・・・・・何のこっちゃ

 

          

 

上野写真は,もとい,上の写真は,S氏に「殿,恐れながら,週刊文春や週刊アサヒ芸能の記者に追いかけられる恐れがありますゆえ,ブログに載せるのは控えましょうか?」と具申したのですが,「これ三太夫,週刊文春が怖くて,週刊フライデーを恐れてサラリーマンは務まらんのだぞ 苦しゅうない,載せても差し支えないぞ.良きにはからえ」と仰せだったので,通常のサイズで大々的に掲載することにしました.後でどーなっても知らねーよ,オレ 一応”無断転載を禁ず”と書いておこうっと

結局3時間居座って1人10曲ぐらい歌いまくって10時半過ぎにお店を出ました.この店は良心的な店で,すごく楽しいので,また来週も行きます 貯めてもいいのは貯金とマイレージで,貯めてはいけないのはストレス 週末にはストレスを発散しないと気持ちのいい近未来が開けませんからね

さて,テレビで今朝の関東地方の天気を見ると,釣り大会の現場,千葉県沖の海は”南風で波高し”とのこと.船は出るのか出ないのか? 参加者の釣果やいかに

 

  閑話休題  

 

高倉健著「あなたに褒められたくて」(集英社文庫)を読み終わりました この本は1991年6月に林泉舎発行,集英社発売の単行本を文庫化したものです

高倉健と言えば,言わずと知れた日本を代表する国際的な映画スターです 1931年2月福岡県生まれ,56年に映画デビューし,日本アカデミー賞主演男優賞をはじめ数多くの賞を受賞しています.この本で第13回日本文芸大賞エッセイ賞を受賞しています

同じジャンルの本でも,ちょっと前に読んだ芥川賞受賞作家・川上未映子の「そら頭はでかいです,世界がすこんと入ります」とは対極的な位置にある書き方です.男と女,博多生まれと大阪生まれ,いろいろ違いがあるでしょうが,一番違うのは感性です 川上未映子の場合は,すべての事をしゃべったそのままの言葉で,しかも大阪弁で綴っていくのに対して,高倉健は”行間を読め”とばかりに最小限のことしか語りません 相手に対しても必要以上の言葉を求めようとしません.”饒舌対寡黙”と言ってもいいかもしれません

この本を中心に例を挙げれば,「お心入れ」というテーマのエッセイの中で健さんは次のように書いています

『お心入れ』って,いい言葉ですよね.

お心入れがないんですよね,このごろ・・・・・・端的に,どこどこの何でございますって,ちょっと高級といわれる料亭に行くと,

『ええ,これは琵琶湖のシジミでございます』って.

『聞いてねえよ』って言いたいときがありますね.

出された方は,これだけ気をつかって出してもらった,みんなわかってる・・・・・それはもうある意味では,文化だって気がするんですよね」

健さんによれば,余計なことを言わなくても,分かる人にはちゃんと分かっているのだということになります 私もそう思います.こういう文章を読むと高倉健が増々好きになってしまいます

ところで,高倉健と言えばヤクザ映画ですね.私が大学生の頃は,大学紛争の名残りがまだ燻っていた時期でした.そんな中,学園祭が開かれ,学生自治会の主催により大講堂で高倉健主演のやくざ映画がオールナイトで上映されたのです 酒を飲みながら観る者あり,タバコを吸いながら観る者あり,大講堂は”無法地帯”あるいは”解放区”と化しました 健さんが後ろのヤクザから狙われようのもなら,誰かがスクリ―ンの健さんに向かって「健さん,危ない 後ろに敵がいるぞ」と叫んだりしていました.その頃,高倉健は右翼にも左翼にも支持されるカッコいい憧れの存在でした

この本には,高倉健という一人の人間の人柄がよく出ています 車好きの健さん,厳しい監督への想い,密航に失敗した若き日の思い出,ロンドンからかかってきた不思議な電話の話・・・・・・たくさんのエピソードが詰まっています ところで,表題の「あなたに褒められたくて」の”あなた”とは誰のことでしょうか・・・・その答えは本書に最後のエッセイに書かれています.お手に取ってご覧ください

 

          

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