15日(木).昨日の野田首相の”16日に解散”発言には驚きました 不意打ちを食らってY・ABE~と思った安倍自民党総裁は「われわれだけで決めてしまっていいんですか?」と弱腰発言 これに対して野田首相は決然と言いました「これでいい野田」
昨夕5時半にX部長から”打ち合わせ”の打診がありました 7時から虎の門のJTアートホールでコンサートがあるので,逆算して6時半までは付き合えると判断,地下の焼鳥0で飲みました 中ジョッキで乾杯して,その後は新潟銘酒”きりんざん”を飲みました 仕事の打ち合わせも順調に進んで,きっちり6時半に店を出ました 徒歩で虎の門へ.酔い覚ましにホットコーヒーを飲んでフリスク・ペパーミント味を舐めてコンサートに臨みました
7時開演のコンサートの出演者は「トリオ・ポストレーモ」です このユニットは東京フィル指揮者・渡邉一正,群馬交響楽団コンマス・伊藤文乃,広島交響楽団首席チェロ・マーティン・スタンツェライトの3人が2002年に結成したグループです 渡邊和正が95年から2002年まで広島交響楽団の正指揮者を務めていたときのコンマスが伊藤文乃さんだったとのことで,その時の縁でトリオが結成されたそうです.「ポストレーモ」とはラテン語で「やっと」という意味だそうです
プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ三重奏曲第5番”幽霊”」,②マルタン「アイルランド民謡による三重奏曲」,③ドヴォルザーク「ピアノ三重奏曲第4番”ドゥムキー”」です
自席は4列7番と,かなり前の真ん中の見通しの良い席です 会場は3分の2位埋まっている感じでしょうか.いつものように「ケータイ電話の電源をお切りください」のアナウンスがあり,ハッとしました ”飲んできた”ので,肝心なことを忘れていたのです.”飲んでいない”しらふの時はこんなことはあり得ません.アナウンスに感謝です
伊藤文乃は朱色のドレス,スタンツェライト氏は赤の蝶ネクタイ,渡邊一正はフツーの黒の上下で登場です 1曲目のベートーヴェンの「ピアノ三重奏曲第5番ニ長調」は1808年に完成し,エルデーディ伯爵夫人に献呈されました 指揮者の渡邊一正があれほどピアノが達者なのにはビックリしました伊藤文乃のヴァイオリンは美しい音色です.スタンツェライトのチェロは朗々と響きます.アンサンブルも相性がいいです
次の曲に移る前にスタンツェライトが登場して流暢な日本語で曲の解説をしました
「ベートーヴェンのピアノ三重奏曲第5番は”幽霊”というタイトルがついていますが,私はどこが幽霊なんだろう?と思います.この曲は交響曲第6番”田園”の後に書かれました.この曲には”田園”に共通する雰囲気があると思います 次に演奏するのはマルタンの曲ですが,マルタンはスイス出身の作曲家です.”アイルランド民謡による三重奏曲”は,マルタンがフランスに行ったときに,アイルランド系アメリカ人から依頼されて作曲したのですが,依頼者がお金を払わなかったのです しかし,マルタンは”良い曲が出来たからこれでよし”として請求しなかったということです 時計で有名なスイスはドイツよりも時間に”正確”ですが,スイス生まれのマルタンは”性格”も良かったのですね」
ここで笑が起こります.赤の蝶ネクタイがオシャレですが,シャレもなかなか冴えたドイツ人です
マルタンの「アイルランド民謡による三重奏曲」は1925年に完成した3つの楽章から成る曲ですが,面白いと思ったのは第1楽章「アレグロモデラート」です 基本的には舞曲の曲想なのですが,あの映画「ゴジラ」の音楽を作曲した伊福部昭の「日本狂詩曲」あるいは「交響譚詩」に良く似ているのです.これにはきました.
休憩後のドヴォルザーク「ピアノ三重奏曲第4番ホ短調”ドゥムキー”」は,1891年2月に完成しました.「ドゥムキー」というのは「哀歌」「挽歌」を意味する「ドゥムカ」の複数形です.この曲は6つの楽章から成ります.私は多分この曲をナマで1度聴いたことがある程度です.CDも持っていません.そんな状況ですが,この曲が民族色豊かな曲であると感じました 第6楽章の後半に聴いたことのあるメロディーが出てきて”ああ,これがドゥムキーか”と思いました.
アンコールにドヴォルザークの「わが母の教えたまへし歌」を詩情豊かに演奏しました
このコンサートを主催しているのは公益財団法人アフィニス文化財団というJT(日本たばこ)系の財団ですが,とくにプロのオーケストラの演奏家を支援しているのが特徴です.演奏家は演奏したいのです.しかし,その場がないのです.その場を提供しているのがJTアートホールの主催公演です.私はタバコは吸いませんが,JTのこの活動は素晴らしいと思います