人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ダン・タイ・ソンのベートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番、5番」を聴く 

2012年11月09日 06時56分51秒 | 日記

9日(金).田中真紀子文部科学相が3大学の新設を不認可とした問題は、「現行制度にのっとり適切に対応する」ということで決着をみたようです ご本人は「役所の壁は固くて高い」とのたまわっているようですが、この1週間、翻弄された3つの大学はじめ関係者は、混乱し田中、騒動に真紀子まれて迷惑千番・笑止千万・カステラ一番でしたね・・・・・なんのこっちゃ

 

  閑話休題  

 

一昨日に次いで、昨夕すみだトリフォニーホールで、ダン・タイ・ソンのピアノ、クラウディオ・クルス指揮新日本フィルの演奏によりベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲演奏会の第2夜「第4番」と「第5番”皇帝”」を聴きました 第1夜に続いて元の職場のA君の計らいでチケットが手に入ったものです A君ありがとう

 

          

 

この日の自席は1階1列28番,最前列のヴィオラの前の席です.最前列はほぼ10年前に東京オペラシティコンサートホールでストラディヴァリウス・コンサートを聴いたとき以来です.この時も招待席でした.自ら最前列のチケットを買うことはまずあり得ません あまりにも前過ぎて,ほとんどの演奏者の顔が見えません ピアノがなければ西江コンマスはじめヴァイオリン奏者が見られるのでしょうが

1曲目の第4ピアノ協奏曲は1805年から翌年にかけて作曲されました.冒頭ピアノの独奏から入るなど革新的な手法をとっています 初演は1808年12月22日,アン・デア・ウィーン劇場で,交響曲第5番”運命”や第6番”田園”の初演とともに,ベートーヴェン自身のピアノによって挙行されました

ダン・タイ・ソンのピアノのソロで第1楽章が始まります.ピアノの近くにいるせいか,一音一音が明確に分かれて聴こえます いつも会場の中央より後方で聴いていると,反響音のせいかひとつの流れとして聴こえるのですが.これは新鮮な驚きでした

ヴィオラがすぐ目の前で演奏しているので,自然と演奏者のスタイルに目がいきます 女性は一律に上下黒の衣装を着ているので,誰もが同じかと思ったら,一人一人が微妙に違う衣装を身に着けていることが分かりました また,ヴァイオリンの顎当ての部分も男女問わず,一人一人が違います.これも新鮮なでした.

休憩時間に2階のホワイエに行くと,すでにワイングラスを手にしたA君が待っていました 私は風邪薬を飲んでいる関係でアルコールは酒,もとい避け,コーヒーを飲みました 近くにいた女性の二人ずれが前半の演奏について語っているのが耳に入りました

「まじめなベートーヴェンだったね」

「うん,正しいベートーヴェンだよね(笑)」

案外この二人の感想はダン・タイ・ソンの演奏の核心を突いているのではないかと思います

後半の第5ピアノ協奏曲は1809年~10年に作曲されました.ベートーヴェンが名づけた訳ではありませんが,”皇帝”という愛称に相応しいスケールの大きく勇壮な曲です

クルスの指揮でオーケストラの和音が鳴り響き,続いてピアノ独奏が勇壮なパッセージを奏でます ダン・タイ・ソンはこの曲の方がノリがいいようです.オーケストラの弦楽器が総奏する場面では,床面を通して振動が客席まで伝わってきます.これは最前列ならではの醍醐味でしょう

2夜連続でベートーヴェンのピアノ協奏曲全5曲を聴いた感想は”楷書体の演奏”とでも表現したら良いようなキッチリした,遊びのない,まじめな演奏でした

 

          

コメント
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