人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

川上未映子著「そら頭はでかいです,世界がすこんと入ります」を読む 

2012年11月14日 06時50分11秒 | 日記

14日(水)。川上未映子著「そら頭はでかいです,世界がすこんと入ります」(講談社文庫)を読み終わりました 川上未映子は1976年大阪生まれ.2008年に「乳と卵」で第138回芥川賞を受賞しました.このブログでも彼女の作品を2度紹介しました

この本に収められているのは彼女が2003年8月29日から2006年8月29日までに自身のブログ「未映子の純粋悲性批判」に書いた日記です 彼女のデビュー小説「わたくし率 イン 歯ー,または世界」が2007年のことですから,デビュー前の随筆ということになります

文章をみると,すでにこの頃から彼女の文章の特徴である句点(〇)がなく読点(,)で長々とつないでいくスタイルが出来上がっていることがわかります 例えば「猫パニック」というタイトルの文章は24行ありますが,途中で句点があるのはたったの2か所です しゃべり言葉をそのまま文章にしている,と言えばよいのでしょう.しかも大阪弁で

中にはタメになる知識も紹介しています 「猫マーク」では次のように書いています.

「みんな,知ってますか.我々が使うびっくりマーク「!」と,疑問があるとき使う「?」マークは,猫をお尻のほうから見た模様なんやということを.上の部分は,びっくりしたとき,および疑問を持ったときのしっぽの形,下の黒丸は猫のお尻の穴だということを」

そうだったんすか また,「凄いはげまし」では,次のように書いています.

「『井の中の蛙』のことわざの話になって,驚くべきことにこの続きを誰も知らなかったので,教えてあげたら,凄く盛り上がった,みんなの気持ちが静かに盛り上がった ・・・・井の中の蛙,大海を知らず,されど. されど? 空の青さを知る. やなんてすごい励まし.でも空の青さは井の中から出ても変わらず見えるわけで.青さだけを知っていることと,大海の広さと空の青さを知っていること,どっちがいいかなんてそら場合によるよな

全部で136本の随筆が収録されていますが,ブログに書いた文章の集積なので,1本1本の長さはまちまちです

そういえば何日か前の新聞に川上未映子のエッセイが載っていて、私がちっとも知らない間に赤ん坊を産んだらしいです 「結婚なんてしそうもない」と言っていたのに、いつの間にか結婚しているし、「子供なんて怖い」と言っていたのに、いつの間にか出来てるし・・・・・・この人っていったい・・・・・・

文庫本の帯に「怒涛の大阪弁で綴る芥川賞作家デビュー随筆集」とありますが,まさにエンドレスの言葉がちっちゃい頭に怒涛のように押し寄せてきてすこんと入ります

 

          

 

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