人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

シューマン「幻想曲ハ長調」を聴きながら~奥泉光著「シューマンの指」を読む

2012年11月23日 07時10分18秒 | 日記

23日(金・祝日).昨夕,25日に誕生日を迎える当社K君の誕生祝パーティーを開きました K君がB3で開かれる鞴祭(ふいごまつり)に参加するため,時間調整で地下のOで飲んでから迎えに行きました.S氏とK君と私の3人で上野に向かい,またまたカラオケスナックFで歌合戦 を展開しました.誕生日を控えたK君は96点を連発して絶好調振りを発揮していました 残るわれわれ二人は95点が最高でした.ちなみにこの店では96点の高得点は滅多に出ないとのことです 一人で飲んでいた中高年のお客が彼の歌を聴いてすっかり気に入ったようで,「うちの娘が19歳で理系の大学生なんだが,どうかね?」とさかんに勧誘していました 「今度この店で会ったら運命だからね」と念を押されていました.ひと通り歌った後,ママが用意してくれたケーキ のロウソクを吹き消し,入刀しました.

 

          

 

えっ,何も写ってないんじゃないかって? すみません,ロウソクの火が消えた後にシャッターが下りたもので・・・・・・これが本当のシャッター・アウト,なんちゃって ・・・・・正直に話します.ちゃんと写った写真もあるのですが,ここに公開して前途有望な独身青年の未来を閉ざしてはいけない,と敢えて掲載しなかったのです 何という美しい職場愛・人類愛なのでしょうか!自画自賛 もちろん週刊現代に追いかけられるようなヤバイ写真ではありません,本人の名誉のために,念のため

 

 

  閑話休題  

 

 

奥泉光著「シューマンの指」(講談社文庫)を読み終わりました 著者の奥泉光は1956年山形県生まれ.国際基督教大学大学院比較文化研究科博士前期課程修了.1994年に「石の来歴」で芥川賞を受賞しています.この作品は,講談社創業100周年記念書き下ろし作品として2010年7月に単行本として刊行されたものを文庫化したものです

音大のピアノ科を目指していた私(里橋優)は,後輩の天才ピアニスト永嶺修人が語るシューマンの音楽に傾倒していきます 浪人が決まった春休みの夜,高校の音楽室で修人が演奏するシューマンの幻想曲を偶然耳にした直後,プールで女子高生が殺されます その後,中指を切断したはずの修人が海外でピアノを弾いていたという噂が飛び込んできます.これはいったいどうしたことか

354ページに及ぶ大作です.しかし,そのうちの大半はシューマンとシューマンの音楽に関わる著者の薀蓄が披瀝されていると言っても良いほど,この著者はシューマンにこだわっています.私はこの小説を少しでも理解できるように,小説に登場する曲のCDを聴きながらこの本を読み進めました 「ピアノ協奏曲イ短調」,「クライスレリアーナ」「ダヴィッド同盟舞曲集」,そしてこの小説でテーマのように使われている「幻想曲ハ長調作品17」.中でも「幻想曲ハ長調」はこの小説に何度も登場するので,その都度CDを流しました

著者は余程のシューマン愛好家なのだと思います それだけに,この小説を3分の2位まで読み進んで思うのは,いったいこの小説は推理小説なのだろうか,それにしては余りにも事件そのものの説明が薄すぎる,ということです

ところが,最後に,私(里橋優)の妹・恵子が高校の美術教師・吾妻豊彦に宛てた手紙を読むと,これまでの一切の物語がひっくり返り,最初に登場した「永嶺まさと」がいつの間にか「永嶺雅人」に言い換えられていた理由が明らかになるのです 強引とも思われるストーリー展開ですが,シューマンの音楽を聴きながらの読書は,楽しいひと時だったことは確かです

 

          

コメント
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