曳山祭りには昔ながらの狭い通りと瓦葺屋根が似合う。
ここは北国街道、しゃぎりが町を包み込む。
長浜では子供歌舞伎の上演を狂言執行と呼ぶ。
役者は5才から12才の男子。
4月14日のお楽しみは「役者夕渡り」
夜の7時になると八幡宮から各山組へ、
子供役者が役柄に応じた歩き方で、
ゆっくりと練り歩きます。
昨年に引き続き今年も雨となり大手通りで規模を縮小してのお練りとなりました。
ちょっと、休憩させてね。
お客さん多いな~ これは頑張らんと・・・
子供役者の熱演が始まった。
「常磐山」の外題は「一條大蔵譚」
各地の地歌舞伎でも度々上演されるお馴染みの演目。
本外題は「鬼一法眼三略巻」 「一條大蔵譚」はその四段目。
公卿の大蔵卿が阿呆を装い周囲をあざむくお話し。
ここは志村けんのバカ殿様か、古いところでは天才喜劇役者藤山寛美を範としたいものだ。
阿呆の大蔵卿が一転、聡明で凛々しい姿で本心を吐露。
蛭ケ小島の頼朝や、まった鞍馬の牛若に、届けてくれよ大蔵が寸志の一品・・・
一度よりも二度目、二度より三度、見るごとに惹きこまれてゆく芝居の奥深さ。
観衆の熱いまなざしが子供役者へ一身に集まる。
逢うたときの嬉しさより 今日の別れが御名残り惜しい
2019年4月 滋賀県長浜市