もう、チョイ、右へ・・・
まだか~ 重い~
曳山は八重垣神社鳥居正面に寸分の狂いなく据え付けられる。
限られた時間との闘いでもある。
「鳳凰山」の奉芸が始まった。
芸題は「新版歌祭文・野崎村」
場は野崎村、百姓久作の家。
近松半二原作のお染久松物語。
二人きりになったお染と久松。
ドキツ、
ドキ、ドキッ・・・
手を握り肩を抱く艶技に観衆は息をのむ。
百姓久作の渋い芝居は助演男優賞もの。
お染は後を追ってきた母お常と共に大阪へ、
心中覚悟のお染と久松、大店のお嬢様の恋は情熱的だ。
格調高い楼閣造りの曳山舞台上で、
子供たちの芸は回を重ねる毎に上手になってゆく。
2016年5月 岐阜県不破郡垂井町