旅と祭りのフォトログ

さて、どちらへ行こう 風が吹く

垂井曳山まつり2019 其の三

2019-05-25 22:38:13 | 垂井曳山祭

 「攀鱗閣」の芸題は「摂州合邦辻 合邦庵室の場」

 

 奉芸前の厳粛な儀式。

 

 奉納芸ですから神様に失礼にならないよう鳥居正面に曳山は据え付けられます。

 

 先人から伝承されてきた祭礼の決まり事です。

 

 さて「摂州合邦辻 合邦庵室の場」を鑑賞するのは初めてです。

 

 嘘と不倫の恋をとりあげた本作品は大正時代には上演禁止になった問題作とのこと。

 

 子供たちはどんな芝居を見せてくれるのか興味津々。

 

場所は合邦庵、玉手御前の邪恋から逃れた俊徳丸は業病で盲目となり許嫁の浅香姫とかくまわれている。

 

 そこへ俊徳丸の後を追って玉手御前が現れた。

 

 合邦に咎められても俊徳丸を口説くことをやめない玉手御前。

 

 浅香姫に嫉妬して乱交の限りをつくし、俊徳丸に毒をもったのは自分の仕業と告白。

 

 これを聞いた合邦は思い余って刺してしまう。

 

 わけも知らずに刺してしまったとはいえ、これ以上お前を傷つけることなどできぬ

 

 寅年で寅の月、日、刻が揃った生まれの女の肝臓の生血をのませれば業病は全快する。

 

 玉手御前は肌身離さず持っていた鮑貝で自らの肝臓の生血を飲ませると、

 

 すると、不思議にも俊徳丸はたちまち元の美しい若殿の姿に立ち戻ったのでした。

 

 家督相続をめぐるお家騒動に巻き込まれた継母の信じ難い愛の形。

 

大人の心をもった子供たちの渾身の演技でした。

2019年5月 岐阜県垂井町

コメント (2)
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