八重垣神社の神前に向け、寸分の狂いもなく曳山が据え付けられる。
一番山「攀鱗閣」の芸題は「梶原平三誉石切・鶴ケ岡八幡社頭の場」
まずはお目出度い三番叟から。
「一点曇らぬ名刀でござる」・・・
梢が嘆き。
大庭三郎景親が睨む。
「いかに名刀と言えど切れ味悪ければ鰹かき同然なり」・・・
「二つ胴も易い事」・・・
歌舞伎の世界では梶原景時は悪役で通っているが、その景時が善玉に描かれている唯一の演目。
美濃の吉右衛門と呼びたくなる梶原平三景時の気品。
2012年5月 岐阜県垂井町