<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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海外旅行の行き先と言えばほとんどがアジアの私。
タイにミャンマー、ベトナム、シンガポール、台湾、マレーシア、ラオス。
台湾を除くといずれも東南アジアの国ばかりだ。
「中国とか韓国、香港には行ったことはないんですか?」
と訊かれることがある。
その都度、
「ありません」
と即答している。
「どうして?」
と続いて訊かれると、
「行きたくないから」
と、これも答えることにしている。

しかし実は韓国の金浦空港にだけは一度だけ降り立ったことがある。
たしか1988年初めのこと。
私はロサンゼルスへ向かうため途中金浦空港でトランジットしたのであった。
つまり何を考えたのか大韓航空機を利用してしまったのだ。

大韓航空機。
あのピーナッツ娘で有名な韓国の航空会社だ。
なぜ大韓航空機を利用したのかというと安かったから。
理由はただそれだけ。
当時は大阪出発の国際線といえば関西空港が無かったので伊丹空港から。
大阪伊丹からの北米路線はサンフランシスコ行きがあるだけで、他はすべて成田経由。
成田を経由するのもソウルを経由するのも大阪からであれば時間も手間もさして変わらない。
しかも航空券がより安いとなれば、とソウルを選んだ。

ところが航空券を買ってから大変な事態が発生した。
北朝鮮の工作員が仕掛けた爆弾で大韓航空機が爆破墜落させられたのだ。
ミャンマー上空で炸裂した機体はアンダマン海に散逸した。
実に出発数ヶ月前のことであった。

家では急遽、家族会議が開かれた。
乗るべきが乗らざるべきか、というやつである。
散々悩んだものの何度も何度も続けて爆破されることは無いだろう、と言う「爆弾の落ちた場所に再び爆弾が落ちる確率はかなり低い」と同じ論理で結論に至った。
つまり予定通り搭乗した。

今も昔も直行便ではなく乗り継ぎは非常に面倒くさい。
電車の乗り継ぎと異なり、飛行機の乗り継ぎは数時間待たなければならない。
この時は3時間ほど待たされた。
金浦空港内ではすることもない。
初めての場所なので落ち着いて読書をする感覚もない。
仕方がないので売店でビールを買って飲むことにした。
多少酔っ払うと、リラックスできると思ったのだ。
店へ行くとカウンターの中で若い男と女の店員が笑いながら話をしていた。

「ビールください」

と私が英語で頼むと、二人の表情から笑顔が消えた。
なんじゃこれは、と思った。

「ビール、1杯ください」
「?」
「ビール」

返事もせずに男の店員がビールを紙コップに注ぎ、グラスを「トンッ!」と置いた。
なんとも無愛想である。
日本では考えられない態度だ。

「いくら?」
「.......(看板を指差す).....」

今の私ならビールカップも受け取らない代わりに、金も払わず立ち去るところだが、この時は指された金額を払ってむかっ腹立てながらカップを持ってを立ち去ったのであった。
尤も、今の私ならそもそも大韓航空やアシアナ航空には乗らない。

この韓国人のスタッフの無愛想は大韓航空機内でも同じであった。
客室乗務員は笑わない。
笑顔も見せない。
隣に座った韓国人ビジネスマンは無愛想ではなかったのだが、客室乗務員が軒並み無愛想なのであった。
私は韓国人の無愛想は文化なのかも知れない、と思ったのだが、白人の客に対しては愛想よくしているので、文化ではなく性格なのだと確信した。
以来、こんなエアライン誰が乗るもんかい!と利用する気持ちが起こったことすらない。

今日、在韓国の日本大使と領事が一時帰国したことが大きな話題になっている。
慰安婦像なる売春婦像の設置に対する日本政府の抗議の表れだ。
今回の件と、30年近く前の無愛想さを思い出して考え合わせると、一時帰国ではなく、もう向こうに戻る必要はないのではないか、と思えるのだ。

はなはだ厄介で異質で、相変わらず無愛想な隣人である。

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