<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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大阪南港のATC10階にある大阪デザイン振興プラザでソーシャルデザインカンファレンスが開催されている。
なかなか見応えのあるアートイベントだ。
先日、仕事で南港へ行ったついでに気になっていたこの展示会を見てきたのだ。

デザインというと、「絵を描くこと」と思っている人が多いことと思う。
私も高校生ぐらいの時は、そう思っていたものだ。
例えば、
レタリング文字を描いたり、
衣装のスケッチをしたり、
店舗の内装パースを描いたり、
という、カリカリした作業をデザインと一般的に思っていたのだ。

実のところ、ビジネスにおける「デザイン」というものは、もっと総合的なものなのだ。
どういうことかというと、使う人、或いはそのサービスを享受する人の社会的な位置や、コミュニティのあり方、ライフスタイル、流行を考慮に入れた、全体設計。
つまり要素としてマーケティング、ブランディング、視覚的・聴覚的・触覚的・味覚的なデザイン、設計、加工、販売方法、流通、サポートなどまですべてを含めたものを「デザイン」と呼ぶのだ。

ソーシャルデザインカンファレンスはそういった社会のあり方や機会、意味、そして人々の生活のクオリティアップなどを目指した「デザイン」の総合展で、数多くのデザイナー、会社、大学、団体などが出展している。

例えばどんなものがあるのかというと、震災時のボランティアがつける「私は〇〇ができます」ゼッケンや救援物資に貼られるピクトグラムシールといった巨大災害を経験する日本ならではのソリューションがある一方、発展途上国のBOP(ピラミッドの底辺)の人々を支える水を運ぶためのツールや飲むためのツール、照明器具などのアイデアやシステムがデザインとして展示されているのだ。



仕事を考える上での発想に役立つことはもちろん、自分の日常の過ごし方についても一考する機会を与える、ユニークな展示会だ。

今の市場は「安ければ良い」という製品が溢れている。
日本製品もアジアの製品も品質的に変わらなくなってきている現在、価格が主な競争手段になっているわけだが、

「そうじゃないでしょ」

ということをこの展示会は呼びかけている。
今や安くても社会に有為ではない製品は受け入れられず、社会のこと、未来のことを考えてデザインされたものが今後の世界をリードしていく製品あるいはサービスになることを如実に示しているのだ。

安いからといって中味を分解してみたら、有害物質がいっぱい詰まった古いタイプのコンデンサーがいっぱい使われていた、というような海外S社やL社の液晶テレビのようでは困るのだ。

ということで、会期は4月8日(日曜日)までのようなので、社会をデザインで創造することに興味ある人は是非とも南港へ行ってみよう!




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