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明日はいよいよ参院選挙。
各党必死の選挙戦を展開しているが、市民は至ってシラケムードのように思うのだが、気のせいか。

今回の選挙戦での大きな公約に各党とも「脱原発」を掲げている。
危険な原発は不要だ、というごもっともな意見で、できるなら福島県の悲劇は二度と繰り返したくないというのが国民だけでなく全人類の希望だろう。
でも、原発止めて、代わりのエネルギーはどうすんの?と質問したら、これまた各党ともに実情に沿わない、いい加減な意見ばかり。
自然再生エネルギーに変えましょうといったところで、そんなもので必要エネルギー量が足りるはずもなく、具体的政策は適当にごまかされているのが実情だ。

実際のところ、関西電力大飯原発の恩恵にあやかっている大阪府民の私が言うのも憚れるのだが、原発に代わるエネルギー源はそう簡単にないというのが21世紀の初頭の現実ではないだろうか。
なんといっても原発のエネルギーは E=mc2。
この規模で生み出されるエネルギーは原子力以外には実用できていない核融合や反物質エネルギー反応(=SFの世界だけ)ぐらいしくなく、再生エネルギーの水力発電や風力発電で補うにもあまりにも巨大すぎる。

例えば映画「黒部の太陽」で有名な黒四ダム。
富山県の黒部渓谷に建設されている巨大だダムだ。
このダムで生み出される電力は関西に送られているのだが、その出力は約33万キロワット。

対する大飯原発は現在3号機と4号機が稼働中で、その合計出力は約230万キロワット。
黒四ダム7基分のエネルギーを生み出している。

この計算から、
「黒四ダム規模を7基作れば環境対応できるじゃない」
というおめでたいひとが出てくるかもしれない。
そういう人はホントに山本某のようにおめでたい。
だいたいそんなに多く巨大ダムを建設できるはずもない。
黒四規模のダムを7つも作れる場所はほとんどなく、作れたとしても広大なエリアの環境破壊に繋がり、原発を反対するのとほぼ同じ人達がその建設にこれまた反対するに決まっており、現実的ではない。

また風車で発電する風力発電は1基がだいたい2~3000キロワット。
これで原発を補おうとするとそれこそ何百何千という風車が必要になり、そこら中風車だらけになってしまい、風の谷のナウシカのオープニング映像のような光景になり、これまた現実的ではない。

原発廃止に向かうには科学技術と政治力と経済のマネジメントスキルの進歩が不可欠で、それをどのようにどうやって実現するのか具体的プランニングができないようであれば、安易に脱原発を叫ぶのは単純すぎて話にならない。

単に「原発廃止!」と叫んでるだけの政党は、「江戸時代にもどろう!」と叫んでいるのと似たようなものに思えるのだ。
いっそ、自動車電車廃止、駕篭かき復活、大八車OK、仕事は夜明けから日没まで、iPadはそろばんと黒板で十分、そんな生活にしませんか?と言ったほうが危ない人に見えるかもしれないが具体性がある分、支持できるようなきがする。


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