<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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リーマン・ショック以来だろうか、通勤電車の中で読書をする人の中に図書館の本を読んでいる人が少なくないことに気づくようになった。
それもたまにではなく、結構頻繁に見かけるようになったのだ。
なぜ図書館の本かと分かるかというと、書店の紙カバーもなく書籍を裸で持ち、その書籍の背表紙には「○○市立図書館」とかいう図書館の分類シールが貼られているからだ。
書籍の購入には多額の費用がかかるためか、それとも書店においていない本が読みたいからなのか、図書館の書籍を電車の中でよく見かけるようになったのだ。

かくいう私も図書館はよく利用する方だ。
どの程度利用するのかというと、月に2~3回利用するのだ。
その主目的は仕事のことで調べ物をする時と、暇つぶしをしたい時だ。

仕事で図書館を利用するなどというと、どことなく「キザで嫌なやつやな」と思われる人もいるかもしれない。
が、なんといっても私の会社は、経営者一族が偉そうなことを言いながら権力をふるいながらも、実は仕事に利用できる書籍もほとんどなく、新製品開発や関連法規を調査するための資料は自分で集める必要がある。
これが大学のラボにいるときなどは大学の図書館を利用すればいいのだが、会社にいる時は結構難渋することになる。

私の会社は大阪南部の臨海部にあり、そこから近くの図書館には自動車を使って出かけなければならない。
しかも近くの公共図書館が規模的に小さな上、当然蔵書量も少なく、近所のTSUTAYAのほうがバリエーション豊富ではないかと疑ってしまうこともある。
図書館といえば文化力のバロメーターだが大阪南部は文化のバロメーターは「祭り力」だと思っているフシがあり、なかなか難しい。
だから図書館というと、堺市や大阪市の市立中央図書館を利用することになる。
実を言うと国会図書館に次ぐ蔵書数を誇る大阪府立図書館も利用したいのだが、東大阪という私のロケーションからは大変不便な場所にあるので使ったことがない。

この図書館、最近は行政、医療やビジネスなどの情報発信基地としての役割を果たしているが、どれだけの人がそのサービスを利用しているか定かではない。
また図書館本来の機能をどれだけ有効に利用できているのか、これまた定かではない。
図書館といえば無料のTSUTAYAだと勘違いしている人もいるかもしれないのだ。
とりわけ武雄図書館などというのが話題を呼ぶと、そう思う人も出てくるかもしれない。

そんなこんなで図書館について何かいい本はないかと日頃感じていたところ、いい本を見つけた。

「図書館に訊け」(ちくま新書)

著者は同志社大学図書館の司書である井上真琴さん。
本書の内容には図書館そのものの利用方法のみではなく、著者の図書館という存在そのものに対するものすごい情熱が漲っているのだ。
それも図書館があらゆるものに対するポータルサイトになる可能性を秘めているのではないかと思えるほどのパワーを感じるのだ。
そしてそれは、今まさに進んでいる図書館革命の一つに過ぎず、本書を読むことで図書館に対する価値観が大きく変わる人も少なく無いだろうと私なんかは考えるのである。
ちなみに、私も図書館といえば無料で情報をさぐれるところ、程度にしか考えていなかったが、本書を読んでその利用方法いかんで人生をも変えるかもしれない存在であることを知ったのであった。

ああ、ビックリ。


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