全日空よ、オマエもか。
というのは会社の経営状態の話ではなく、機内サービスの話。
飛行機という乗り物が特別な移動手段ではなくなってもうずいぶんと経つ。
私が子供の頃「ヒコーキに乗る」なんていうと小学校のクラスメートは羨ましがり、それも最新鋭のB747ジャンボ機だったりすると嫉妬の嵐が吹き荒れたものだ。
「おれ全日空のスカイメイトの会員証持っているで」
と中学校の時、仲の良かったN君が言った時も正直私は嫉妬した。
私は高校生になるまでヒコーキに乗ったことがなく、新幹線も新大阪~広島しか乗ったことがなかったのだ。
そんなヒコーキはリッチな証明で、機内サービスも電車とは格段に異なっていた。
20年近く前に仕事で伊丹空港から沖縄に行ったときは頼みもしないのに機内食が出た。
サンドイッチのボックスセットで非常に美味であったことを覚えている。
格安航空会社が登場するようになって、空の旅は身近になった。
身近になった反面、特別な移動手段ではなくなってしまった。
当然、サービスもそれなりになった。
低価格が売りのスカイマークエアラインは機内サービスのドリンクは有料だ。
かつては大塚食品の小型のペットボトルソフトドリンクが配られていたが、今は100円などで購入しなければならない。
国際線でも低価格が売りのジェットスターなんかは機内食がオプションだ。
関空~シドニー・ブリスベンを機内食無しで移動するのはさぞ辛いことだろう。
で、そのケチケチエアラインにこのたびめでたく全日空が加わることになった。
新聞報道によると今年の4月1日から「水とお茶」以外はすべて有料になるんだとか。
飲みたい人や食べたい人は「ANA My Choice」を購入しなければならないという。
当然厳選されたメニューなのだろうが、そうなると新幹線のワゴンサービスには勝ちっこない。
ということで、電車の移動よりもせこくなりそうな空の旅。
全日空、オマエもか。
という意味はここにある。
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このような状況でも日本ならではのホスピタリティを心がけている航空関係者も多いのですから一刀両断は随分と酷薄ではないでしょうか。
ようこそいらっしゃまいした。
私の書き方(表現とも言う)がキツイのか、おっしゃる通り。
頑張っている方々のほうが多いわけで、「酷薄」とお叱りを受けてもしかたがないかもしれません。
それにしても、旅の中の「移動手段」にささやかな夢がなくなってきました。
尤も、大昔に感じた夢ですけど。
新幹線や飛行機は小生が子供の頃は夢の乗り物で、それぞれ「ビュッフェで食べるカレーライス(新幹線)」「機内で味わう西欧料理(飛行機)」は一種のステータスでした。
それが今や新幹線は山手線並のビジネス電車で飛行機は空飛ぶ高速バスです。
ちょっと哀しいではありませんか。
また、いらしてください。