<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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1988年1月。
私はロサンゼルスにいる親類宅を訪れるため、伊丹から金浦空港経由の大韓航空機を利用した。
まだ、関西空港はなかったので伊丹の大阪空港が名実ともの国際空港なのであった。

「ホンマに、大丈夫?大韓航空機に乗ったりして。旅行やめたら。」

と本気で心配したのは母なのであった。
というのも、このアメリカへ出かける二ヶ月ほど前に、大韓航空機に関する超ビッグなニュースが世界中を駆け巡ったからなのであった。
そのニュースとは大韓航空機に仕掛けられた爆弾が飛行中に炸裂し、ミャンマーのアンダマン海に墜落した、いわゆる大韓航空機爆破事件が発生していたからであった。

「大丈夫やで。飛行機がそんなにさいさい爆破されることなんかないって」

と言っては母を慰めた。
しかし実際は、私も大韓航空機に乗るのはまったくもって気がすすまなかったのも事実で、我が生命よりも大阪~ロサンゼルス往復12万円という当時としては破格のチケットのほうを重要視してしまったのであった。
ホントは日系のエアラインで行きたかったが、12万円なんて金額でチケットを買えるわけがない。
この時は人生2度めの海外旅行で、しかも2度めの米国旅行で、前回はかのパンナムであっただけに、できれば今回は日系の、それもできれば憧れのJALで行きたいと思っていたのだった、
が、現実は予算のほうが重要で、大韓航空機になってしまったのであった。

大韓航空機といえば、爆破事件以前にもソビエトの空軍に撃墜されるという事件もあったりして、航空機事故ならぬ事件には関係が少なくない。
従って、家族のためを思うと、今の私なら絶対に他のエアラインを選ぶのだが、若気の至りというかなんというか、はなはだ安全無視なのであった。

結局無事に行って帰ってきたのだったが、トラブルが無いこともなかった。
帰りにロサンゼルス空港で金浦空港で搭乗手続きをするときに、大韓航空の受付のお兄さんに、

「この便は満席で乗れないよ」

という意味合いのことを言われてドキドキとしたのであった。
当時の私は英語は話せず抗議もできない。
心配してついてきてくれていた日系2世の伯父さんが、

「リコンファームしとるんだから、そんなこと有るわけがなかろう」

という意味合いのことを英語で主張してくれた。
伯父さんは一時日本に来ていたときに戦争が始まってしまって米国に帰れず、岡山県で私の父と一緒に旧制中学にかよった中ので日本語は堪能なのだが岡山弁なのであった。
昭和一桁日系アメリカ人。
圧しは中途半端ではない。
その結果、

「ん~調べてみます。あ、ありました。でも金浦までで、そこから大阪への乗り継ぎはありません。ソウルに一泊してもらいます」

と、大韓航空のお兄さんは抜け抜けと言ったのであった。
今の私なら自身の口で英語であろうと日本語であろうと厳重抗議するのであるが、残念ながら繰り返すけれども当時の私は英語がからっきしダメだったので代理で伯父さんが、

「何言うとるんなら。ええかげんせんと人を舐めてるとおえりゃせんで」

というようなことを話してくれて、大阪への乗り継ぎも完了した。

この教訓から学んだのは大韓航空は危険ではなくて、「あぶない」航空会社だということであった。
予約しても、リコンファームしても、内容は当てにならず、おまけに金浦空港では日本人と見るやロビーの売店の店員は無愛想でぶっきらぼう。

「二度と使ったるかい!」

ということになり、今日に至るまで再び利用したことはない。
同じような経験は他のアジア系エアラインでも経験したことがなく、唯一ここのみなので、やはりお国柄かもしれないと未だに信じている。

あの頃は韓国といえば大韓航空だけだったが、今では複数のエアラインが就航しており、アシアナ航空もその1つ。
関空でよく見かけるので印象に残っている航空会社だ。

このアシアナ航空の飛行機が着陸に失敗し、複数の死者を出した。
場所はサンフランシスコ。
墜落した機種はB777。
1995年の初就航以来人身事故ゼロの機種であった。
この脅威の無事故記録を打ち破ったのが韓国の航空会社であったことは、偶然ではないかもしれない。
なんといっても「あぶない」エアラインの派生品。
どこに嘘が隠れているかわかったもんではないからだ。

既に記者会見では、
「安全に問題はなかった」
と社長は言っているらしいが、ツイッターに投稿された写真を見ると、飛行機から避難してくる乗客がスーツケースを転がしながら避難してくるところが写っていた。
これで安全に問題がなかったということはあり得ない。
乗客の半分が中国人というのも、この航空会社のポジションを示していると思った。
もしかすると、不法入国者の集団入国作戦だったんじゃないかと思ってしまったのだ。

米国では事件の経緯ではなく、B777で事故が発生したことにショックが走っているようだが、それは私も同じ。

原因の調査結果が注目されるところだ。

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