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ベトナム戦争が終結したのは1975年4月30日。
もうかれこれ40年近くが経過するわけで、私の会社に研修生として来日しているベトナム人は戦争のことは祖父母の話。
それはまるで日本人にとっての大東亜戦争と似たような歴史の1ページになっている。
もっとも日本の若者のように、
「日本がアメリアと戦争した?で、どこと戦争したの?」
と日米同盟のもと、日米が第三国と戦争した、なんて勘違いするものはいないに違いない。
ベトナムではベトナム戦争のことをアメリカ戦争と言うのだから。

このアメリカ戦争の英雄だったグエン・サップ将軍が先日死去。
享年102歳で、昨日から国葬が始まっているとマスメディアが伝えている。

正直、グエンサップ将軍がまだ生きていたとは夢にも思わなかった。
昔の近藤紘一や開高健のエッセイなどに登場するホーチミンの片腕だったグエンサップ将軍が21世紀の今日まで元気に存命していたことは、かなりの驚きだった。
グエンサップ将軍は1945年のベトナム独立からフランスと戦い、アメリカと戦い、中国と戦ったその戦歴は東南アジアのみならず、世界史の1つに記憶されるべきものだ。
しかも、ベトナム戦争終結とその後に続き南北の統一を目にすること無く亡くなったホーチミンとは異なり、その後の華僑追放とドイモイ政策とその失敗、その後の米国との国交回復や現在へ続く経済発展を見届けたグエン将軍は、いったいどのような目で、自分がその建国に関わった国を見つめていたのだろうと思うと、他の国の英雄ながら、色々と想いを巡らせてしまうのは、やはり、ベトナムという国に私なりの親近感があるからなのだろうか。

今年で日本がベトナム民主共和国と国交を樹立して40周年。
つまり米国が南ベトナムから撤収して40年。

なんだかタイミングを合わせるような亡くなり方で、これもベトナムの英雄ならではの締めくくりなのかもしれない。
遠くになれり、ベトナム戦争。

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